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居るはずの無いモノが。
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のじゃロリババアのプライドがバッキバキに折れまくって大人しくなったので、茫然としている勇者(笑)に一発活を入れて、今日のところは宿に戻らせた、ようだ。ハーレムメンバー込みで。
聖女(笑)の方は魔法部預かりで、おっさんどもに囲まれているらしい。
…性別が女だと魅了されるから、だそーだ。
これ全部、ギルド側の采配な。
で、俺らとしては。
リッカさんにスズを付けて、先に《壺中天(笑)》に戻ってもらうことにした。
リッカさん本人は、大丈夫って言い張ってるけど大丈夫じゃないだろ。
スズに軽食の類いを持たせたけどさ。
何なら戻る途中で買い食いしてくってのもアリだな。
小銭持ってるか?
スズもリッカさんも、気をつけて行けよ。
2人がギルドを出ていくのを見送ってミヤさんのところに行くと、生温かい目で見守られていた。
なんですかその目は。
「…いや、そーゆー所が…うん。君はそのままでいいよ…」
そして頭をぐしゃぐしゃになるまで撫で捲られた。
何なんだよも~。
支部長の部屋。
支部長と各部署の部長が集まった上で、お話し合いが始まった。
聖女(笑)の所に《鑑定》持ちの人を4・5人送って、それぞれが聖女(笑)の瞳に絞って《鑑定》した結果をすり合わせて見るがいい。
と、言ったらその通りにしてくれたらしい。
結果、やっぱりロクでもなかった。
《魅了眼》
文字通り、対面した相手を魅了する。
本来人族が持つモノではない。
バシリスク亜種の瞳をえぐり出して移植されたもの。
人の身体には過ぎたるモノであることと、移植された当人が未熟な為に瞳の能力は使いこなせていない。同性同士で1対1でしか効果が見られないのはそのため。
また、魅了した相手の魂魄を縛り付け、少しずつ削り取る。
削り取った魂魄は主の元へと送られる。
魂魄を削り取られた者が、元通りになることはない。
…5人の《鑑定》持ち+俺とミヤさんの《鑑定》結果を摺り合わせたら、こんなことになった。
《鑑定》結果の摺り合わせ、なんてことを思いついたのは、酒の木の《鑑定》した時に、俺とスズの《鑑定》結果が違ったモノだったから。
ひょっとしたら、1人1人違った結果が出ているんじゃね?と、思ったのがキッカケで。
簡単なモノならともかく、ちょっとでもややこしいモノの場合は人によって微妙に違った結果が出ることが分かった。
そして始まったギルド側からの勧誘合戦。
狩猟部のみならず、魔法部や傭兵部まで。
…いや、そんなことよりもさ。
人の魂魄削り取って集めているヤツがいるってことだろ?
そっちの方は放置か?
あのハーレムメンバーが何言っても薄い反応だったのは、魂魄が削り取られたせい…ってことだろ?
そっちの処置とかどーすんの?
言っておくが、俺らには何も出来ないからな?
「お前ら…」
支部長が苦虫噛み締めたような顔で。
「それだけの能力があるのに何で上に上がらないんだよ」
各部長も頷いているけどな?
何度も言ってるじゃないか。
「メンドーだからです」
きっぱり。
「正確には、面倒事に巻き込まれたくない。と、言うところですね」
ミヤさんが補足した。
その通りだな。うん。
あのまダお嬢と、のじゃロリババアは学園側の問題で。
勇者(笑)と聖女(笑)は、放置した勇者の親と教会の責任だろう?
国もギルドも我関せず、と何もしなかったのに、さ。
問題がゴロゴロ出てきたからって、それを無関係な俺らに何とかしろ…ってのはおかしくね?
ムリヤリにでも昇級させて、問題解決に当たらせようってのはどーなんだろーな?
人として、大人として、さ。
などと地味~にヒートアップし始めたかな~ってところに、総合受付のおばさ──おねーさんが飛び込んできた。
「支部長!あと、あんた達!」
妙に慌てている。
何すか?
「あんた達のお仲間が、いるハズのないモノを連れて来てんだよ!」
…ナニソレ。
その場にいた全員でフロアに降りてみると。
…確かにいるハズのないモノがいるな…。
そこにいたのはある意味両手に花状態のスズ。
右側にリッカさん。
左側に…。
「ヒトウサギ?」
聖女(笑)の方は魔法部預かりで、おっさんどもに囲まれているらしい。
…性別が女だと魅了されるから、だそーだ。
これ全部、ギルド側の采配な。
で、俺らとしては。
リッカさんにスズを付けて、先に《壺中天(笑)》に戻ってもらうことにした。
リッカさん本人は、大丈夫って言い張ってるけど大丈夫じゃないだろ。
スズに軽食の類いを持たせたけどさ。
何なら戻る途中で買い食いしてくってのもアリだな。
小銭持ってるか?
スズもリッカさんも、気をつけて行けよ。
2人がギルドを出ていくのを見送ってミヤさんのところに行くと、生温かい目で見守られていた。
なんですかその目は。
「…いや、そーゆー所が…うん。君はそのままでいいよ…」
そして頭をぐしゃぐしゃになるまで撫で捲られた。
何なんだよも~。
支部長の部屋。
支部長と各部署の部長が集まった上で、お話し合いが始まった。
聖女(笑)の所に《鑑定》持ちの人を4・5人送って、それぞれが聖女(笑)の瞳に絞って《鑑定》した結果をすり合わせて見るがいい。
と、言ったらその通りにしてくれたらしい。
結果、やっぱりロクでもなかった。
《魅了眼》
文字通り、対面した相手を魅了する。
本来人族が持つモノではない。
バシリスク亜種の瞳をえぐり出して移植されたもの。
人の身体には過ぎたるモノであることと、移植された当人が未熟な為に瞳の能力は使いこなせていない。同性同士で1対1でしか効果が見られないのはそのため。
また、魅了した相手の魂魄を縛り付け、少しずつ削り取る。
削り取った魂魄は主の元へと送られる。
魂魄を削り取られた者が、元通りになることはない。
…5人の《鑑定》持ち+俺とミヤさんの《鑑定》結果を摺り合わせたら、こんなことになった。
《鑑定》結果の摺り合わせ、なんてことを思いついたのは、酒の木の《鑑定》した時に、俺とスズの《鑑定》結果が違ったモノだったから。
ひょっとしたら、1人1人違った結果が出ているんじゃね?と、思ったのがキッカケで。
簡単なモノならともかく、ちょっとでもややこしいモノの場合は人によって微妙に違った結果が出ることが分かった。
そして始まったギルド側からの勧誘合戦。
狩猟部のみならず、魔法部や傭兵部まで。
…いや、そんなことよりもさ。
人の魂魄削り取って集めているヤツがいるってことだろ?
そっちの方は放置か?
あのハーレムメンバーが何言っても薄い反応だったのは、魂魄が削り取られたせい…ってことだろ?
そっちの処置とかどーすんの?
言っておくが、俺らには何も出来ないからな?
「お前ら…」
支部長が苦虫噛み締めたような顔で。
「それだけの能力があるのに何で上に上がらないんだよ」
各部長も頷いているけどな?
何度も言ってるじゃないか。
「メンドーだからです」
きっぱり。
「正確には、面倒事に巻き込まれたくない。と、言うところですね」
ミヤさんが補足した。
その通りだな。うん。
あのまダお嬢と、のじゃロリババアは学園側の問題で。
勇者(笑)と聖女(笑)は、放置した勇者の親と教会の責任だろう?
国もギルドも我関せず、と何もしなかったのに、さ。
問題がゴロゴロ出てきたからって、それを無関係な俺らに何とかしろ…ってのはおかしくね?
ムリヤリにでも昇級させて、問題解決に当たらせようってのはどーなんだろーな?
人として、大人として、さ。
などと地味~にヒートアップし始めたかな~ってところに、総合受付のおばさ──おねーさんが飛び込んできた。
「支部長!あと、あんた達!」
妙に慌てている。
何すか?
「あんた達のお仲間が、いるハズのないモノを連れて来てんだよ!」
…ナニソレ。
その場にいた全員でフロアに降りてみると。
…確かにいるハズのないモノがいるな…。
そこにいたのはある意味両手に花状態のスズ。
右側にリッカさん。
左側に…。
「ヒトウサギ?」
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