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プチ百物語、絶賛開催中。
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なんとな~く良かったね……って雰囲気に満たされた地下訓練場だが。
いまだに怒りが燻ってる方々もいらっさるワケで。
さー、解散すっか~って空気の中、共通の特徴を持った女性達が集まって、ひそひそ話してるんだよ。
冷たい目でガキども3人を眺めてる。
……近寄らないよーにしよ~っと。
この茶番劇もう終わり、でいいかな。
ギルド長~……解散していいですよね?
なんか、そんな気分じゃ無くなったので、俺らの帰還についての話は明日あたり……。
リドラさんも交えて、で、いいですかね?
あの人にも、ちゃんと話した方がいいよーな気がするんで。
俺らは一旦《壺中天(笑)》を展開してたところに行って、また展開して一休みするかー……ってミヤさんと話していたら。
ギルド長あんどパンダと愉快な仲間、に捕まった。
あの便利そーな家の魔道具(《壺中天(笑)》のことだな)について、詳しく! ってコトなんだが。
今日はもうやる気が失せたので、明日な、明日。
あ、あとガキどもとは、この先一切関わらないって方向で。
お前らがどこでナニやらかそーが、俺には関係無いから。
リシュの町? だっけか?
そこに行くんなら、勝手に行けよ。
関わりたくない、メンドくさいってだけじゃなく、俺らこの辺まったく詳しく無いから。
道案内とか出来ないから。
指名依頼とか出されても、全力でスルーするから。
で、俺らはギルド長の部屋の隣り、猫科親子が一晩お世話になった部屋へと向かったワケだが。
今は、猫科親子と共にスズとリッカさんが昼メシ食ったり、茶ぁシバいたりしてると思われる。
……多分、な。
途中から銀竜がお目付けに行ったけど。
……今どんな状態だろーなー……。
で、今その部屋の前にいるんだが。
……なんで中からひゃ~ひゃ~言ってる声がするんだろうか……。
俺らはちょっと遠い目になりながら、部屋のドアを開けた。
「……『……こぉんな顔かい?』そう言って、振り向いたのは……」
「……(ブルブル)……」
百物語の真っ最中だった。
……ナニやってんの、リッカさん?
「……え? ちょっとコウ君、今良いトコなんだから、待ってて!」
あ、はい。
俺とミヤさんは、壁に寄りかかって立っている銀竜の隣りに並んだ。
楽しそーに怪談話に興じるリッカさんと、それを聞きながら、ひゃ~ひゃ~言ってるスズと猫科親子を眺めた。
一通り語り、満足したっぽいリッカさんは。
「は~……。長いコト話すと喉が渇くわね……。スズ君、お茶欲しいわ」
「は~い」
……やりたい放題だな。
そしてスズよ。
弟ポジションが板に付いてるぞ。
まったくと言っていいほど、違和感が仕事してない。
「……いや、リッカさんはまだかわいいモンだって。……あの姉どもに比べたら……」
姉どもの所業を思い出したのか、スズの目はどこか虚ろだ。
そして、猫科親子は。
「……は……母者、世の中には恐ろしいモノが居るんだな……」
「にゃあ……。知らない話ばかりにゃったが……おっかないにゃあ……」
めっちゃ怯えてんじゃねーか。
本当に、ナニしてんの?
リッカさん曰く。
初めのうちは、普通に猫又について話してたらしい。
ソコから化け猫の話になり、自然と怪談話のオンパレードになったとか……。
うん。
その三段跳びが、分かんねー。
リッカさんは、え? と目をむいて。
「鍋○家の化○猫騒動からの、番町皿○敷あんど東○道四○怪談からの小○八雲って、基本じゃないの?」
……また古典的なところ並べ立てたな、おい。
で、なんでスズは止めなかったの?
スズは乾いた笑いを洩らして言った。
「オレに止められると思うか?」
……ムリだな。
なんせ弟ポジだし。
「銀さんが来た時にはもう……。ノリにノっててな~。見守る以外、ナニが出来るか? って話」
……銀竜?
聞き覚えの無い話を、楽しんでたんじゃね?
ちょっとわくわくしてたんじゃね?
ミヤさんと2人して、じとっとした目を銀竜に向けると銀竜は。
すっ……と視線を反らした。
……まぁ、いいけどさ。
猫科親子は?
どーだった?
「……初めは楽しく聞いてたんだ……」
ジェイは、猫又母をしっかりと抱きしめて言った。
「……なんだ? その……アンドン、とかの油を舐める、とか……。いや、舐めないし、とか思ってたんだけど……。その後……」
「にゅうぅ……。皿割ったくらいで、殺されるとか……」
「……夜毎、死霊が皿の数を……」
「振り向いたら、顔が……」
「「……こわいな(にゃ)」」
ジェイと猫又母は、青い顔して反芻してる。
よっぽど怖かったのかな?
親子で目が虚ろになってる。
……リッカさん、やり過ぎ。
いまだに怒りが燻ってる方々もいらっさるワケで。
さー、解散すっか~って空気の中、共通の特徴を持った女性達が集まって、ひそひそ話してるんだよ。
冷たい目でガキども3人を眺めてる。
……近寄らないよーにしよ~っと。
この茶番劇もう終わり、でいいかな。
ギルド長~……解散していいですよね?
なんか、そんな気分じゃ無くなったので、俺らの帰還についての話は明日あたり……。
リドラさんも交えて、で、いいですかね?
あの人にも、ちゃんと話した方がいいよーな気がするんで。
俺らは一旦《壺中天(笑)》を展開してたところに行って、また展開して一休みするかー……ってミヤさんと話していたら。
ギルド長あんどパンダと愉快な仲間、に捕まった。
あの便利そーな家の魔道具(《壺中天(笑)》のことだな)について、詳しく! ってコトなんだが。
今日はもうやる気が失せたので、明日な、明日。
あ、あとガキどもとは、この先一切関わらないって方向で。
お前らがどこでナニやらかそーが、俺には関係無いから。
リシュの町? だっけか?
そこに行くんなら、勝手に行けよ。
関わりたくない、メンドくさいってだけじゃなく、俺らこの辺まったく詳しく無いから。
道案内とか出来ないから。
指名依頼とか出されても、全力でスルーするから。
で、俺らはギルド長の部屋の隣り、猫科親子が一晩お世話になった部屋へと向かったワケだが。
今は、猫科親子と共にスズとリッカさんが昼メシ食ったり、茶ぁシバいたりしてると思われる。
……多分、な。
途中から銀竜がお目付けに行ったけど。
……今どんな状態だろーなー……。
で、今その部屋の前にいるんだが。
……なんで中からひゃ~ひゃ~言ってる声がするんだろうか……。
俺らはちょっと遠い目になりながら、部屋のドアを開けた。
「……『……こぉんな顔かい?』そう言って、振り向いたのは……」
「……(ブルブル)……」
百物語の真っ最中だった。
……ナニやってんの、リッカさん?
「……え? ちょっとコウ君、今良いトコなんだから、待ってて!」
あ、はい。
俺とミヤさんは、壁に寄りかかって立っている銀竜の隣りに並んだ。
楽しそーに怪談話に興じるリッカさんと、それを聞きながら、ひゃ~ひゃ~言ってるスズと猫科親子を眺めた。
一通り語り、満足したっぽいリッカさんは。
「は~……。長いコト話すと喉が渇くわね……。スズ君、お茶欲しいわ」
「は~い」
……やりたい放題だな。
そしてスズよ。
弟ポジションが板に付いてるぞ。
まったくと言っていいほど、違和感が仕事してない。
「……いや、リッカさんはまだかわいいモンだって。……あの姉どもに比べたら……」
姉どもの所業を思い出したのか、スズの目はどこか虚ろだ。
そして、猫科親子は。
「……は……母者、世の中には恐ろしいモノが居るんだな……」
「にゃあ……。知らない話ばかりにゃったが……おっかないにゃあ……」
めっちゃ怯えてんじゃねーか。
本当に、ナニしてんの?
リッカさん曰く。
初めのうちは、普通に猫又について話してたらしい。
ソコから化け猫の話になり、自然と怪談話のオンパレードになったとか……。
うん。
その三段跳びが、分かんねー。
リッカさんは、え? と目をむいて。
「鍋○家の化○猫騒動からの、番町皿○敷あんど東○道四○怪談からの小○八雲って、基本じゃないの?」
……また古典的なところ並べ立てたな、おい。
で、なんでスズは止めなかったの?
スズは乾いた笑いを洩らして言った。
「オレに止められると思うか?」
……ムリだな。
なんせ弟ポジだし。
「銀さんが来た時にはもう……。ノリにノっててな~。見守る以外、ナニが出来るか? って話」
……銀竜?
聞き覚えの無い話を、楽しんでたんじゃね?
ちょっとわくわくしてたんじゃね?
ミヤさんと2人して、じとっとした目を銀竜に向けると銀竜は。
すっ……と視線を反らした。
……まぁ、いいけどさ。
猫科親子は?
どーだった?
「……初めは楽しく聞いてたんだ……」
ジェイは、猫又母をしっかりと抱きしめて言った。
「……なんだ? その……アンドン、とかの油を舐める、とか……。いや、舐めないし、とか思ってたんだけど……。その後……」
「にゅうぅ……。皿割ったくらいで、殺されるとか……」
「……夜毎、死霊が皿の数を……」
「振り向いたら、顔が……」
「「……こわいな(にゃ)」」
ジェイと猫又母は、青い顔して反芻してる。
よっぽど怖かったのかな?
親子で目が虚ろになってる。
……リッカさん、やり過ぎ。
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