特技は有効利用しよう。

人は変わらない。

故に。

他人の国の内情なんか、知らん。

だから、そろそろ御暇しようかな、と。

ケーリッシュ嬢、ケーリッシュ公爵家からの依頼の、ケーリッシュ公子の縁結び特化の羽毛布団、仕上がったそうなので。
ケーリッシュ公爵家に配達しといた。
ついでに、ケーリッシュ公爵夫妻ご希望の他国の美食詰め合わせも同時に配達しといた。

これで公爵家からの依頼は全部果たした。

ケーリッシュ嬢と王弟殿下の婚姻祝いはケーリッシュ公子の布団よりも先に仕上がって納品済だ。

とりあえず、ケーリッシュ公爵家との関わりは、もう無い、かな。



「で、どーする気なんだ？　フェル嬢、王国はともかく、自分の領地は捨てらんないだろ」

王国の外交団が、公国側と集団見合いの結果についてごちゃごちゃやってる間、暇を持て余したのでそろそろ具体的に撤収しようと企み中。
ハイドさんに、改めて問われた。

国を捨てる覚悟?　あるよ。
自領？　大事ですよ。

国は、ねぇ。
私ら華麗にスルーされたし。
やっぱアレだよ。
礼儀として３倍返し？
まあ私個人が姿消すのって、国としてはナンのダメージも受けないだろうケド？
意趣返しにならないってコトはよーく知ってるケド。

国の為に、都合よく使われる気はサラサラ無い。

自領は、ホラ……父と母御が頑張って後継ぎを産むだろ、まだ若いし。
魔女サマヘッドハンティングしたのは、ウチの領地、魔女サマ好みっぽいから宜しくしてくれるだろーな、という下心付きで。

だから多分、ナンとかやってくだろ。


だから今考えるコトは、何処に行こうかな？　ってこか。
で、どーする？
ハイドさん、ナルさん？