特技は有効利用しよう。

人は変わらない。

パーティ翌日。

なんだかどんよりした空気が満ちている公国の王城。
バカ騒ぎの後のぐったり気分が城中に満ち満ちている。
なんだかな。
ウチの近衛どもには既に期待なんかして無いが、公国もなんか微妙。

そりゃ特殊性癖持ちが第２公子でござい、うっかりクーデターなんか企んじゃったりしてますよ!
とか堂々と日々暮らしてるっつー……。

どーなんだろう、公国って……。

義理は果たしたんだし。
早々に撤収したい。



「フェルちゃん、お茶のおかわりはいかが？」
「あ、貰います」
「ナル嬢、こっちにもくれないか？」

あてがわれた部屋にて。
３人でまったりとしている。
今回の茶菓子は、基本に立ち戻ってバターたっぷりのショートブレッド。

「それ……クッキーとどう違うのか？」

ハイドさんよ。
うっすらと菓子職人以外皆が一度は考えるコトを、改めて問うんじゃない。
とりあえず、クッキーとビスケットの違いって問題もあるけどちょっと右の方に置いといて。

ウチの外交団、上手くやってんのかねぇ？