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人は変わらない。

偉くても偉くなくても。

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ケーリッシュ公爵ご一家の依頼の一つに、『世界中の美味なるモノ』ってのがあってだな。
ケーリッシュ嬢が嫁入りして最初の子供が生まれるまでは、ちょいちょい持って来なさい……ってゆー、かなりざっくりした依頼があってな。
ちなみに、跡継ぎの男子って縛りが。
あの一撃必殺、一発必中な高級羽毛布団使ってたら、すぐに子宝に恵まれるだろうから受けたんだけどね。

性別限定だったな。
筆頭神使に「第一子は男」ってお願いしとくか。
公爵家の良い様に使われる気は無いし。
今はただ、旨いモノが食べたい! って、食欲に振り回されてるだけだろうけど。
時が経てば経つほど、私の事を自分達に都合よく使うようになるだろう。

人なんて、そんなモン。

高位貴族ならなおさら。



とりあえず。
ケーリッシュ嬢が王弟殿下と仲良くお茶したベイクドチーズケーキをホールで公爵家にお届けした。
遠く離れた地で娘が食したモノと同じモノ、しかもチーズのケーキか! と、公爵閣下はお喜びになり、代金を弾んでくれた。

別に公爵家御用達になる気は皆無なので、ナルさんに払った黄桃シリーズ──タルトに蜂蜜煮、ジャムやらソルベやらは渡さなかった。
お値段張りますから。

あ、ご子息用の幸運爆上がり、最強縁結びの加護を刺繍した高級羽毛布団の進捗具合の確認しなきゃ。

……とりあえず?

公爵閣下、目の前に丁度良く年頃の侯爵令嬢(笑)が……って、狙う目線を私に向けるのは止めて下さい?

確実に、私の異能目当てってバレてますから。






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