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よーやく出発?

かわいいは正義! とは限らない。

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下準備に勤しんだわりに、情報収集にはポロポロ穴が空いてるイサナ公国のハニトラ部隊『倒竜姫をもてなし隊』だが。
一部のメンバーが、抜けがけしようと王国の外交団に接触したらしい。

外交団がイサナ公国の国境に近づいたとの情報を得た演技派の一つが、子供を使って外交団に近づこうとして、取り押さえられたようだ。

国境沿いの街で宿泊する為に宿に入った外交団。
出入りの為にざわついてるところに子供を送り込んだ。

連中が狙ったのは、騎士達に守られている令嬢。
まさか、お目当ての倒竜姫が別行動してるとは思いもせず。
外交団の中で唯一と思われる令嬢に、『かわいい子供』を近づけようと……。

「あら? こんな子供が何故ここに紛れ込んでるのかしら?」
「それは、宿の子供でもこの街の子供でもなさそうだぞ」

子供を見咎めたのは、倒竜姫の雇ったメイド。
その子供が紐付き──背後に操る大人の存在を見破ったのは、やはり倒竜姫の雇った魔法剣士だった。



とりあえず、騎士ども、仕事しろ。




その頃、倒竜姫は。

「うわ~、予想以上の出来! つるつるすべすべで、軽くてふかふか! ぶっちゃけ自分が欲しい!」
「そう言ってもらえて、とても嬉しい。では刺繍の仕上がりも、これでいいか?」
「さすがの効果! 一発必中一撃必殺! これなら公爵家からの献上品として恥ずかしくない! ってゆーか、過剰? ……まぁいいや。お貴族サマの新婚夫婦の最優先事項は、次代の子作りだし」

西河の女神神殿で、ケーリッシュ公爵令嬢の結婚祝い用の夫婦布団のチェックをしていた。

ちなみに、同伴したゴルディアス領の老神殿長は、西河のほとりで光合成中。
まずは、ゆっくりするといい、との筆頭神使の気配りだった。






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