笑顔でナニ言ってんですか？

vs. 入学準備。

お片付けとヤツは今。

浮かれ気分な男爵令嬢との関係がどーなるか？

考えてたら知らないうちに眉間にシワが寄ってたらしい。
私の手元にある報告書を見て、ナガツキさんが無言で私の頭を撫でた。
わしわし、と。

そんな私らをグロリアがヌルい目で見て、言った。

「お片付けはお任せ下さい」

……って、ナニを？

今食べ終わった食器類の事か？
それとも……。

「大丈夫ですわお嬢様。ナニかの拍子で行方不明に……なんて、それこそ山のように発生してますもの」

にたり、と笑って言うグロリア。
うん、物騒な方だった。

どーやら、もう１人の元庶民令嬢は、グロリアにロックオンされたもよう。

合掌。

……そーいや、花畑風味っつーか、もう１人私に突っかかってくる可能性のある令嬢、居たよな？



ナガツキさんの手の者によると。
すべての元凶とも言える色ボケ百花繚乱バカブランシェット侯爵の後妻は、と言えば。

『どーもマトモな思考、発言が出来なくなっているらしい』。
『幻覚に悩まされ、起きている間ず～っとナニかに怯えているよーだ』。
『今までムダに色気と美貌を誇っていたが、当人それどころじゃなく。今までとは違う意味で、やつれ果てている』。

とかなんとか。

つまり、自分のコトで精一杯、と。

うん、放置していいかな。