笑顔でナニ言ってんですか？

vs. 王族あんど……。

ナガツキ曰く。

コールのヤツ……。

一番面倒くさいトコ全部オレに丸投げてきやがった。

まぁ、王侯貴族なんてぇモンは、隙あらば相対したヤツの挙げ足取って自分に有利にしようとするイキモノだけどな。

……面倒、だもんな。
そりゃオレに丸投げるか。



仕方ないので、説教ついでにきっちり言質取ってやった。

曰く。

コーネリア・ブランシェットという名前の令嬢は存在しない。

コール……コーラル・セリス伯爵令嬢は、つい最近まで他国で冒険者として生活していたので、サルファー王国の常識に疎いところがある。

来年には貴族学院に入学するが、冒険者活動は続ける。

学院では、どこの学科に入るか決めるのはコーラル本人。

学院卒業後、コーラルがどんな進路を選ぼうが口出ししない。

下らない事を仕掛けてきた場合、お返しにナニかされても文句言わない。
……まぁ、命に障りは無い……と、いいな？

等々。


サルファー王は、何か言いたそうにしけど、先に冒険者組合、オンタリオ皇国や東輝蘭と正式に文書交わしてたからな。
自分達サルファー王国に都合よく約定をねじ曲げようとした事は、組合は勿論、オンタリオにも東輝蘭にも報告するからな。

王族か上位貴族の王子やら子息やらをコールにあてがって、蜜の罠仕掛けるつもりだ～……とかも、当然報告してやる。

サンタンジェロからの道中、ブランシェット侯爵がコールに、王子連中やら子息連中やらの話をやたら話してたけどな。
アイツコール、ブランシェット侯爵の話なんかロクに聞いちゃいなかったぞ？
正解には、サルファーのメシが今イチっポいって事実に絶望してた。
色恋沙汰よりメシマズの方が大問題だ、そーだ。

……まぁ、その通りだけどな。



だいたいコールは、ウチ東輝蘭の甥っ子にどーかな？　って考えてたんだよ。

だから義兄帝に、良さそうなヤツ見繕ってサルファーに送り込め……って連絡したのに。

何で女の子送り込んで来るかな。

いくら四大公家の１つ、東璃家の分家、東雲家の子だからって……。