笑顔でナニ言ってんですか？

vs. 王族あんど……。

古い古い怨恨で。

ケース２後編。

道を踏み外した領主は。
すべてを他人の……分家のニンゲンがしでかした、と、分家の責任にして難を逃れようとした。
が。
ブランシェット家のニンゲンの告発に、すべてが明らかにされて。
領主の……本家と分家の立場は逆転し、やらかした領主は領地の外れに謹慎することになった。
近い将来、急病での死亡が確定している。
本家の連中の恨みは、ブランシェット家へと向けられた。



ケース３。
とある青年貴族。

青年は、その乙女が欲しかった。
愛情ではなく、一方的な欲望で。

青年は、嘘で塗り固めた薄っぺらな愛情を乙女に捧げた。

乙女は。
嫌悪感もあらわに青年の求愛を拒絶した。
青年の欲望を見抜いていた乙女は、ブランシェット家のニンゲンだった。

青年の叶わぬ想い欲望は行き場を失い、歪み、他者を苛む方向で発散された。

幾つも発生する陰惨な事件。

犯人は、件の青年貴族だった。
ブランシェット家のニンゲンによる告発に、青年は捕らわれて処罰された。

青年の家族の恨みは、ブランシェット家へと向けられた。




──etc. etc. ……──

なんつーか、こー……。
こんなんばっかかよ、あの秘密結社(笑)。

百年以上前の、カビの生えたよーな逆恨みを晴らすために、国中で違法薬物を蔓延させて、結社(笑)のニンゲンの言葉は“絶対”だと洗脳一歩手間に追いやり。
結社(笑)のニンゲン総出で、ブランシェット家へと攻撃を始めて。
ゆっくりと時間をかけて、ブランシェット家の“サトリ”の能力だけ失われるように仕向け。
それが成就するのも目前、という時に。

「……うっかり私みたいなモノが現れちゃった、と」

別に、私が“サトリ”の能力持ちだー、なんて話は欠片もないんだが。

精神的に、妙な方向でねじくれまくった連中には、理解し難いコトなんだろーか。

自業自得な逆恨み集団……っつーか。
個人的かつ感情的な、恨みつらみネタミソネミを子孫にナンとかさせようって根性は、どっからきたんだか。

迷惑な話でしかない。

……まぁ、ね？

ブランシェット家は常に正しいと思われる立場にあった、とは思わないけどさ。

８割逆恨みって……。

アホですか。