上 下
253 / 381
vs. 王族あんど……。

集られた?

しおりを挟む
御器被りとバグズの違いについて説明しようか。
あ、いらない?
どっちみち『イヤん』なイキモノには違いない?
まぁ、そりゃそうだけど。
迷宮潜るなら、基礎知識の一つとして知っといた方がいいぞ。

そう言って、ざっくりと御器被り魔物バグズの違いについて語ってみたところ。

「……じゃあ、学院の管理迷宮で見たあの黒いヤツは」

長男が『ウソん』って顔して述懐してる。

聞いたところ、学院の管理迷宮って、出てくる魔物は全体的に小ぶりっつーか、小物っつーか……なんかミニマムだそうだし。
迷宮って、普通に御器被りが居てもおかしくない環境だしな。
御器被り自体がどこにでもいるし。
区別なんかつかないわな。




人と遭遇すると、基本、御器被りは逃げてく。
バグズは、こっちにたかってくるよな。
なんと言っても、サイズが違うし。
御器被りは踏み潰せるサイズだけど、バグズは……。

「……そういや、オレ以前“鈴掛け山”でバグズに集られた事あったわ」

ナガツキさんが、ちょっと遠い目をして言った。


“鈴掛け山”か。
あそこ、迷宮としては中級レベルで、出てくる魔物がこう、まんべんなく出てくる。
水生のヤツ以外、とくに偏りもなく……ちょっと、植物系のヤツが多目かもだけど、結構良いカンジにいろいろ採取できる。

そーか、ナガツキさん、バグズに集られたか……。
数の暴力に打ち勝ったんだな。
おめでとう。

「おうありがとうって、今か」

いつでもいいじゃないか。
軽くメートル超えの黒いあんちくしょうが、エサが来た、とばかりにこっちに向かってくるんだぞ。
ちょっと気を抜くと、本気ですんごい数になるからね。
でも……。

バグズ避けの香料、使わなかったのか?




迷宮に、学院管理の超絶初心者迷宮じゃなくて、外部の、普通の迷宮に潜りたいなら冒険者、最低でも中級以上にならなきゃね?
迷宮探索者、と名乗れるのは上級以上だけどさ。
中級レベルの実力があれば、荷物持ちとして迷宮探索者に引率される形で入る事が可能になる。
……ウチサンタンジェロの方じゃそうなんだけど、ここサルファー王国じゃ、どうだろ?
組合の指針って、基本的にはみんな同じはずだけど。
たま~に、稀にローカルルールっつか、都合良く変更してる場合もあるからな。

あんまし錬度高くなかったよなセリス領の組合。


……まぁ、長居する気はないから別にいいか?






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

タイムリープ〜悪女の烙印を押された私はもう二度と失敗しない

結城芙由奈 
恋愛
<もうあなた方の事は信じません>―私が二度目の人生を生きている事は誰にも内緒― 私の名前はアイリス・イリヤ。王太子の婚約者だった。2年越しにようやく迎えた婚約式の発表の日、何故か<私>は大観衆の中にいた。そして婚約者である王太子の側に立っていたのは彼に付きまとっていたクラスメイト。この国の国王陛下は告げた。 「アイリス・イリヤとの婚約を解消し、ここにいるタバサ・オルフェンを王太子の婚約者とする!」 その場で身に覚えの無い罪で悪女として捕らえられた私は島流しに遭い、寂しい晩年を迎えた・・・はずが、守護神の力で何故か婚約式発表の2年前に逆戻り。タイムリープの力ともう一つの力を手に入れた二度目の人生。目の前には私を騙した人達がいる。もう騙されない。同じ失敗は繰り返さないと私は心に誓った。 ※カクヨム・小説家になろうにも掲載しています

【完結】妹に全部奪われたので、公爵令息は私がもらってもいいですよね。

曽根原ツタ
恋愛
 ルサレテには完璧な妹ペトロニラがいた。彼女は勉強ができて刺繍も上手。美しくて、優しい、皆からの人気者だった。  ある日、ルサレテが公爵令息と話しただけで彼女の嫉妬を買い、階段から突き落とされる。咄嗟にペトロニラの腕を掴んだため、ふたり一緒に転落した。  その後ペトロニラは、階段から突き落とそうとしたのはルサレテだと嘘をつき、婚約者と家族を奪い、意地悪な姉に仕立てた。  ルサレテは、妹に全てを奪われたが、妹が慕う公爵令息を味方にすることを決意して……?  

婚約破棄ですか? ならば国王に溺愛されている私が断罪致します。

久方
恋愛
「エミア・ローラン! お前との婚約を破棄する!」  煌びやかな舞踏会の真っ最中に突然、婚約破棄を言い渡されたエミア・ローラン。  その理由とやらが、とてつもなくしょうもない。  だったら良いでしょう。  私が綺麗に断罪して魅せますわ!  令嬢エミア・ローランの考えた秘策とは!?

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!

暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい! 政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。

私のお父様とパパ様

ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。 婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。 大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。 ※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。 追記(2021/10/7) お茶会の後を追加します。 更に追記(2022/3/9) 連載として再開します。

うちの王族が詰んでると思うので、婚約を解消するか、白い結婚。そうじゃなければ、愛人を認めてくれるかしら?

月白ヤトヒコ
恋愛
「婚約を解消するか、白い結婚。そうじゃなければ、愛人を認めてくれるかしら?」 わたしは、婚約者にそう切り出した。 「どうして、と聞いても?」 「……うちの王族って、詰んでると思うのよねぇ」 わたしは、重い口を開いた。 愛だけでは、どうにもならない問題があるの。お願いだから、わかってちょうだい。 設定はふわっと。

私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。

火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。 王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。 そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。 エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。 それがこの国の終わりの始まりだった。

側妃に追放された王太子

基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」 正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。 そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。 王の代理が側妃など異例の出来事だ。 「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」 王太子は息を吐いた。 「それが国のためなら」 貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。 無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

処理中です...