笑顔でナニ言ってんですか?

庭にハニワ

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vs. 王族あんど……。

一番簡単な人心掌握術。

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美味なる食事で胃袋わしづかみ。

一番簡単な人心掌握術、かもしれない。



そーゆーの見越して私に様々な料理仕込んだのかね。
あの黒白師匠ズってば。

……いや、単に自分が美味いモノ食べたかっただけかな。

「美味いモノ食べて、怒るヤツはあまり居ない」

そーいや、そんなコトうそぶいてたな、黒師匠。

事実かも。

少なくとも、自分は偉いんだと勘違いしてるオメデたい権力者(笑)には、珍しい暗黒大陸のスパイス満載な料理とか、森の人──じゃない、森の民のハーブを多用する料理とか、妙に好評だったしな。
ウチサンタンジェロの組合長にも、材料費その他に手間賃弾むから、お願い~! って、ちょくちょく頼まれたしな。

いい小遣い稼ぎになりました。



あ~……。

今、ウチの組合ってどーなってんだろう。
組合所属の料理長、暗黒大陸のスパイス使いに魅せられて、個人的に修行中だったんだけど。
全力で請われて、基礎の基礎しか教えてないけど、大丈夫かね?
地味に悲劇──失敗料理の大量生産──とか起きてないよね?

組合長も、大好物な森の人──じゃない、森の民のヘルシーなハーブ料理、どーしてるかな?

材料に関しちゃ、おやじ殿がナンとかするんだろうケドさ。
でもおやじ殿って、食うの専門で料理なんかめっちゃ簡単なのしか出来ないぞ。




天空マグロを魔法収納袋から引っ張り出したら。

「「「おぉぉぉぉ」」」

と、料理長と助手ズが拍手喝采。
これまでにまるっと一本、まるまんま(内臓処理済み)の海の幸──まぁ、天空モノだから、普通の海産物とは違うんだケド──を見る機会が無かったらしい。

助手ズにいたっては。

「うわ初めて見た」
「マグロって、でっかいんだなぁ」

と、キラめく瞳で調理台からはみ出す天空マグロを見つめている。
料理長もワクワクが止まらないって顔だ。

が。

……これ、海のマグロとしちゃ普通サイズだけどさ。
天空モノとしちゃ小型サイズなんだけど。

「え」
「うっそ」
「「ホントですか? 料理長」」

料理長は。

「確か……天空魚ってのは、通常の、淡水及び海水に居る魚類よりもでっかく育つ、とは聞いちゃいるが……」

あぁ。
この国サルファー王国って、海無いもんな。
淡水魚ならともかく、海水魚自体を見る機会が無い。

「そうだな。マグロ、なんて超高級魚、切り身でしかお目にかかったコトが無い。それも、保存の為にガッチガチに凍らせたヤツを、よ」

ん~……。
魔法の使い方にも、ちょっと問題有り、なのかも。











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