笑顔でナニ言ってんですか？

vs. 王族あんど……。

バレた？

セリス伯爵家選抜の３人は、私の目が座ったあたりでか～な～り～ビビり入ったよーで。
なんだか私を見る目が泳いでいる。

これだから命の危機に疎いお貴族サマはよー……と、座った目が正座に移行する寸前。
思い出したよーに、セリス伯爵が言い出した。

「実際の迷宮についても詳しく聞いてみたいところだけど。それよりも、その……カサンドラ姫？　がナニかするって……何？」

セリス伯爵……。
覚えてたのか、姫サマの事。

「あぁ、それは……」
「ナガツキさん」

めっちゃ気軽に話そうとするナガツキさんを、止めた。
ナガツキさんは、微妙に不満そうだ。

が。

ナニをある事あるコトペラペラとしゃべろうとしてんのかな？
情報は大事だろ？
カサンドラ姫について、イコール迷宮核についての話になるじゃないか。
奥の手になりそうな話は、大事に取っておこうよ。
奥の手ってモンは、何個あっても良いモノなんだよ？
それとも、アレか？
わざといろんな情報を洩らして、さぁ、真実はどれでshow ？　ってやる気満々？
で、情報過多で混乱してパニックになる様を、横目でほくそ笑みながら楽しく観察する気か？
この愉快犯め。

「お前さぁ。仕掛ける前にバラすなよな～」

不満げな口調で、でも顔は楽しげなカンジでナガツキさんが言う。

ホントにロクでもないなこのヒト。
まぁ知ってたケド。

「「「えええ」」」

ほ～ら。
セリス伯爵家選抜の３人の、ナガツキさんを見る目も変わった。
さりげなく私の保護者枠から、要注意人物へと移行した。