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vs. 王族あんど……。

お子さん見ないで。

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さぁさぁさぁ……と、小僧オスカーお子様ユリアナを連れて、部屋を出て行くグロリア。
先導するのは、私らを迎え入れた執事の人とアレク。
あと、壁ぎわに並んでた侍女な人々。
正確には、セリス伯爵に追い出された侍女、従僕連中。

………。

なんかさ?
妙~な気配漂わせてるヤカラが何人か紛れ込んでるね?
何だろ~ね?

ナガツキさんが、そんなヤカラを目で追いながら、すっげー良い笑顔になってる。
多分おそらくきっと絶対カクジツに。
何らかの悪意っつーか、害意を腹に抱えたヤツらなんだろう。

どこにでも居るな、そーゆーヤツら。
まるで家庭内害虫Gこと、御器被りのよーに。



さて。
お子様も退出したし。
使用人の方々も全員居なくなったところで。
……ナガツキさんは、まぁ……いいか、別に居ても。
保護者おやじ殿代理だし。

んじゃ、そろそろ術式発動しようか。

なんか、ばーさんがまだなにやらゴチャゴチャ小言を言ってる。
が、まるっとサクっとスルーして。

『実行』


……………。

………。

……。


魔物大量発生からの大暴走、からの開拓村壊滅。
旅から旅への放浪の日々。
そして。
母が味わった、この世の地獄からの最後の時まで。
あくまでざっくりと、ダイジェストでお送りしてみた。
1人の女の悲しい半生を、子供の目から見た映像だ。

……うん。
我ながら、酷いな。
でもお貴族サマなら、このくらいは何ちゃないかな。

多分。



涙目だったじーさんは、滝のよーに涙駄々漏れである。

眉間にシワを寄せて、いたたまれない顔をしてるのは、セリス伯爵。
嫁の方は、顔面蒼白で口元を手で覆って小刻みに震えている。
おや。
ちょっと刺激強すぎだか?
まぁ、ね?
正気の女なら堪えられないだろーね。

にーさんもまた、気分悪そーな……。

近い将来、妙な性癖に目覚めないコトを祈るね。

で。
本命の、ばーさんはと言うと。

「……何よ、何だというの……。なぜ、戻って来なかったの、クラウディア~。そんな目にあっていたというのに、何故わたくし達から遠ざかって、あんな……あんな……」

血の気の失せた顔で、ぶつぶつと絶え間なく呟き続けている。

……病んじゃった?



「あぁ……。うん、こりゃ、お子さんにゃ見せられないわな……」

ナガツキさんは、なんか納得してた。

だから言ったじゃん。
お子さん見ちゃダメ……って、さ。



















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