笑顔でナニ言ってんですか?

庭にハニワ

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vs. 王族あんど……。

ちょっと=15分。

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それは、ちょっと前の事。

「……何もしないでただ引きこもってるのもヒマだ。っつーか、おとなしくしてるの、飽きた」

と、ゆーワケで。
このヒマな時間を有効利用して、ちょっと魔法収納袋に保管する食料──料理やら菓子やら──を増やそーと思う。

幸いな? コトに、この部屋にはささやかながらも台所が付いてる。
ん? キッチンって言うべき?

……いや~、お貴族サマ御用達の高級宿って、スゴいのな。
ムダに広い。
部屋数あるし、風呂なんか3つもある。
どーすんだ風呂3つって。

いやはや……。

いつも私らが使うよーな宿とはまったく違ってて、初めて高級宿に入った時、面食らったモンな~。
今は、まぁかなり……結構慣れたんじゃないかな。
それでも、さ?

「こんなに部屋あってもムダじゃね? って思っちゃうのは、私が貧乏性だからだろーか」

まぁいいか。
こんな贅沢、今だけだろうし。

しかしまぁ。
侯爵の……正確には、色ボケ百花繚乱バカな後妻の使用人だったグロリアはともかく。
ナガツキさんよ。
何故ナニユエに、このムダに豪華な空間にすんなりと馴染んでるのか?
特級冒険者ともなると、こんな豪華な部屋に泊まるのが普通になるワケ?
スゴい金かかるな。



……まぁいいや別に。
とにかく。
ここの宿で使ってる茶は、なかなか美味しい。
伊達に高級宿じゃないね。

ちょ~っと残念なのは、茶とともに出された菓子の方。
なんかこー、ムダに甘すぎ、そして硬すぎ。
クッキーなのかビスケットなのか? 
多分小麦粉系の焼き菓子のはずなのに、ものすごい硬い。
何よ、砕いて茶に浸して、ふやかして食えっての?
そーやって食べるのが、正しい作法なのか?

……なんか、ヤだ。

「まぁ、甘すぎるのは、過剰に砂糖使ってるからだろーし、硬すぎるのはめっちゃ焼きしめてるからだろーに。で、ただでさえ硬すぎるのに、更に飴がけしてるヤツもあったな。どこの保存食か。飴は飴として作れよ。いっしょくたにすんな」
「それはオレも思った。オンタリオから離れるに従って、食い物がだんだん残念になっていくよな」

菓子に対する私の感想に、乗っかるナガツキさん。
2人して、うんうんと頷きあっていると。

「……何故でしょう。アテクシが何かした訳でもありませんのに、ものすごーく居たたまれない気持ちになりますのは……」

グロリアよ。
お前のせいじゃないってコトは確かだから、そう嘆くな。
茶は、まぁウマい方だからさ。



ナガツキさんが、したり顔で言い出した。

「なるほど。これが味覚の英国面ってヤツか」

真面目な顔してナニ言ってんの?






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