笑顔でナニ言ってんですか?

庭にハニワ

文字の大きさ
上 下
158 / 381
vs. 王族あんど……。

仕込みは白師匠。

しおりを挟む
さて。
そんな、実際にあったある意味怖い話はちょっとこっちに置いといて。 

「いや、ある意味じゃなくて、完ペキに怖い話だろ」
「……実際にあった事なんだね」

ナガツキさんが、てぃっ、と私にツッコミを入れ。
セリス伯爵が乾いた笑いを洩らす。
侯爵は、どーしたらいいのか分からないよーだ。
戸惑いMAXな顔してる。
うん。
このまま親子がどーの……って感情を切り捨ててくれてもいいのに。
ってゆーか、むしろ無かった事にして欲しい。
マジで。
いや、ガチで。



「銀狼様は、いつでもニェスの蟲沼にゴロツキどもを転移させる事が可能ですのね……納得しましたわ。アテクシがあの場所に行った時、ナニユエに蟲どもの中心部深くに転移用の魔結晶が沈められているのかと思いましたが……」

なるほど納得、とばかりにうんうん頷きながら、グロリアが言った。

「仕掛けたのは白師匠な。いつでも自由に使えるのは、おやじ殿と私、あと、仕掛けた白師匠当人な」

『蟲が群れを成して……これは良き処刑場であるな』

そう言って、喜んで転移用の魔結晶造り上げて仕掛けてたよ、白師匠。

「やっぱ後始末が楽、って大事だよね」
「さようでございますわね。バルボアナ火山地帯には、うっかり紛れ込んだと思われる動物や魔物、それにヒトガタと思われる種族の、蟲どもに貪り喰われた痕跡が、あちらこちらに残っておりましたし……」

はっきりと、人骨がそっちこっちに散らばってたーって言っていいんだぞ。
ってゆーか。

「グロリア、ニェスに行った事あんの?」

素朴な疑問をグロリアにぶつけてみた。



グロリアは、ちょっと……かなり虚ろな目で遠くを見て。
……目の前宿の壁だろ、とかのツッコミなんかいらんぞ、ナガツキさん。

「……アテクシ、以前は凄まじく勘違いした愚か者でございましたでしょう? 事もあろうに、あの頭の中身が花咲き乱れる花畑、なブランシェット侯爵夫人付きの細作をしておりました。夫人にお嬢様を無き者とするように命じられ、ダニエル様と共にオンタリオ皇国に参りましたわ。色々あって、サルファー王国に戻る時にダニエル様方と別れて、アテクシはお嬢様を付け狙っておりましたわ。お嬢様も銀狼様も、アテクシごときにどうこう出来るような方々ではない、とすぐに分かりました。でも、アテクシ当時は夫人の、カルギリア公爵家の言いなりでございましたから。夫人の命じた事は絶対、でございましたから。……そんなある日、ふ、と気付いたら見知らぬ場所で見慣れぬ形の黒装束に黒覆面の人々に取り囲まれておりました。ご主人様の手の者、の方々でございます」

どーやら、茶髪黒服がどーしてグロリアになったか、の謎が解明されるよーだ。






しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?

甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。 友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。 マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に…… そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり…… 武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語

妹が聖女の再来と呼ばれているようです

田尾風香
ファンタジー
ダンジョンのある辺境の地で回復術士として働いていたけど、父に呼び戻されてモンテリーノ学校に入学した。そこには、私の婚約者であるファルター殿下と、腹違いの妹であるピーアがいたんだけど。 「マレン・メクレンブルク! 貴様とは婚約破棄する!」  どうやらファルター殿下は、"低能"と呼ばれている私じゃなく、"聖女の再来"とまで呼ばれるくらいに成績の良い妹と婚約したいらしい。 それは別に構わない。国王陛下の裁定で無事に婚約破棄が成った直後、私に婚約を申し込んできたのは、辺境の地で一緒だったハインリヒ様だった。 戸惑う日々を送る私を余所に、事件が起こる。――学校に、ダンジョンが出現したのだった。 更新は不定期です。

私のお父様とパパ様

ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。 婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。 大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。 ※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。 追記(2021/10/7) お茶会の後を追加します。 更に追記(2022/3/9) 連載として再開します。

新しい聖女が見付かったそうなので、天啓に従います!

月白ヤトヒコ
ファンタジー
空腹で眠くて怠い中、王室からの呼び出しを受ける聖女アルム。 そして告げられたのは、新しい聖女の出現。そして、暇を出すから還俗せよとの解雇通告。 新しい聖女は公爵令嬢。そんなお嬢様に、聖女が務まるのかと思った瞬間、アルムは眩い閃光に包まれ―――― 自身が使い潰された挙げ句、処刑される未来を視た。 天啓です! と、アルムは―――― 表紙と挿し絵はキャラメーカーで作成。

今、私は幸せなの。ほっといて

青葉めいこ
ファンタジー
王族特有の色彩を持たない無能な王子をサポートするために婚約した公爵令嬢の私。初対面から王子に悪態を吐かれていたので、いつか必ず婚約を破談にすると決意していた。 卒業式のパーティーで、ある告白(告発?)をし、望み通り婚約は破談となり修道女になった。 そんな私の元に、元婚約者やら弟やらが訪ねてくる。 「今、私は幸せなの。ほっといて」 小説家になろうにも投稿しています。

私と母のサバイバル

だましだまし
ファンタジー
侯爵家の庶子だが唯一の直系の子として育てられた令嬢シェリー。 しかしある日、母と共に魔物が出る森に捨てられてしまった。 希望を諦めず森を進もう。 そう決意するシャリーに異変が起きた。 「私、別世界の前世があるみたい」 前世の知識を駆使し、二人は無事森を抜けられるのだろうか…?

リリゼットの学園生活 〜 聖魔法?我が家では誰でも使えますよ?

あくの
ファンタジー
 15になって領地の修道院から王立ディアーヌ学園、通称『学園』に通うことになったリリゼット。 加護細工の家系のドルバック伯爵家の娘として他家の令嬢達と交流開始するも世間知らずのリリゼットは令嬢との会話についていけない。 また姉と婚約者の破天荒な行動からリリゼットも同じなのかと学園の男子生徒が近寄ってくる。 長女気質のダンテス公爵家の長女リーゼはそんなリリゼットの危うさを危惧しており…。 リリゼットは楽しい学園生活を全うできるのか?!

冤罪で山に追放された令嬢ですが、逞しく生きてます

里見知美
ファンタジー
王太子に呪いをかけたと断罪され、神の山と恐れられるセントポリオンに追放された公爵令嬢エリザベス。その姿は老婆のように皺だらけで、魔女のように醜い顔をしているという。 だが実は、誰にも言えない理由があり…。 ※もともとなろう様でも投稿していた作品ですが、手を加えちょっと長めの話になりました。作者としては抑えた内容になってるつもりですが、流血ありなので、ちょっとエグいかも。恋愛かファンタジーか迷ったんですがひとまず、ファンタジーにしてあります。 全28話で完結。

処理中です...