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vs. 王族あんど……。

朝が来るぞ。

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侯爵サマ簀巻きの理由。

「……コーラルが心配。すっごく心配」
「そんな事言っても、わたし達では邪魔になるだけだよ」
「旦那様、旦那様は剣術も体術もサボってらしたではありませんか。本当に、足手まといにしかなりませんよ」
「………」
「でも、ぼくは父親だよ? ……やっぱりちょっとだけでも……」
「馬鹿な事を言わない! 大人しくしてなさい……って、部屋から出ようとするんじゃないよ! ダニエル、アレク、止めなさい!」
「はっ」
「了解しました」

………………。

で、とりあえず簀巻きにした、と。
身の程知らずって、迷惑だよね。

「……ってゆーか、水平線バカだったわこの侯爵サマ」
「あぁ、果てしないバカってヤツか? ……まぁ、仕事ってゆーか、侯爵としての義務はちゃんと果たしてるようだから、良いんじゃないか?」
「……なんだかものすごく申し訳ない気持ちになるのは何故でございましょう……。アテクシ、旦那様付きではございませんでしたのに」

半目になって侯爵をこき下ろす私を宥めるよーに口を開いたナガツキさん。
そして、グロリアが居たたまれない表情で言った。
ダニエルもまた、グロリアと似た表情で。
何か思うところでもあるのか侯爵家に関わる人々よ。

「……ま、それはそれとしておこうか」

セリス伯爵が、あっさりと話を変えた。
ちなみに、アレクは沈黙は金、とばかりに大人しく黙ってた。
お貴族サマのお付きとしては、正しい姿……なのか?
今イチよく分からん。



とりあえず。
無事? 事は済んだので、各自部屋に戻って休むコトに。
と言っても、夜明けまで間もないし。
せいぜい仮眠がいいトコかな。

………。

朝が来た。
ごはん、ごはん。

………。

お貴族サマ御用達だけあって、大変結構な朝ごはんでした。
さすが高級宿。

で。
食後にちょっと相談を。

本来ならば、あと2日ほどこの街でお休みするはずだったんだけどさ?

「ナガツキさんの手の者の人が言う通り、さっそく襲撃された事だしね。ちょっとスピード上げて行こーか」

ナガツキさんに言ってみた。
そしたら侯爵が。

「ぼく身体中痛いんだけど。3日どころか10日は休みたいんだけど。……あ、コーラルは、お父さんの事かわいそうだと思うよね? 看病してくれるよね?」
「その必要を感じない」

侯爵が、目を覚ましたままで寝言をほざくので、ざっくりと切って捨てた。








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