笑顔でナニ言ってんですか?

庭にハニワ

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vs. 王族あんど……。

暴言だぞー。

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お貴族サマ御用達の馬車の素晴らしさを語ってたら、ナガツキさんにたしなめられた。
ものすごーく生ぬるいカンジで。
ったくもー、この子はしょーがないね……って言外に言ってる表情付きで。

「いいかいコール? お貴族サマなんだよ? 騎士や兵士とは違う。庶民とも、当然オレ達冒険者とも違う。根本的に肉体労働なんかしないお貴族サマだ。……分かるだろ?」
「……あー」

なんか納得。

「そりゃそーか。貴族の偉いさん……上級貴族なんかは、次の世代の子供作ってナンボだもんね。一番大事なのは、自分の家を継がせる事だもんね。……種の保存に伴う行動っつか、行為くらいしか労働しないか」
「いや、そーゆー行為を労働と一緒にするのは……」
「あらご主人様? あながち間違った事ではございませんわよ? 特に貴族階級のご婦人方は、次代の子を産む……それ以外求められる事はございませんもの。家の後継ぎさえ産めば、何をしようが構わない。それが貴族階級のご婦人方だと言っても過言ではないでしょう」
「あー」
「……違うとは言えない、かな?」
「ねぇ君達? さっきからずっと言いたい放題言ってるけどさ。それってかなりの暴言だって分かってる? ……言ってる事は一理あるけど」

私とナガツキさん、グロリアの会話を聞いてたセリス伯爵が、えー……ってカンジで反論した。
が。
一理あるって認めてる時点で、反論とは認めない。

黒服2人組は無言だし、侯爵は未だぐったりしててこっちの話なんか聞いちゃいない。

一応護衛という名目で雇われてる連中──あんなヤツらを護衛とは認めない──は、元気に酒場に突入したっきりだ。

ホント、何しに来たのアイツら?

「……多分、夫人の手が回って、あのような連中ばかりになったのだと思われます……」
「セリス伯爵家の方には、カルギリア公爵家が手を回したかと……」

黒服2人が、苦い顔で言った。

………。

つーまーりー?

これ、完璧に襲撃するぞーって言ってるよーなモンじゃね?

えー、メンドくさい。



なーんて話をして、また移動開始。

サルファー王国に入ってとりあえず宿に入る。
当然のよーに、お貴族サマ御用達の高級宿だ。
が。
公爵家が動いてるんじゃ、ねぇ。

この先に、安全地帯は無いと見た。



予想通りっつーか、なんつーか。

その日の夜、早速襲撃ありました。
役立たずにも程がある護衛どもは、酒に溺れて昏睡状態。
うち2人ほど、2人で一つの部屋にこもって出てきやしない。

……カップル成立したよーだ。
めでたい、のか?






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