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vs. 王族あんど……。

地味にメンドい。

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オンタリオ皇国はサンタンジェロにある、冒険者組合サンタンジェロ支部から隣国のテクティア国との国境の街『クリアン』の冒険者支部へと転移。
そこから馬車移動で国境を越えてテクティア国に入国。
テクティア国側の国境の街『ユンドゥール』の冒険者支部へと向かい、今度はテクティア国とサルファー王国の国境の街へと……。

移動時間はかなり短縮されてるよ?
マトモに馬車移動だけで行くとしたら、めちゃくちゃ時間掛かってたハズの道程だ。

でも……メンドくさい。

地味~にまとわりついてくる欲や悪意を持ったヤカラ──お貴族サマに取り入ろうとするヤツとか、ナガツキさんやグロリアに目を付けて絡んでくるヤツ。
あんど、私をどーにかしようと狙ってくるヤツら。

この、最後の私目当てのヤツって、大半がどこぞの子飼いの──ナガツキさんの手の者みたいなヤツららしい。
って言ってもナガツキさんの手の者ほどコワくないんだけど。
なんつーか、練度が低い。
それに、グロリアが……。

「……アテクシも、こやつら同様のモノではございましたが。今となっては、あまりにも未熟。いっそ哀れに思いますわ。……この程度の技術しか持たないクセに、お嬢様をどうこうできるなどと……。無礼にも程がありましょう」

取っ捕まえて縛り上げた、どこぞの子飼いを前に嘆いている。

ちなみに。
この騒ぎの中、お貴族サマはちょっとした捕り物があった事には一切気付かずに──あ。
ダニエルとアレクの黒服組は、さすがに気付いてたかな。

でもお貴族サマの護衛のヤツら。
……本当に、居るだけの役立たずな。
そのくせメシは山盛り食うわ、酒を要求してくるわ、グロリアにちょっかい出そうとして手痛いしっぺ返し食らってるわ……。



どーせ役立たずだってんならさ?
ちょ~っと実験なんかしちゃってもいいかな?

テクティアの──ユンドゥールの冒険者支部で、ちょっと面白そーな薬剤仕入れてさ。
とある甲虫の甲殻なんだケドさ。
擂り潰して粉末状態にして使用すると幻覚剤になる……ってヤツ。
楽しそーだから、いろいろ試したい。
どのくらいの量でどのくらい効くのか、とか。
どの程度の幻覚に襲われるのか、とか。
あと、そこら辺っつーか、野生のモノと養殖されたモノ、それと迷宮産のモノとの違いも調べたい。
一応、組合支部での購入時にそれなりに説明は受けたけどさ。
なんだかんだ言って危険物だからしょうがない。  
でも、やっぱ実際に見てみたい。
こう、具体的な反応が見たい。

……お貴族サマ方には仕込まない方向なら、OK?

ナガツキさんに聞いてみた。
ナガツキさんは。

「人死にが出なきゃ、OK。なんか面白そうだし」

だってさ。

……やっぱアンタ、愉快犯の気、あるよね?

あんまし人の事は言えないケド。







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