笑顔でナニ言ってんですか?

庭にハニワ

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vs. 王族あんど……。

あれ?

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「具体的かつ詳細に、ねぇ……」

ナガツキさんは、曖昧な微笑みを浮かべたまんまでうそぶいた。

「別にオレ個人は、何もやっちゃいないが」

嘘をつけ。

その場に居た全員──ただし、グロリアを除く──が、一斉にナガツキさんにツッコんだ。
アホの子状態な侯爵すら、我に返ってツッコんだからな。
誰1人として、ナガツキさんの言い分を信じちゃいないよーだ。
だって『ご主人様』だし。
グロリア当人が、性格はもちろん性別まで変わっちまってるし。

「えー?」

ナガツキさんは、むしろ楽しそーに言った。

「いや、本当にオレは何もしちゃいない。ただ──」
「ただ?」

思いきり、ジト目でツッコむ組合長。
おやじ殿もまた、じとっとした目になって。

「……こいつにコール任せて大丈夫か?」

なんて呟いている。

それな。



「組合周辺をうろちょろしてた他国の羽虫を何とかするように、手の者に言っただけさ」

好きに遊んでいい、と言ったら有効活用出来そうだと報告されたから、了承しただけさ。

ナガツキさんは、そう言って微笑みを深くした。

だけって……。

だけ、じゃないだろうが!



「皆様……? アテクシごとき、些末な者の事など、どうぞ捨て置いて下さいな。それに、道ぱたで話すような内容ではありませんわよ?」

グロリアが、さらりと言った。

道ぱた……。
そーいやここ、組合前の一般道。
いわゆる一つの大通りってヤツだね。
そりゃ、道往く人々の見世物にもなるわ、うん。



上がってたボルテージが、一瞬でフラットになった。
でもさ。
ナガツキさんの手の者が、何をDo したら兄ちゃんがご婦人になるのか、は、解決してないからね?
なんならナガツキさんに手の者の1人──多分、何十人かのちょっとした集団だろう──を呼び出してもらった上で、尋問タイムを設けてもいい。

そう言ってみたところ。

「えー、面倒」

ナガツキさんには拒否られた。
そして。

「アテクシの事などよりも、もっと大切な事がございましょう? どうしても気になる、とおっしゃるのでしたら、旅の間の時間潰しにお話させていただきますわ。……どうしても、今聞かなければならない話ではございませんでしょう?」

グロリア当人に、やんわりと『今なんでこの場に集まったんだっけ?』と諭された。

正論……か?








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