笑顔でナニ言ってんですか？

vs. お貴族サマ。

銀狼の昔語り。４。か～ら～の。

前回は失礼しました～。

いやはや、炎天下、直射日光直撃の光合成状態って、ヤバい……。
水分補給はしてたけど、ミネラルが不足したんかね。
内に籠った体温がホントにヤバい。
延髄冷やして体温下げて、ナンとかなりましたよ。

皆さま、熱中症には注意しましょう。

……いや、マジで。


─────────────────


さて。

白師匠は、コールの内から不必要な因子、とやらを除去した上で、空いた隙間に魔力増強だの術式効果増大だの……。
をいっ！　ってツッコミ入れざるを得ないよーなシロモノを、コールの内の空いた隙間にぶっ込んだらしい。
ありがたく思うが良い、とかすっげードヤ顔で言ってたけど。
ありがた迷惑にも程があるって、こーゆーコトか……と、生ぬるい目になったのは言うまでもない。

10日前後かけて、娘を魔改造された親の身にもなれっての。
しかも、コール本人はまったく知らない内に、な。



おかげで？　
コールは、体内魔力量増大、術式威力増大、オマケに魔力コントロールもバッチリ、なんてどこからどう突っ込んだらいいのか分からんモノになってな。

やらかした白師匠にゃ、きっちりと責任取ってもらったぞ。
当然だろ。
半ば面白半分で、娘を魔改造されたんだからな。
いろいろ諸々指導してもらったコールは、白師匠と共にあっちこっちそっちの迷宮巡りなんかやらかして。
──まぁ、俺も同行したけど──冒険者の階級位もさくさく上がってな。
気付いたら、コールのヤツ、13で上級冒険者、なんてトンデモお子サマになったワケだ。

やっぱり黒白師匠どものせいだな。
コールがあんななのは。



サラッと銀狼ことコール……コーラルの義理の父親、シグルドが語ったトンでもない話に納得してたのは、カサンドラ城趾の迷宮核、カサンドラ姫だけだった。

「さすがは我が愛しき妹の写し身。尋常な身の上ではないのう……」

と、何故かご満悦だ。
ニコニコと、麗しき花のかんばせとやらがほころんでいらっさる。
……ご機嫌なのは、良いコトかな？



オンタリオ皇国側と冒険者組合員は。
こんな逸材、他国に渡してなるものか、と気合いが入り。

サルファー王国側としては。
ブランシェット家の血の因子──ひいては、『ブランシェットの瞳術』を行使する、或いは次代にその因子を引き継ぐ事が不可能になった事が信じられない。

「……嘘だ、信じないよ。信じるものか！」

と、声高に喚くブランシェット侯爵。
そんな侯爵を放置して、サルファー王国側のお偉いさんは、比較的冷静さを保っているように見えるセリス伯爵と話し合う。

貴族の階級と能力が比例するとは限らないってコトかな。