笑顔でナニ言ってんですか?

庭にハニワ

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vs. お貴族サマ。

2年だって。

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「……2年間、サルファー王国で過ごせって?」
「正確には、ブランシェット侯爵家かセリス伯爵家に入って、貴族様の行く学園で2年間学べ……ってさ」

うーわー。
ナニそのムチャ振り。
こちとら清々しいまでの一般庶民だぞ。
いきなり他国のお貴族サマの集団に放り込むとか、どっちにとっても不幸じゃないか。
放り込まれる私も。
いきなり庶民を放り込まれたお貴族サマ方も。



ちなみに。
ここは組合の説教部屋とゆーか。
反省部屋とゆーか。

手強なサイズの個室に、ナガツキさんと2人で移動した。
休憩も兼ねて……ってコトで、お茶セット持ち込みで。
茶菓子もあるよ。

組合の最小サイズの部屋は、以前領主の残念なおじょーさまと、おじょーさま以外は皆敵! な番犬──お付きのにーちゃんが詰めこまれたね。
今回私らが使ってるのは、サルファー王国はブラ何とか侯爵のお付きのダニエルが、もう1人の……何て言ったっけ、茶髪のヤツと2人で侯爵にパシらされて来た時。
一緒にやって来た、今はウチの組合員やってる元サルファー王国の冒険者どもを押し込めた部屋と同じサイズだ。

いや、さすがに受付のトコでヤジ馬ども=ヒマな振りした冒険者どもに、ウワサ話のネタを提供する気は無くてさ。
おにーさまとおねーさまが口々に。

「……コール、あなた移動しなさいな」
「ここは大丈夫だからな」
「後でサラッと教えてくれればいいからね」
「ナガツキさん、こいつのコト宜しくな」

そう言ってくれて、送り出された私。
せっかくの心使いだし。
ゴメンね、ありがとー……と頭を下げて、ナガツキさんと2人で移動したさ。

ヤジ馬どもは、残念そーだった。
ナニやらぶつぶつ言ってた。
……仕事しろよ。
いや、ホントに。



で。
実際のトコ、2年じゃないよね?

小部屋に移動して、ちょっと茶を飲んで一息ついて。
おもむろに話し出したナガツキさんに聞いた。

ナガツキさんは。
言うべき事は言ったぜ、と、口いっぱいに頬張った茶菓子──今回は、東輝蘭の緑茶に合わせた鯛焼き、それも中身がアンコのスタンダードなヤツ──を茶で流し込むと。
取り繕うように何度か咳払いをしてから、改めて話し始めた。

……今さら表面取り繕ってもねー。
ナガツキさんは食いしん坊って、み~んな知ってるからね?

なんとなく、生温かい目でナガツキさんを眺める私だ。












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