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vs. お貴族サマ。

おなかすいた……。

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にらみ合う……というよりも、見つめ合うおやじ殿とセリス伯爵。

ブラ何とか侯爵やお付きの2人、それに私や組合長、ナガツキさんの事は忘れてるのか。
じー……っと視線はおろか、身動きすらせずに固まったままだ。

……なぁ、お2人さんや。
もしもし?

「おやじ殿よ。おっさんとそんなに熱く見つめ合って楽しいん? そりゃまぁ、お貴族サマなだけあって見ごたえのある顔してらっさるけどさ?」

それに、セリス伯爵ってば。
どことなく、母の面影が……ないことも、ない、かな?

少なくとも鼻から口元、顎のラインは亡き母に似ている気がする。
母の兄ってのは、本当らしいな。



なんて事を考えながら、おやじ殿を見ると。
おやじ殿は。

「コールよぉ……」

ものすごい仏頂面で、セリス伯爵から目を離して私の方に向き直り。

「っ! あ痛っ!」

ゲンコツ一つ、もらってしまったよ。

お貴族サマって、親子間での物理的交流はしないモンかね?
セリス伯爵、目をむいてるわ。
お付き2人はさりげなく目をそらしてる。
ブラ何とか侯爵は。

「ウチの子にナニをしてるの!」

1人憤っているが、その場に居た全員が華麗にスルーした。
お付きの2人ですらも。



全員に全力スルーされたブラ何とか侯爵はそのまま放置して。
おやじ殿が、そう言えば……ってカンジで言った。

「……お前と伯爵サマ、耳の形がそっくりだな。腐っても親戚って事か」

いや、腐ったら意味ないじゃん。

って、そーじゃなくて。

そんなに似てるかな?
私とセリス伯爵の耳の形。

おやじ殿を見ると、うんうん、と頷いていて。
組合長とナガツキさんも。

「確かに似てる……ね。うん」
「……じゃ、な」

おやじ殿に同意する。

セリス伯爵は、なんとなく嬉しそーで。
ブラ何とか侯爵は、ムっとしてるのを隠そうともしない。
そして、お付き2人は微笑ましいモノでも見る目で。

「……そうか。似てる所があるのか……」

と、静かに浮かれるセリス伯爵を見守っていた。
いいのか、それで?



あ。
私とセリス伯爵との類次点探してる場合じゃないわ。

セリス伯爵、おやじ殿の質問に答えてないよね?

それに、何よりも。

いいかげん、おなか減った~。

お貴族サマの話、どんだけ時間食ったと思うのさ。
同じコトを何度も何度も……。
茶と茶菓子だけじゃ、もうゴマかせないぞ、このハラヘリ具合。

ごはん、プリーズ。







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