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vs. お貴族サマ。

これは良いモノ。

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さて。
しょーもないコトは置いといて。

組合長に、カサンドラ姫からのお返事を渡さなければ……と、魔法収納袋に手を突っ込んだトコロで。

「おお、そう言えば。銀狼、コール。2人にちと話があってな?」

と、組合長に連行されて、やってきました組合長の執務室。
何でか、ナガツキさんも一緒だ。

──そこら辺、追及しちゃいけないコトなんだろーか……。

なんとなくモヤっとしたモノを抱えたまま組合長からのお話を──って、その前に。
渡すべきモノは、ちゃんと渡さなきゃね。
後々、何らかの責任問題になったりしたらイヤだし。



で。
改めて。
組合長に、カサンドラ姫からのお返事を渡したところ。
なんのためらいもなく、その場で即行読み始めた組合長。
軽~くしかめっ面で、黙々と読んでオラレル。

何気無く、私ら放置だな。
………。
……ちょっと手持ちぶたさん……じゃ、なかった手持ち無沙汰になっていた私とおやじ殿。
ナガツキさんが、ほれ、と茶を入れてくれた。

なんだろう……この勝手知ったる人の家、じゃなくて組合長の部屋だけど。
ちょ~っと自由気ままが過ぎるんじゃないの? ナガツキさん?

おやじ殿はのんきに。

「お? これ、東輝蘭のかなり良い茶葉じゃないか?」

と、喜んでさっさと飲んでるし。

……え?
良い茶葉って……お高い茶葉ってコト?
飲まなきゃ損……ってヤツ?

わーい、いただきま~す♪



ちょっとこれ白湯じゃね? ってくらい薄い、色がついてるか不安になるよーな色味の。
でもすっごい香り高いそのお茶は、手のひらにすっぽりと収まるよーな、丸っこい茶碗に七分目ほど注がれていて。

あ~……良い香り……。

と、香りだけでまったりするよーな……。
熱過ぎず、温過ぎず、適度な温度で入れられていて。

「……うっま! ナニこれうまっ!」

なんつーの?
砂糖とか入ってるワケじゃないのに、甘い。
すっごく口当たりの良い、飲みやすいお茶だった。
これ、本当に砂糖の甘みじゃないよな?
余計な、後付けの甘みじゃなくて、後味スッキリ爽やかな。
思わずほっこりするよーな……。

「いやー。これで、もうちょっと強く色が出るんなら、目の玉が飛び出るほどの値段になるんだけどさ。この通り、美味しく飲もうとすると、どうしても薄い色になるからな。そんなにお高いモノでもないんだぞ。あっちじゃ商人クラスが客に振る舞う程度のモンだし」

………。

せっかくまったりほっこりしてるのを、ナガツキさんが邪魔をする。
商人が客用に使ってるってコトは、一般庶民にとってはちょっとお高い茶葉ってコトじゃないか。
絶対普段ガブガブ飲むよーなシロモノじゃない。

「……やっぱ良い茶葉じゃねーか」

おやじ殿、そんなコトを言いながら飲み干して、さりげなくおかわりを要求。
あ、ズルい。
私にももう一杯……。







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