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vs. お貴族サマ。

次の日。

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さて。

いつものよーに、おやじ殿と仲良く組合にお仕事~……って行ったらば。

「あ、コールに銀狼さん。組合長がお呼びよ。早く行った方がいいわよ?」

即行で、組合長からのお呼び出しがかかった。

……いや、私、今日受付業務なんだけど?

まぁ、おやじ殿は今のところ何の依頼も受けてないからいいとして。
私、普通にお仕事……。

と、ちょっと途方にくれていたらば。

「いいから、早く行きなさいな、コール」
「そうだよ。君の抜けた穴くらい、僕らに埋められないはずがないだろ?」

おねーさまとおにーさまが、2人そろって早く行け、と……。
あげく。

「「ねぇ?」」

と、本日の受付業務担当の職員達に声を掛け。

「おー、大丈夫だぞー」
「早く行っといで、コールちゃん」
「おばちゃんがアンタの分まで、ちゃ~んと仕事しとくからね~」
「おう、兄ちゃんに任せとけや」
「……アンタ、兄ちゃんってガラじゃないでしょーが」

と、わいわいと……。

要約すると。

『ここはオレら(アタシら)に任せて、早く行け』

……とな。

なんだろう。
この、私らに協力する気マンマンな職員の皆さまの様は……。
いや、ありがたいんだけど。
それ以外無いんだけど。



軽く眩暈を起こした私だったが、おやじ殿に。

「みんな、ああ言ってくれてるんだ。行くぞ」

そう言われて、背中を押されて。

「……すみません。よろしくお願いします」

頭を深々と下げて、おやじ殿と2人、組合長の元へと向かった。



組合長の部屋には。
当然の如く組合長と、あとナガツキさんが待っていた。

そして始まる、お貴族サマの傾向とその対策。
もしもの時──他国の貴族がウチの国内で好き放題にやらかそーとした場合の対策、についての話し合い。

……ぶっちゃけ、オトナの話し合いだ。

なんかいろいろと話してるけど、正直なトコ今イチよく分からん。
とにかく、私の思うとおりにしていいよ……って方向に決定してるらしい。

私の思うとおりに、ねぇ……?

まぁ、決まってるよね?

「今のまんまがいい。一般庶民で、毎日ちゃんと働いて。たまに冒険者の仕事やったり迷宮探索に出たりして。美味しくごはんが食べられる程度の収入を得て、おやじ殿にごはんを作る。……地味だとしても、そんな暮らしがいい」

冗談抜きで、今更お貴族サマの暮らしとか……無理ムリ無理。

姫──迷宮カサンドラ城趾の迷宮核、カサンドラ姫の“お戯れ”にお付き合いする機会が多々あったじゃないか。
姫は元王族ってヤツだから、また微妙に違うんだろーけど。
普通に立って歩くだけでもいろんな決まり事があるんだよ?
お茶でも飲んで、寛ぎなさいって言われてもさ。
そのお茶を飲むってだけの事にも、作法がどうとか……。

面倒以外のナニモノでもないわ。








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