笑顔でナニ言ってんですか?

庭にハニワ

文字の大きさ
上 下
41 / 381
vs. 使いっぱ。

つい、うっかり。

しおりを挟む
東輝蘭出身の冒険者の1人、ナガツキさんは。
サンタンジェロの海岸付近にわいて出た、四ツ俣カガチをバッサリ殺って。
昇格するからって皇都キカの冒険者組合に呼び出されてたんだっけ?

単なるカガチ──人1人丸呑みにする大きさの大蛇が一匹湧いた? んじゃ、まぁ自分だけでもいいかな?──と、軽い気持ちで海岸部に行ったところ。
現場に居たのは、頭が4つある四ツ俣カガチだったってゆー……。

それが判明した時点で、一旦戻ってくりゃあいいモノを。
本来なら、カガチ退治って1人でやるモンじゃないし。
四ツ俣カガチとか、少なくとも5人以上で討伐……ってハズなのにね?
面倒だから殺ってしまえって、殺っちゃったモンだから、昇級する羽目になったんだよね。
ヘンなところで微妙に生真面目な人だから、仕方ないね。

おやじ殿は、そのあたり上手いコトのらりくらりと逃げまくって、いまだに上級に居るのにね。
……理由が、昇級するといろんなシガラミが面倒ってゆー……。
まぁ実際、指名依頼を受けたくないって理由は分かる。
けど、さ?
ワガママっつーか、お子サマっつーか……。

ちなみに。
四ツ俣カガチは、最終的に首が九つある九ノ俣(クノマタ)の大カガチに……。
……。
なったら、大変だな。
ちょっとした山が一つ、うぞー……って動きながら、九つある首でもって目についた人やら動物やらパクパクと……。
中には、樹木バリバリ食うとか岩石鉱石ガリガリいくとかって、特殊個体も居るらしい。
……組合長の岩切りって、小山サイズの大カガチぶった切ったからついた二つ名なんじゃ?



そんな、あんまし現状とは関係ないコトを考えつつ。
とにかくお仕事……と、組合長に、おにーさまからのメモ書きを渡す。
と、組合長は。

「おやまぁ……。ナガツキの話してた連中が、今、受付のところに来てるのぅ」

ウチの庭に、近所の猫がこっちの想定以上に集まってきて、猫だまり作っちゃって困ったわ~……って顔で、軽くため息をついた。
緊張感のカケラもない。
いーんだろーか。

私は、階下の招かれざる客について、ちょっと……かなり気になったけど。
それと同時にヒシヒシと厄介事の予感がした。
早退しちゃおーかな? などとタクラみつつ組合長の元を辞去し──「コール」損ねた。
くそ。



「下に──受付んトコに居るのは、茶色の髪の、パっと見軽薄そうなクセに妙にエラそうなおっさん従僕と、金髪の、シブいおっさん執事の2人組だろう?」

ナガツキさんが、ちょっとメンドくさそーに言った。

え、知り合い?
つか、あの茶髪、執事じゃなくて、従僕?
……何がどう違うのやら。
お貴族サマの関係者は、区別つかないね。
私にとっては、どーでもいい知識だからかな?

「……下でおにーさま……リカルドさんが、手のひらの上に乗せてコロコロ転がしてますね」

そりゃもう、コロコロと。







しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

城で侍女をしているマリアンネと申します。お給金の良いお仕事ありませんか?

甘寧
ファンタジー
「武闘家貴族」「脳筋貴族」と呼ばれていた元子爵令嬢のマリアンネ。 友人に騙され多額の借金を作った脳筋父のせいで、屋敷、領土を差し押さえられ事実上の没落となり、その借金を返済する為、城で侍女の仕事をしつつ得意な武力を活かし副業で「便利屋」を掛け持ちしながら借金返済の為、奮闘する毎日。 マリアンネに執着するオネエ王子やマリアンネを取り巻く人達と様々な試練を越えていく。借金返済の為に…… そんなある日、便利屋の上司ゴリさんからの指令で幽霊屋敷を調査する事になり…… 武闘家令嬢と呼ばれいたマリアンネの、借金返済までを綴った物語

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

魅了が解けた貴男から私へ

砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。 彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。 そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。 しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。 男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。 元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。 しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。 三話完結です。

あなたがそう望んだから

まる
ファンタジー
「ちょっとアンタ!アンタよ!!アデライス・オールテア!」 思わず不快さに顔が歪みそうになり、慌てて扇で顔を隠す。 確か彼女は…最近編入してきたという男爵家の庶子の娘だったかしら。 喚き散らす娘が望んだのでその通りにしてあげましたわ。 ○○○○○○○○○○ 誤字脱字ご容赦下さい。もし電波な転生者に貴族の令嬢が絡まれたら。攻略対象と思われてる男性もガッチリ貴族思考だったらと考えて書いてみました。ゆっくりペースになりそうですがよろしければ是非。 閲覧、しおり、お気に入りの登録ありがとうございました(*´ω`*) 何となくねっとりじわじわな感じになっていたらいいのにと思ったのですがどうなんでしょうね?

[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?

シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。 クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。 貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ? 魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。 ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。 私の生活を邪魔をするなら潰すわよ? 1月5日 誤字脱字修正 54話 ★━戦闘シーンや猟奇的発言あり 流血シーンあり。 魔法・魔物あり。 ざぁま薄め。 恋愛要素あり。

巻き込まれ召喚・途中下車~幼女神の加護でチート?

サクラ近衛将監
ファンタジー
商社勤務の社会人一年生リューマが、偶然、勇者候補のヤンキーな連中の近くに居たことから、一緒に巻き込まれて異世界へ強制的に召喚された。万が一そのまま召喚されれば勇者候補ではないために何の力も与えられず悲惨な結末を迎える恐れが多分にあったのだが、その召喚に気づいた被召喚側世界(地球)の神様と召喚側世界(異世界)の神様である幼女神のお陰で助けられて、一旦狭間の世界に留め置かれ、改めて幼女神の加護等を貰ってから、異世界ではあるものの召喚場所とは異なる場所に無事に転移を果たすことができた。リューマは、幼女神の加護と付与された能力のおかげでチートな成長が促され、紆余曲折はありながらも異世界生活を満喫するために生きて行くことになる。 *この作品は「カクヨム」様にも投稿しています。 **週1(土曜日午後9時)の投稿を予定しています。**

私のお父様とパパ様

ファンタジー
非常に過保護で愛情深い二人の父親から愛される娘メアリー。 婚約者の皇太子と毎月あるお茶会で顔を合わせるも、彼の隣には幼馴染の女性がいて。 大好きなお父様とパパ様がいれば、皇太子との婚約は白紙になっても何も問題はない。 ※箱入り娘な主人公と娘溺愛過保護な父親コンビのとある日のお話。 追記(2021/10/7) お茶会の後を追加します。 更に追記(2022/3/9) 連載として再開します。

異世界リナトリオン〜平凡な田舎娘だと思った私、実は転生者でした?!〜

青山喜太
ファンタジー
ある日、母が死んだ 孤独に暮らす少女、エイダは今日も1人分の食器を片付ける、1人で食べる朝食も慣れたものだ。 そしてそれは母が死んでからいつもと変わらない日常だった、ドアがノックされるその時までは。 これは1人の少女が世界を巻き込む巨大な秘密に立ち向かうお話。 小説家になろう様からの転載です!

処理中です...