笑顔でナニ言ってんですか?

庭にハニワ

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vs. 使いっぱ。

あらやだ。

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私の目から見て、この、人の歩く前に立ちふさがってジャマしてるおっさんは、元騎士か兵士かどこぞの私兵か……。
ある程度、正しい訓練を受けた事のある人っポい。
微妙にやさぐれた感が漂っているのは、目指した目標寸前で、挫折でもした?
そして、グレた?
……まぁ、個人の事情はどーでもいいか。



とりあえず、さ。
通してくれないかな?

なんとなくにらみ合う形になってる、おやじ殿とおっさん。
同年代っポいけど、片や冒険者。
片やお貴族サマの使用人。
どっちがどう……ってコトはないけどさ。
何なんだろーね、この状況……。

よし。

「おやじ殿、おやじ殿」
「……あ?」

にらみ合ってても、反応はしてくれるおやじ殿。
目線はおっさんに固定されたままだけど。
おっさんも、おやじ殿をじとっと睨んだままだけど。

「なんか見知らぬおっさんと熱く熱く見つめ合って、どーした? 恋にでも落ちたか?」
「……コール! ナニ言い出してんだお前! ……誰だウチの娘にロクでもないコト吹き込みやがったのは!?」

おやじ殿の心の底からの叫び。
すいっと視線を反らしたのは、事務方の姐さん達だ。
あと、おっさんにガン付けしてる組合員の中の、少数の女性達。
あんど、極少数の野郎ども。
組合員達はめっちゃ良い笑顔で、こぶしを握って親指立ててこっちに突きだしてる。
知らないぞ? あとでどんな目に合っても。

にらみ合ってたおっさんを、そのままそこに放置して。
おやじ殿は私の方に向き直って──。

「いだだだだだ」
「お前はホントにナニを言い出して──」

おやじ殿は、私の額のあたりをわしづかみにして、力任せにギリギリと……。
痛い、痛いってば。
ゴメンて。



組合内の空気が、一気にヌルくなった。

放り出されて戸惑うおっさんを放置したままで、おやじ殿は。

「お前、ちょっと話し合おうか」

と、私を連れて組合から撤収。
黒いお仕着せのおっさんは、華麗に放置されたままだった。
……私らが楽しくわいわいやってるのを、ぽか~んとしたままで何の反応もしなかったおっさんが悪い。
なかなかのマヌケ顔だったね。

何か用があったんなら、さっさと話せば良かったモノを。
まぁ、私らに用事があったとは限らないからね。
別にいいかな? どーでも、さ。

明日には、あの道を思いっ切りふさいでいるジャマな馬車がなくなってればいいな~。
組合の前にたむろしてる連中も、あの意味不明な黒いお仕着せのおっさんも。
もう会わない事を祈ろう。
なーむー……。







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