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vs. 過去の女。
こちらとしては。
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対御器被りの話で、なんとなくあの女冒険者についての話は有耶無耶になり──かけた、のだが。
虫繋がりで思い出したのか。
おやじ殿が、以前から言ってた事をあらためて、はっきりキッパリ宣言した。
「次にあの女が湧いたら、その場でとっ捕まえて両手両足の骨、叩き折って。身動き出来なくした上で、誰も騙せないように舌を根元から切り落として、バルボアナ火山地帯のニェスの蟲沼に叩き込んでやる」
おやじ殿は、本気だ。
良く見ると、微妙に瞳孔が開いている。
……怖っ。
そんなおやじ殿に、何も言えない組合員達。
さざ波のように、静かに引いている。
そんな状況の中、私は。
……なぁ、おやじ殿?
「骨折させるのは、あえての関節部位、だよね?」
いい笑顔で言ってみた。
「当然」
おやじ殿も、いい笑顔で答えた。
親子で、にっこり……と笑い合っていると。
「……うわ……」
何故だろう。
それを見ていた組合員達が、ドン引いたまんま戻って来ない。
組合長は、微笑ましいモノを見るかのように、私ら親子を見ているのに、な?
組合員達が、ザワメく。
「バルボアナ火山地帯って……アレだよなぁ? ここから山2つ越えた先、馬車で60日くらいの」
そうそう。
隣国のラヴェルダ王国との境界線みたいなカンジになってる火山地帯で。
ここのおかげでラヴェルダ王国は、オンタリオ皇国に戦争を吹っ掛ける事が無かった……と、ゆー。
いや、好戦的なヤカラが挑戦した事はあったようだけど。
なんかいろいろと、面倒だわ大変だわ金が掛かるわ元が取れそーに無いわ……。
割に合わない、だからヤメた──だ、そーだよ。
国の方針が、そんなお手軽でいいんだろーかね?
まぁ別にいーけどさ。
他国の過去の思惑なんか。
庶民的には、普通に日常生活が送れるなら別に。
……え、ひどい?
じゃ、言い方を変えようか。
15のコムスメにナニ期待してんの。
ボクお子様だから良く分かんない(笑)……ってヤツだね。
私が余計なコトを考えてる間に、組合員達は微妙な顔でさわさわしてる。
「ニェスの蟲沼って……あの?」
「……高温高熱に負けない、どころか過酷な環境に順応しちゃった、様々な形態の蟲が──」
「ありゃもう蟲じゃねぇよ。なんか得体のしれないウゴメクモノだよ」
──まぁ、そんなモンが窪地に溜まって底無し沼みたくなって、うごうごうぞうぞ……。
うっかり落ちたら無事じゃいられない。
それどころか、さっさと引き上げてもらわないと、もれなく骨だけになるね。
そりゃもう確実に。
「ま、ある意味蟲を使った呪術の塊みたいな所だね」
付近に瘴気がみなぎってて、火山地帯で頑張って生きてる野生動物はおろか、魔物すら近寄らない。天空魚も……おじーちゃんも露骨に避けて通るくらいヤヴァい所だ。
「……あれ、ガキを黙らせる為のおとぎ話じゃねぇのかよ」
「ンなトコに放り込むとか、ある意味処刑じゃね」
「そこまでやるの……?」
「つーか、さ」
さわさわしてる冒険者達の中で、不意に1人の中堅冒険者が言った。
「……そんな話をにっこり笑顔で語り合う、あの親子の方がおれは怖いんだが」
「……ああ、同じ顔して笑ってたな」
「……こっわ……」
失敬な。
虫繋がりで思い出したのか。
おやじ殿が、以前から言ってた事をあらためて、はっきりキッパリ宣言した。
「次にあの女が湧いたら、その場でとっ捕まえて両手両足の骨、叩き折って。身動き出来なくした上で、誰も騙せないように舌を根元から切り落として、バルボアナ火山地帯のニェスの蟲沼に叩き込んでやる」
おやじ殿は、本気だ。
良く見ると、微妙に瞳孔が開いている。
……怖っ。
そんなおやじ殿に、何も言えない組合員達。
さざ波のように、静かに引いている。
そんな状況の中、私は。
……なぁ、おやじ殿?
「骨折させるのは、あえての関節部位、だよね?」
いい笑顔で言ってみた。
「当然」
おやじ殿も、いい笑顔で答えた。
親子で、にっこり……と笑い合っていると。
「……うわ……」
何故だろう。
それを見ていた組合員達が、ドン引いたまんま戻って来ない。
組合長は、微笑ましいモノを見るかのように、私ら親子を見ているのに、な?
組合員達が、ザワメく。
「バルボアナ火山地帯って……アレだよなぁ? ここから山2つ越えた先、馬車で60日くらいの」
そうそう。
隣国のラヴェルダ王国との境界線みたいなカンジになってる火山地帯で。
ここのおかげでラヴェルダ王国は、オンタリオ皇国に戦争を吹っ掛ける事が無かった……と、ゆー。
いや、好戦的なヤカラが挑戦した事はあったようだけど。
なんかいろいろと、面倒だわ大変だわ金が掛かるわ元が取れそーに無いわ……。
割に合わない、だからヤメた──だ、そーだよ。
国の方針が、そんなお手軽でいいんだろーかね?
まぁ別にいーけどさ。
他国の過去の思惑なんか。
庶民的には、普通に日常生活が送れるなら別に。
……え、ひどい?
じゃ、言い方を変えようか。
15のコムスメにナニ期待してんの。
ボクお子様だから良く分かんない(笑)……ってヤツだね。
私が余計なコトを考えてる間に、組合員達は微妙な顔でさわさわしてる。
「ニェスの蟲沼って……あの?」
「……高温高熱に負けない、どころか過酷な環境に順応しちゃった、様々な形態の蟲が──」
「ありゃもう蟲じゃねぇよ。なんか得体のしれないウゴメクモノだよ」
──まぁ、そんなモンが窪地に溜まって底無し沼みたくなって、うごうごうぞうぞ……。
うっかり落ちたら無事じゃいられない。
それどころか、さっさと引き上げてもらわないと、もれなく骨だけになるね。
そりゃもう確実に。
「ま、ある意味蟲を使った呪術の塊みたいな所だね」
付近に瘴気がみなぎってて、火山地帯で頑張って生きてる野生動物はおろか、魔物すら近寄らない。天空魚も……おじーちゃんも露骨に避けて通るくらいヤヴァい所だ。
「……あれ、ガキを黙らせる為のおとぎ話じゃねぇのかよ」
「ンなトコに放り込むとか、ある意味処刑じゃね」
「そこまでやるの……?」
「つーか、さ」
さわさわしてる冒険者達の中で、不意に1人の中堅冒険者が言った。
「……そんな話をにっこり笑顔で語り合う、あの親子の方がおれは怖いんだが」
「……ああ、同じ顔して笑ってたな」
「……こっわ……」
失敬な。
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