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vs. おじょーサマ。
執事的な人は。
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とりあえず。
やらかした人達のお迎えだね?
おじょーさまとにーさんが連れてこられる前に、奥に引っ込んでおこうかな、私。
かかわり合いになりたくないし。
また絡まれるとか、ゴメンだし。
おじょーさまが来る前にやろうとしていた事を……って。
組合長に書類提出しようとしてたのに、ここに居るね、組合長。
……う~ん。
これは、組合長の机の上に置いておくって方向でいいかな?
とにかく書類を手に、奥に引っ込もうとした私に。
「あなた。そこのお嬢さん」
ちょっと遅かったか。
ため息一つ。
うんざりした顔を隠しもせずに、声を掛けてきた執事的な人を見やる。
……うん。
シュっとしたカンジの、オジ様ってヤツかな。
ロマンスグレーの片眼鏡──モノクルを左目にピシッと執事服を着こなした、人によっては目の保養ですありがとうございますってカンジの人だ。
上から下まで観察する目で見ていたら。
そんな風に一般庶民から値踏みするような目を向けられるとは思ってなかったのだろう。
執事的な人は、一瞬怯んだ。
が。
すぐに立ち直り。
「この度は、お嬢様が大変ご迷惑をおかけしまして……」
深々と頭を下げる、執事的な人。
いつの間に引っ張ってきたのか、執事的な人の背後におじょーさまとにーさんがふてくされて、あるいは納得してないって顔で、そっぽ向いて立っている。
うん、これは……。
「やらかした当人がまったくこれっぽっちも悪いコトしたなんて思ってないのに、何もしてない執事的な人が、上っ面だけ謝罪するフリしてもさ。意味無いんじゃないの?」
ざっくりと、切り捨ててやった。
……まあ、ね?
お貴族サマなんて、上っ面取り繕って生きてる、見栄っ張りな人種だけどね。
てゆーか。
お貴族サマの総数的に、マトモな人が7割。
後は微妙、でしょ?
私には、関係ない話だけどね。
おじょーさまとにーさんが、まだなんかぐだぐだ言おうとしたのを、執事的な人が止めた。
おっさんが預けられてた武器その他を受け取り、自分の頭をガシガシ掻いて。
「お前はちょっとシゴくか……」
と、にーさんを連行──本当に、にーさんの首根っこをわし、とひっ掴んで引きずっていった。
1人退場~。
おじょーさまは、執事的な人に。
「お嬢様……何故、このような事を……?」
沈痛な面持ちで問いただされて。
おじょーさまは、軽く唇を噛みしめて。
……こっち見んな。
私の方をじっと見て、おじょーさまは言いきった。
「……わたくしは……ただその子をわたくしのモノにしたかっただけなのよ!」
「あ、私、女色の気は無いので。お断りします」
「なっ……!」
おじょーさまは、絶句した。
断られるとは思ってもみなかったらしい。
いや、普通断るでしょ。
おじょーさまが固まってるスキに、やらかした事を全部執事的な人に語って聞かせてみた。
しばらく前からつきまとってくる妙なヤカラがいた事。
どこにでもどこまでもついて来ようとする割りに、爪が甘くて中途半端だった事。
今日、組合に乗り込んできて騒ぎを起こしたクセに、自分の行動は正しいコトだと思い込んでいる事。
「だいたいさ。見ず知らずの名前も知らない、得体の知れないヤツに、頭の中身を疑いたくなるよーなコトを、さも当然のよーに語られてもね? それに、組合の建物の中で魅了とか隷属とかの精神魔法やらその魔道具とか使ったり。……基本的に、敵対してるワケじゃない相手に武器を向けるとか、御法度だって常識だと思ってたんだけど? 一般庶民の5才の子供でも知ってるコトなのに、そろそろ学院に行きますよーって年齢の貴族のおじょーさまが、そんなコトも知らないって……。親の教育を疑うよね」
思いの丈を、とうとうと語ってみた。
やらかした人達のお迎えだね?
おじょーさまとにーさんが連れてこられる前に、奥に引っ込んでおこうかな、私。
かかわり合いになりたくないし。
また絡まれるとか、ゴメンだし。
おじょーさまが来る前にやろうとしていた事を……って。
組合長に書類提出しようとしてたのに、ここに居るね、組合長。
……う~ん。
これは、組合長の机の上に置いておくって方向でいいかな?
とにかく書類を手に、奥に引っ込もうとした私に。
「あなた。そこのお嬢さん」
ちょっと遅かったか。
ため息一つ。
うんざりした顔を隠しもせずに、声を掛けてきた執事的な人を見やる。
……うん。
シュっとしたカンジの、オジ様ってヤツかな。
ロマンスグレーの片眼鏡──モノクルを左目にピシッと執事服を着こなした、人によっては目の保養ですありがとうございますってカンジの人だ。
上から下まで観察する目で見ていたら。
そんな風に一般庶民から値踏みするような目を向けられるとは思ってなかったのだろう。
執事的な人は、一瞬怯んだ。
が。
すぐに立ち直り。
「この度は、お嬢様が大変ご迷惑をおかけしまして……」
深々と頭を下げる、執事的な人。
いつの間に引っ張ってきたのか、執事的な人の背後におじょーさまとにーさんがふてくされて、あるいは納得してないって顔で、そっぽ向いて立っている。
うん、これは……。
「やらかした当人がまったくこれっぽっちも悪いコトしたなんて思ってないのに、何もしてない執事的な人が、上っ面だけ謝罪するフリしてもさ。意味無いんじゃないの?」
ざっくりと、切り捨ててやった。
……まあ、ね?
お貴族サマなんて、上っ面取り繕って生きてる、見栄っ張りな人種だけどね。
てゆーか。
お貴族サマの総数的に、マトモな人が7割。
後は微妙、でしょ?
私には、関係ない話だけどね。
おじょーさまとにーさんが、まだなんかぐだぐだ言おうとしたのを、執事的な人が止めた。
おっさんが預けられてた武器その他を受け取り、自分の頭をガシガシ掻いて。
「お前はちょっとシゴくか……」
と、にーさんを連行──本当に、にーさんの首根っこをわし、とひっ掴んで引きずっていった。
1人退場~。
おじょーさまは、執事的な人に。
「お嬢様……何故、このような事を……?」
沈痛な面持ちで問いただされて。
おじょーさまは、軽く唇を噛みしめて。
……こっち見んな。
私の方をじっと見て、おじょーさまは言いきった。
「……わたくしは……ただその子をわたくしのモノにしたかっただけなのよ!」
「あ、私、女色の気は無いので。お断りします」
「なっ……!」
おじょーさまは、絶句した。
断られるとは思ってもみなかったらしい。
いや、普通断るでしょ。
おじょーさまが固まってるスキに、やらかした事を全部執事的な人に語って聞かせてみた。
しばらく前からつきまとってくる妙なヤカラがいた事。
どこにでもどこまでもついて来ようとする割りに、爪が甘くて中途半端だった事。
今日、組合に乗り込んできて騒ぎを起こしたクセに、自分の行動は正しいコトだと思い込んでいる事。
「だいたいさ。見ず知らずの名前も知らない、得体の知れないヤツに、頭の中身を疑いたくなるよーなコトを、さも当然のよーに語られてもね? それに、組合の建物の中で魅了とか隷属とかの精神魔法やらその魔道具とか使ったり。……基本的に、敵対してるワケじゃない相手に武器を向けるとか、御法度だって常識だと思ってたんだけど? 一般庶民の5才の子供でも知ってるコトなのに、そろそろ学院に行きますよーって年齢の貴族のおじょーさまが、そんなコトも知らないって……。親の教育を疑うよね」
思いの丈を、とうとうと語ってみた。
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