私ですか?

庭にハニワ

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どーしようか?

じゃ、生きますか。

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私に同行するのは、兄月様だそーな。
え、兄君様から離れていいの?

……ああ、いいんだ。
兄君様と侯爵閣下がそう決めたんなら、それで構いませんとも。

わ~い、朧月二人しての逃避行だぁ。
そりゃ他の人間いらないね。
ついでに、確実に逃げおおせるね。

「もし万が一、サイモン殿下が何か仕掛けてくるとしても、君ら二人なら大丈夫。何とかなる……と、いうか」

兄月様、自分の朧月を思い返して半笑いになった。

「何とかするでしょ、君らなら」

ご信頼いただきまして、ありがとうゴザイマス?

兄君様、小声でぶつぶつと……。

「……貴族の子としてじゃなく、庶民の兄妹二人旅とかにすれば、まぁ……多分、何とか?」

呟きながら、小首を傾げる兄君様。



そーだね。
多分何とかなる……よね?

多分、おそらく、きっと(願望)。



侯爵家に到着。

そんな気がしてた、と、執事長と侍女長が、完璧な旅の支度(庶民バージョン)を準備してらした。

何でも?
最近襲撃してくる連中の中に、帝国出身の影働き、なんてヤバい連中が混じり初めて?

……本体様と私こと、朧月の関係を探り出そうとしてる?


どーやら、奇行子がヒマ潰しを始めたらしい。
私、そのお相手にロックオンされた?


うん。
迷惑。
それ以外のナニモノでもない。

まぁ、今は元近衛の侯爵家の分家の一つに嫁いだ形になってる本体様、それなり以上に幸せそうだって報告入っているし。



「暇潰しに出来るほど、我らは容易くないぞ?」
「……それなり以上に苦労させてあげましょう」

侯爵閣下と夫人がやる気だ!

いや、反応見せると悦ぶタイプだろう? あの奇行子。
華麗にスルーするのが、一番じゃないか?

……と、思うけど。
私と兄月様──これからは、普通に兄と呼ぶか──は、とっとと領地へと向かう。

さくさく行くか、まったり行くかは状況次第で。

瞳と髪色は、変えた。
手も、薬品で焼いてガサガサの平民のモノにした。
当然、兄も同様の処置を済ませた。

さて、と。

じゃあ、兄よ。

生きますか。






終わり。

本体様『……結果的に幸せになったから、まぁ……いいかな?』

奇行子『……逃がさないぞ。朧月……』






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