私ですか?

庭にハニワ

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ナニゆえに。

なにか?

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壁の花やってるところに、歯の浮きそうなセリフを宣いながら、するっと距離を詰めて来た男が一人。
この場合、空気の読めない異分子と言ってもいいかな?

あからさまに全力で遠巻きにされて、ひそひそクスクスされてる『壁の花』にわざわざ寄ってきた。
そんな時点で、こいつは異分子じゃなくて、奇行子決定じゃね?

扇……じゃなくて、鉄扇で顔を隠しつつ、ちらりと視線を向けた。

……うん。

一般的には、なかなかの優良物件っポい。
白に近いんじゃ? と言いたくなるくらいのプラチナブロンドを短めに整えた、美貌と言ってもいい青年。
薄い笑みを浮かべ、貴族様とは思えないたくましい──でもどう見ても、騎士のモノとは言えない体つき。
上質な衣装に身を包んだ……。

目立つな。

見覚えのない青年に、視線が集中してるじゃないか。
この奇行子が。
こっち来んな。
あっちの肉食華な令嬢どもの方へ行け、見知らぬ奇行子。

この国のお貴族様の中には居ないタイプの奇行子は、多分他国から来たばかりなんだろう。
醜聞まみれの壁の花に、わざわざ近づいて声までかけてくるんだからな。

どうしよう。
めちゃくちゃメンドい。






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