私ですか?

庭にハニワ

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出来るなら。

煮豆の如く。

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運動出来ず、大人しく令嬢ぶりっ子して地味~にぐつぐつと煮詰まる私を見かねた侍女長。
このままでは近い将来発狂したようにそこら辺を暴れまわる、と見たらしい。
その前に、と、夜中──とゆーか。
夜明け前の一時間程、お屋敷の敷地内限定、出来れば外から見えないように、という条件付きで、自由に暴れる許可をくれた。
個人的な訓練に使わせていただきますよ。
とにかく身体を動かしたくてしょうがないし。


深夜。
いくら朝が遅くて夜も遅い、お貴族サマでも寝るだろう、てな時間帯。

私は男物の服に着替えて、ムダに広い侯爵家の街屋敷の──それでも気を使って裏庭の方で、地味に静かに密やかに暴れまくった。
具体的には、徒手空拳での対人戦闘の型の復習なんだけど。

いやはや。
お嬢暮らしで、ものすごい鈍ってる。
ダンスレッスン位じゃぜんぜん足りなかったらしい運動量。
ここで取り返しておかないと。


ついでに、本体様に婚姻破棄宣言した公爵令息の──この令息、じつは公爵の妾腹の残念令息で。
「本体様」との婚姻を条件に、シュバルディン侯爵家の後ろ楯を得て公爵家の跡を継ぎ……って話だったんだけどもそんな話はなかった事に。

やらかしたからね。

そんなに愛し合ってるんなら……ってコトで。
真実の愛(笑)とやらをつらぬけよ、との王命で、お相手の男爵令嬢──なんつったっけ、カンタンな名前の─のところに婿入り決定だってさ。
大混乱かと思いきや、誰も困らなかった事実。
……真実の愛で結ばれた当人同士と、毒親だったらしい公爵令息の産みの親の公爵の妾以外は。

令息は、婿入りと同時に縁切りされたそーだ。
お妾さんは、公爵家にかじりついてるらしいけど。











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