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2章 キリコ生活は地獄
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キリコの世界は謎だ。
ってゆうか、とんだ疫病神だ。
なんかヤバいことに巻き込まれてるなら、なおさらキリコでなんかいられない。
まさか、今回の件にあの先輩たちが一枚かんでいるってことはないよね?
――いや、そうだとしたら、キリコの中身が別人なのかを確認するような尋ね方をするだろうし。
あたしはひとり、通い慣れた道をひたすらに歩いて音無家の近くまで来ていた。
ここまで来れば一緒に三人が帰っていたとしても、双葉と友梨奈とは別れている。邪魔者はいない。
あーあ、散々な日だった――と、一日を総括するにはまだ早い。とにかく、あたしたちは話をする必要があるし、中身の入れ替わりが不可能なら家に入って持ち帰りたいものもある。
夕暮れにはまだまだ時間はある。だけど遅くならないうちに済ませたい。
なのに、なんで来ないの。
通りから少し外れた住宅街で人通りの少ない場所だ。待ち合わせをするような場所じゃないからウロウロしていたら目立つ。
もう、さっさと帰ってきなさいよ。
ひとりごとをぶつぶついってたら、声が聞こえてきた。まさか、双葉か? 相変わらずやかましくさわいでいる。
めったにうちに来ることないのに、なんで今日に限って。
あたしは見つからないように陰に隠れた。
やはり、双葉の声だった。友梨奈までいる。
キリコのヤツ。あたしが待ち伏せているのを見越して、わざとふたりを誘ったのかもしれない。
だが、ここで帰るわけにもいかない。
明日も学校だからまさか泊まることはない。腹をくくってふたりが帰るのを待つしかなかった。
そして――日が沈むころ。ようやくふたりは出てきた。
バイバイと手を振って、見送りに通りまで出てきたキリコが玄関へと戻っていく。猛ダッシュで追いかけ、玄関のドアが閉まる寸前でしがみついた。
「うわっ! なに、びっくりするじゃない」
キリコは胸元で拳を握りしめ、目を丸めた。
「びっくりするじゃないよ。ずっと待ってたんだから」
あたしはキリコを押しのけて入っていく。
勝手知ったる我が家だ。二階の自分の部屋へと向かった。
もうこれ以上の邪魔はできないと観念したのかキリコもおとなし階段を上ってくる。また後ろから引きずり落とそうとか、なにかたくらんでいるんじゃ……。
あ、そうか。あたしが自分で落ちればいいんだ。
くるっと振り返ってキリコを見下ろす。
「無駄だよ」
キリコは間髪入れずに言った。あたしのたくらみはお見通しらしい。
「やってみないとわからないでしょ。それとも、自分の体に戻りたくないとか?」
あたしはキリコに探りを入れてみた。キリコの考えていることがまったくわからない。
するとキリコは両手を広げてあたしを待ち構えた。
「なら、やってみる?」
なんだろ。この余裕は。そんなことでは元に戻れないのか?
「キリコ……本当は、入れ替わり方、知ってるの?」
「知るわけないでしょ。痛い思いをしたくないだけ。用事があるなら早くしたほうがいいんじゃない?」
こんなところで転がり落ちたら、入れ替わっても入れ替わらなくても、騒ぎになって大変だ。ひとまず持ち帰りたいものをバッグに詰めよう。スマホもお金もないじゃ、悲惨すぎる。
一日ぶりに自分の部屋に帰ってきた。さっと見たかんじ、部屋の様子は変わってない。
ただ、見慣れぬスマホの充電器とタブレットがある。キリコが自分の家から持ち出したのか? でも、あたしがそうだったように、音無花音の姿をしていたらキリコの家から勝手に持ち出せるはずがない。それとも、買ってきたのだろうか。
まぁ、いい。あたしは自分の充電器をバッグに入れ、引き出しを探った。
いつも持ち歩いている財布があった。双葉たちも知ってる財布なので中身を全部出して、机の奥にある古い財布に入れ替えた。
「それで満足?」
キリコはローテーブルの前に座り、クッションを抱えてジュースを飲んでいた。
「そっちはいいわよ。足らないものは自由に買い足せるんだから」
「こっちはこっちで大変だよ。音無花音でいるのって、けっこう面倒なのね」
「ふざけないで!」
気づいたらあたしはキリコにつかみかかっていた。だけど目の前にいるのがあたし自身で、複雑な気持ちになる。
「花音?」
階下からお母さんが呼びかけている声が聞こえた。思わず返事をしそうになって口をつぐむ。
「お友達、まだいるの?」
「もう帰るって!」
キリコはドアの方を向いてあたしの声色でそう告げた。
すっかりあたしになりきっている。
今まであたしが歩んできた全人生をキリコが引き継いでいることが許せなかった。
あなたは音無花音になっているのだもの。なんの不自由もないでしょうよ。
でも、ここまで楽してやってきたわけじゃないんだから。
あたしはあなたとは違う。
逃げ回ってきたキリコを引き継がなきゃいけない。
「ひとつ確認したいことがある」
あたしがつかみかかったままの体制で聞くと、キリコは「なぁに?」と甘ったるい声で返事した。イラッとする気持ちをどうにか抑え込む。
「きょう、帰りに先輩にからまれた。陸上部で表彰されたこともある先輩もいたグループ」
「ああ」
即座にうなずくキリコには覚えがあるようだった。
「頼まれごとでも聞いてるの? 早く報告しろだのなんだのって言われたんだけど、なんのこと? どう対処しておくか、一応聞いといてあげる」
あたしは上から目線で言ったが、キリコは「そぉねぇ」と間延びした返事をしながらあたしの手を払った。もったいぶってジュースまで飲んでいる。
「先輩がさぁ、音無花音って生意気だっていうのよ」
「え?」
間の抜けた声を上げるとキリコはあたしをジッと見つめた。
「入れ替わったわたしのことじゃなくて、元々の音無花音のことだからね、念のため」
「そんなのわかってる。どういうことなの」
キリコはそっぽを向いて首をかしげた。
「そのまんまなんじゃない? 生意気って、意味わかんないけど。音無花音をシメてこいっていうんだよね、よりにもよって、霧島桐子に。それができないなら、まずはあんたからシメるっていうんだけど、どうする? あなた、選んでいいよ? 霧島桐子が音無花音をカーストから引きずり落とすか、それとも先輩に音無花音をシメてもらうように頼むのか、それとも霧島桐子が先輩にボコられるのか」
「なんなのそれ」
なんであたしがそんな目に遭わなくちゃいけないの。
「あなたに、任せるわ」
キリコは適当に言い放った。
霧島桐子の自宅に戻ってまずはスマホを充電した。
キリコママもパパもまだ帰宅していなかった。夕飯はたまに外に呼び出されて食べに行くこともあるらしいが、キリコから連絡がないのでこのまま二人が帰ってくるのを待っていればいいだろう。
ケーブルをつないだままスマホの電源を入れる。
双葉たちからのメッセージを確認しようとアプリを立ち上げるが、双葉と友梨奈と3人で作ったグループから自分が外されていてビビッた。
速攻キリコにメッセージを送る。
――双葉と友梨奈となんかあった?
『別に』
――グループから抜けてるんだけど。
『スマホの充電が切れてただけなんでしょ?
ちょっと繋がらなかったからって、あのふたり、せっかちだよね
だから、スマホ買い換えて
パスワードもわかんなくてアカウント新しくしたからって』
――それで?
『わたしの教えた
こっちでやりとししてる』
――勝手なことしないでよ
『どうでもいい話ばっかりじゃん』
ふざけんな。
そのどうでもいいことをうまくやれなきゃいけないんだよ。
うまくやれなくて友達ができなかったキリコになにがわかるんだ。
キリコは疫病神だ。本当に呪ってやりたい。
なんであたしだったんだ。なんであたしを引きずり落としたの。双葉か友梨奈にしておけばよかったのに。
あたしを選んだのは、やっぱり先輩たちのせいだろうか。脅されてあたしに危害を加えようとして、なぜかこんなことになってしまったとか?
自分はあたしを引きずり落とすこと選んでおいて、なんだかみょうなことになったからって、あとはこっちに丸投げとか。勘弁してよ。
どうすればいいの?
どの選択でもあたしが損するじゃん。
音無花音がカースト底辺に落ちるなんて絶対にダメ。
キリコのことはどうでもいいけど、元に戻れない以上、霧島桐子の姿のまま先輩のパシリにさせられるのだってイヤだよ。
八方塞がりにあたしは頭を抱えた。
ってゆうか、とんだ疫病神だ。
なんかヤバいことに巻き込まれてるなら、なおさらキリコでなんかいられない。
まさか、今回の件にあの先輩たちが一枚かんでいるってことはないよね?
――いや、そうだとしたら、キリコの中身が別人なのかを確認するような尋ね方をするだろうし。
あたしはひとり、通い慣れた道をひたすらに歩いて音無家の近くまで来ていた。
ここまで来れば一緒に三人が帰っていたとしても、双葉と友梨奈とは別れている。邪魔者はいない。
あーあ、散々な日だった――と、一日を総括するにはまだ早い。とにかく、あたしたちは話をする必要があるし、中身の入れ替わりが不可能なら家に入って持ち帰りたいものもある。
夕暮れにはまだまだ時間はある。だけど遅くならないうちに済ませたい。
なのに、なんで来ないの。
通りから少し外れた住宅街で人通りの少ない場所だ。待ち合わせをするような場所じゃないからウロウロしていたら目立つ。
もう、さっさと帰ってきなさいよ。
ひとりごとをぶつぶついってたら、声が聞こえてきた。まさか、双葉か? 相変わらずやかましくさわいでいる。
めったにうちに来ることないのに、なんで今日に限って。
あたしは見つからないように陰に隠れた。
やはり、双葉の声だった。友梨奈までいる。
キリコのヤツ。あたしが待ち伏せているのを見越して、わざとふたりを誘ったのかもしれない。
だが、ここで帰るわけにもいかない。
明日も学校だからまさか泊まることはない。腹をくくってふたりが帰るのを待つしかなかった。
そして――日が沈むころ。ようやくふたりは出てきた。
バイバイと手を振って、見送りに通りまで出てきたキリコが玄関へと戻っていく。猛ダッシュで追いかけ、玄関のドアが閉まる寸前でしがみついた。
「うわっ! なに、びっくりするじゃない」
キリコは胸元で拳を握りしめ、目を丸めた。
「びっくりするじゃないよ。ずっと待ってたんだから」
あたしはキリコを押しのけて入っていく。
勝手知ったる我が家だ。二階の自分の部屋へと向かった。
もうこれ以上の邪魔はできないと観念したのかキリコもおとなし階段を上ってくる。また後ろから引きずり落とそうとか、なにかたくらんでいるんじゃ……。
あ、そうか。あたしが自分で落ちればいいんだ。
くるっと振り返ってキリコを見下ろす。
「無駄だよ」
キリコは間髪入れずに言った。あたしのたくらみはお見通しらしい。
「やってみないとわからないでしょ。それとも、自分の体に戻りたくないとか?」
あたしはキリコに探りを入れてみた。キリコの考えていることがまったくわからない。
するとキリコは両手を広げてあたしを待ち構えた。
「なら、やってみる?」
なんだろ。この余裕は。そんなことでは元に戻れないのか?
「キリコ……本当は、入れ替わり方、知ってるの?」
「知るわけないでしょ。痛い思いをしたくないだけ。用事があるなら早くしたほうがいいんじゃない?」
こんなところで転がり落ちたら、入れ替わっても入れ替わらなくても、騒ぎになって大変だ。ひとまず持ち帰りたいものをバッグに詰めよう。スマホもお金もないじゃ、悲惨すぎる。
一日ぶりに自分の部屋に帰ってきた。さっと見たかんじ、部屋の様子は変わってない。
ただ、見慣れぬスマホの充電器とタブレットがある。キリコが自分の家から持ち出したのか? でも、あたしがそうだったように、音無花音の姿をしていたらキリコの家から勝手に持ち出せるはずがない。それとも、買ってきたのだろうか。
まぁ、いい。あたしは自分の充電器をバッグに入れ、引き出しを探った。
いつも持ち歩いている財布があった。双葉たちも知ってる財布なので中身を全部出して、机の奥にある古い財布に入れ替えた。
「それで満足?」
キリコはローテーブルの前に座り、クッションを抱えてジュースを飲んでいた。
「そっちはいいわよ。足らないものは自由に買い足せるんだから」
「こっちはこっちで大変だよ。音無花音でいるのって、けっこう面倒なのね」
「ふざけないで!」
気づいたらあたしはキリコにつかみかかっていた。だけど目の前にいるのがあたし自身で、複雑な気持ちになる。
「花音?」
階下からお母さんが呼びかけている声が聞こえた。思わず返事をしそうになって口をつぐむ。
「お友達、まだいるの?」
「もう帰るって!」
キリコはドアの方を向いてあたしの声色でそう告げた。
すっかりあたしになりきっている。
今まであたしが歩んできた全人生をキリコが引き継いでいることが許せなかった。
あなたは音無花音になっているのだもの。なんの不自由もないでしょうよ。
でも、ここまで楽してやってきたわけじゃないんだから。
あたしはあなたとは違う。
逃げ回ってきたキリコを引き継がなきゃいけない。
「ひとつ確認したいことがある」
あたしがつかみかかったままの体制で聞くと、キリコは「なぁに?」と甘ったるい声で返事した。イラッとする気持ちをどうにか抑え込む。
「きょう、帰りに先輩にからまれた。陸上部で表彰されたこともある先輩もいたグループ」
「ああ」
即座にうなずくキリコには覚えがあるようだった。
「頼まれごとでも聞いてるの? 早く報告しろだのなんだのって言われたんだけど、なんのこと? どう対処しておくか、一応聞いといてあげる」
あたしは上から目線で言ったが、キリコは「そぉねぇ」と間延びした返事をしながらあたしの手を払った。もったいぶってジュースまで飲んでいる。
「先輩がさぁ、音無花音って生意気だっていうのよ」
「え?」
間の抜けた声を上げるとキリコはあたしをジッと見つめた。
「入れ替わったわたしのことじゃなくて、元々の音無花音のことだからね、念のため」
「そんなのわかってる。どういうことなの」
キリコはそっぽを向いて首をかしげた。
「そのまんまなんじゃない? 生意気って、意味わかんないけど。音無花音をシメてこいっていうんだよね、よりにもよって、霧島桐子に。それができないなら、まずはあんたからシメるっていうんだけど、どうする? あなた、選んでいいよ? 霧島桐子が音無花音をカーストから引きずり落とすか、それとも先輩に音無花音をシメてもらうように頼むのか、それとも霧島桐子が先輩にボコられるのか」
「なんなのそれ」
なんであたしがそんな目に遭わなくちゃいけないの。
「あなたに、任せるわ」
キリコは適当に言い放った。
霧島桐子の自宅に戻ってまずはスマホを充電した。
キリコママもパパもまだ帰宅していなかった。夕飯はたまに外に呼び出されて食べに行くこともあるらしいが、キリコから連絡がないのでこのまま二人が帰ってくるのを待っていればいいだろう。
ケーブルをつないだままスマホの電源を入れる。
双葉たちからのメッセージを確認しようとアプリを立ち上げるが、双葉と友梨奈と3人で作ったグループから自分が外されていてビビッた。
速攻キリコにメッセージを送る。
――双葉と友梨奈となんかあった?
『別に』
――グループから抜けてるんだけど。
『スマホの充電が切れてただけなんでしょ?
ちょっと繋がらなかったからって、あのふたり、せっかちだよね
だから、スマホ買い換えて
パスワードもわかんなくてアカウント新しくしたからって』
――それで?
『わたしの教えた
こっちでやりとししてる』
――勝手なことしないでよ
『どうでもいい話ばっかりじゃん』
ふざけんな。
そのどうでもいいことをうまくやれなきゃいけないんだよ。
うまくやれなくて友達ができなかったキリコになにがわかるんだ。
キリコは疫病神だ。本当に呪ってやりたい。
なんであたしだったんだ。なんであたしを引きずり落としたの。双葉か友梨奈にしておけばよかったのに。
あたしを選んだのは、やっぱり先輩たちのせいだろうか。脅されてあたしに危害を加えようとして、なぜかこんなことになってしまったとか?
自分はあたしを引きずり落とすこと選んでおいて、なんだかみょうなことになったからって、あとはこっちに丸投げとか。勘弁してよ。
どうすればいいの?
どの選択でもあたしが損するじゃん。
音無花音がカースト底辺に落ちるなんて絶対にダメ。
キリコのことはどうでもいいけど、元に戻れない以上、霧島桐子の姿のまま先輩のパシリにさせられるのだってイヤだよ。
八方塞がりにあたしは頭を抱えた。
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