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36.カエデの初出張
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フィオルさんたちがバルシア帝国の大使の護衛に向かってもう二日が過ぎた。
今頃どうしてるんだろう……国境に行くのに敵対しているゼルナートは通っていけないので、かなり遠回りをすることになるとは聞いているんだけど、そうなると二日くらいではまだ半分の距離も進んでないのかもしれない。
「ミア、依頼だ。大工の棟梁が屋根から落ちて怪我をしたらしい」
「わかりました、行ってきます」
「カエデ、お前も行ってみるか? 聖魔法を使わせるわけにはいかないが、そろそろ現場に行ってみたいだろう」
「いいの!? やった、初めての出張だ!」
カエデと一緒に出かける準備。怪我の場合は基本的に魔法だけで治しちゃうけど、一応薬品の入ったカバンも持っていく。
それと、現地で依頼者に書いてもらう報告書も用意してておかないと。
準備完了、さあ行こう。
「私の初めての出張はミアとだね! 良かったー」
「よろしくね、カエデ」
遊びに行くわけじゃないんだけどね。
命のかかった緊急の依頼ってわけじゃないみたいだし、カエデが現場に慣れるにはちょうどいいのかも。
「ミアは、初めての時は誰と一緒に回ったの?」
「私はフィオルさんとだったよ」
あの時はまだきちんとした配属先が決まってなくて、受付やってたんだよね。一応仮の所属は討伐戦術課だったけど、依頼先に出向いたのはちゃんとした配属がきまった後だし。
エドガー君からの依頼でレイチェルさんの呪いを払って、魔力が切れてって……結構大変だったなぁ……。
「ねぇ、課長とミアって付き合ってるの?」
「付き合う……訓練のこと?」
「ああ、こっちじゃ付き合うとは言わないのか……じゃあ交際! 二人は交際してるの!?」
「ああ……うん。私からフィオルさんに告白したんだ」
「あら、それはちょっと詳しく聞きたいわ。あとでお姉さんに教えてちょうだい!」
「えー……それは恥ずかしいよ……。
あっ、着いた。ここだね、バルト工務店」
街の片隅にある事務所に看板がかけられている。
たしか、ヒコノ村の再建作業や地震の時の家の修復なんかも、ほとんどここが引き受けているんだっけ。
「失礼します、コーデリア魔法研究所から依頼できました」
「します!」
「待ってたよ。棟梁は奥で休んでるから早速診てもらえるかな?」
「はい」
事務所の奥に行くと、棟梁さんがイビキをかいて寝ていた。
「棟梁、治療課の人来てくれましたよ」
「ん……? ああ、これは失礼。やることがねえとつい寝ちまって」
棟梁って一番偉い大工さんだっけ?
よく見ると、戦士並みにすごい体してるし、魔物とかでも殴り飛ばしちゃいそうな感じなのに、こんな人でも怪我をするときはしちゃうんだね。
「じゃあ、少し診せてくださいね」
「お手柔らかに……」
見た感じは、ただの骨折。だけど……少し気になることがあった。
あんな大きなイビキをかいて寝てる人って、私初めて見たかもしれない。
「落ちた時、頭を打ったりしましたか?」
たしか、報告書の履歴で頭に怪我をした人がイビキをかいてその後容態が悪化したというのを見たことがある。
脳にダメージを受けると、そういう症状が出るんだとか……。
「頭は打ったな……でも、そんなに痛くはなかったような……」
「ミア、元気な時の棟梁さんを知ってるわけじゃないから確実なことは言えないけど、なんか話し方に違和感を感じない?」
カエデが言うには棟梁さんの呂律がなんかおかしいらしい。
言われてみれば確かに……なんとなく、言葉をうまく発せてないような。
「なんか、吐き気がずっと続いてるんだよな……」
これだけ揃えば私でもわかる。
ヒーリングじゃだめだ……それだと骨折は治っても、脳に受けたダメージまでは届かない。
「それでは治療します……楽にしていてください。
命の光よ、滅びの淵より希望を抱きし者に寄り添え。
魂の欠片を繋ぎ止め、鼓動を再び刻め──【リザレクション】」
光の粒子が棟梁さんの体を包み、悪い箇所を治癒していく。
これで骨折と脳に受けたダメージも無くなったかな?
「喋ってみてください」
「あーあー……ん? 吐き気がないな」
やっぱり骨折だけじゃなく、脳しんとうも起こしていたんだ。
喋り方もさっきまでとは違ってハキハキしている。
「おお! 足も治っている!」
棟梁さんはすっかり元気になってベッドから起き上がった。
「怪我は治りましたけど、念のため今日一日は安静にしておいてください」
治った直後は一気に元気になるせいか、いつも以上に無理をして、再び依頼が必要になるなんてことも珍しくないから。
だから、私は毎回こう言うようにしている。
「おう! ほんと助かったぜ!」
「では、こちらの報告書に記入をお願いします。
症状は骨折と脳しんとうですね」
「おかしいとは思っていたが、脳までやられてたのか! 余計に馬鹿になるところだったな……」
リザレクションをかけてみてわかったんだけど、棟梁さんは肋骨も折れてたみたい……結構重傷だったんだ。
もしかして、我慢強い人なのかな?
他に緊急の依頼が入ってなくて、後回しにならなくて良かった。
「書けたよ」
「では、こちらが控えです」
写しを渡して依頼は完了。
さ、研究所に戻りましょうか。
「先生たち、良かったらうちで茶でも飲んで行きなよ。
お菓子も用意させるからさ」
「お菓子だって、ミア! せっかくだからいただいていかない?」
「んー……そうだね。今のところは急ぎの依頼も入って無かったし」
「じゃあ、客室とかじゃなくて悪いがこっちに来てくれ」
私たちは事務所の休憩スペースに案内された。
***
「これ、ヨウカンじゃん! こっちはマッチャ!」
「おっ、そっちの嬢ちゃんは知ってるのか? 珍しいだろう。
どちらも伝説の勇者と聖女にまつわる、さしずめ伝説のお菓子ってところだ」
ヨウカン? マッチャ?
私の知らない食べ物だ……この茶色い物体はどんな味がするんだろう。
「甘っ!」
「ミアは初めて食べるの? 私はよくおばあちゃんの家で食べてたよ。そのお茶とよく合うんだよ」
へー……ちょっと飲んでみよっと。
「今度は苦っ!?」
「あら、ミアの舌には合わないのかな?」
「苦くてちょっとびっくりしたけど、このお菓子食べた後だと美味しいかも」
勇者と聖女か……カエデも知ってるお菓子ともなると、これはあちらの世界のお菓子なんだね。
「おばあちゃん、元気かな……」
カエデはお茶を飲みながら、遠い空を眺めていた。
たぶん、元の世界のことを思い浮かべてるんだと思う。
呼び出されたこの世界で、今でこそカエデは元気そうに振る舞っているけど、本当は元の世界に帰りたいってずっと思ってるはず。最初の頃、カエデは帰りたいって泣いてたんだ……。
かつて、伝説の勇者と聖女はコーデリアの手によって元の世界に帰っていったという話を聞いた。
だから、カエデを元の世界に帰す方法はきっとある。
「ミア、じっと見てきてどうしたの?」
「ううん、カエデは強いなって思っただけだよ」
「?」
探そう、その方法を……カエデには、向こうの世界で帰りを待っている人たちがいる。
今はゼルナートの件でごたごたしちゃってるけど、それが落ち着いたら、その時はきっと──
今頃どうしてるんだろう……国境に行くのに敵対しているゼルナートは通っていけないので、かなり遠回りをすることになるとは聞いているんだけど、そうなると二日くらいではまだ半分の距離も進んでないのかもしれない。
「ミア、依頼だ。大工の棟梁が屋根から落ちて怪我をしたらしい」
「わかりました、行ってきます」
「カエデ、お前も行ってみるか? 聖魔法を使わせるわけにはいかないが、そろそろ現場に行ってみたいだろう」
「いいの!? やった、初めての出張だ!」
カエデと一緒に出かける準備。怪我の場合は基本的に魔法だけで治しちゃうけど、一応薬品の入ったカバンも持っていく。
それと、現地で依頼者に書いてもらう報告書も用意してておかないと。
準備完了、さあ行こう。
「私の初めての出張はミアとだね! 良かったー」
「よろしくね、カエデ」
遊びに行くわけじゃないんだけどね。
命のかかった緊急の依頼ってわけじゃないみたいだし、カエデが現場に慣れるにはちょうどいいのかも。
「ミアは、初めての時は誰と一緒に回ったの?」
「私はフィオルさんとだったよ」
あの時はまだきちんとした配属先が決まってなくて、受付やってたんだよね。一応仮の所属は討伐戦術課だったけど、依頼先に出向いたのはちゃんとした配属がきまった後だし。
エドガー君からの依頼でレイチェルさんの呪いを払って、魔力が切れてって……結構大変だったなぁ……。
「ねぇ、課長とミアって付き合ってるの?」
「付き合う……訓練のこと?」
「ああ、こっちじゃ付き合うとは言わないのか……じゃあ交際! 二人は交際してるの!?」
「ああ……うん。私からフィオルさんに告白したんだ」
「あら、それはちょっと詳しく聞きたいわ。あとでお姉さんに教えてちょうだい!」
「えー……それは恥ずかしいよ……。
あっ、着いた。ここだね、バルト工務店」
街の片隅にある事務所に看板がかけられている。
たしか、ヒコノ村の再建作業や地震の時の家の修復なんかも、ほとんどここが引き受けているんだっけ。
「失礼します、コーデリア魔法研究所から依頼できました」
「します!」
「待ってたよ。棟梁は奥で休んでるから早速診てもらえるかな?」
「はい」
事務所の奥に行くと、棟梁さんがイビキをかいて寝ていた。
「棟梁、治療課の人来てくれましたよ」
「ん……? ああ、これは失礼。やることがねえとつい寝ちまって」
棟梁って一番偉い大工さんだっけ?
よく見ると、戦士並みにすごい体してるし、魔物とかでも殴り飛ばしちゃいそうな感じなのに、こんな人でも怪我をするときはしちゃうんだね。
「じゃあ、少し診せてくださいね」
「お手柔らかに……」
見た感じは、ただの骨折。だけど……少し気になることがあった。
あんな大きなイビキをかいて寝てる人って、私初めて見たかもしれない。
「落ちた時、頭を打ったりしましたか?」
たしか、報告書の履歴で頭に怪我をした人がイビキをかいてその後容態が悪化したというのを見たことがある。
脳にダメージを受けると、そういう症状が出るんだとか……。
「頭は打ったな……でも、そんなに痛くはなかったような……」
「ミア、元気な時の棟梁さんを知ってるわけじゃないから確実なことは言えないけど、なんか話し方に違和感を感じない?」
カエデが言うには棟梁さんの呂律がなんかおかしいらしい。
言われてみれば確かに……なんとなく、言葉をうまく発せてないような。
「なんか、吐き気がずっと続いてるんだよな……」
これだけ揃えば私でもわかる。
ヒーリングじゃだめだ……それだと骨折は治っても、脳に受けたダメージまでは届かない。
「それでは治療します……楽にしていてください。
命の光よ、滅びの淵より希望を抱きし者に寄り添え。
魂の欠片を繋ぎ止め、鼓動を再び刻め──【リザレクション】」
光の粒子が棟梁さんの体を包み、悪い箇所を治癒していく。
これで骨折と脳に受けたダメージも無くなったかな?
「喋ってみてください」
「あーあー……ん? 吐き気がないな」
やっぱり骨折だけじゃなく、脳しんとうも起こしていたんだ。
喋り方もさっきまでとは違ってハキハキしている。
「おお! 足も治っている!」
棟梁さんはすっかり元気になってベッドから起き上がった。
「怪我は治りましたけど、念のため今日一日は安静にしておいてください」
治った直後は一気に元気になるせいか、いつも以上に無理をして、再び依頼が必要になるなんてことも珍しくないから。
だから、私は毎回こう言うようにしている。
「おう! ほんと助かったぜ!」
「では、こちらの報告書に記入をお願いします。
症状は骨折と脳しんとうですね」
「おかしいとは思っていたが、脳までやられてたのか! 余計に馬鹿になるところだったな……」
リザレクションをかけてみてわかったんだけど、棟梁さんは肋骨も折れてたみたい……結構重傷だったんだ。
もしかして、我慢強い人なのかな?
他に緊急の依頼が入ってなくて、後回しにならなくて良かった。
「書けたよ」
「では、こちらが控えです」
写しを渡して依頼は完了。
さ、研究所に戻りましょうか。
「先生たち、良かったらうちで茶でも飲んで行きなよ。
お菓子も用意させるからさ」
「お菓子だって、ミア! せっかくだからいただいていかない?」
「んー……そうだね。今のところは急ぎの依頼も入って無かったし」
「じゃあ、客室とかじゃなくて悪いがこっちに来てくれ」
私たちは事務所の休憩スペースに案内された。
***
「これ、ヨウカンじゃん! こっちはマッチャ!」
「おっ、そっちの嬢ちゃんは知ってるのか? 珍しいだろう。
どちらも伝説の勇者と聖女にまつわる、さしずめ伝説のお菓子ってところだ」
ヨウカン? マッチャ?
私の知らない食べ物だ……この茶色い物体はどんな味がするんだろう。
「甘っ!」
「ミアは初めて食べるの? 私はよくおばあちゃんの家で食べてたよ。そのお茶とよく合うんだよ」
へー……ちょっと飲んでみよっと。
「今度は苦っ!?」
「あら、ミアの舌には合わないのかな?」
「苦くてちょっとびっくりしたけど、このお菓子食べた後だと美味しいかも」
勇者と聖女か……カエデも知ってるお菓子ともなると、これはあちらの世界のお菓子なんだね。
「おばあちゃん、元気かな……」
カエデはお茶を飲みながら、遠い空を眺めていた。
たぶん、元の世界のことを思い浮かべてるんだと思う。
呼び出されたこの世界で、今でこそカエデは元気そうに振る舞っているけど、本当は元の世界に帰りたいってずっと思ってるはず。最初の頃、カエデは帰りたいって泣いてたんだ……。
かつて、伝説の勇者と聖女はコーデリアの手によって元の世界に帰っていったという話を聞いた。
だから、カエデを元の世界に帰す方法はきっとある。
「ミア、じっと見てきてどうしたの?」
「ううん、カエデは強いなって思っただけだよ」
「?」
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