無能と呼ばれた鍛冶師の神〜能力値向上のチート装備を村人たちに持たせて最強の国を築く!!

七色夏樹

文字の大きさ
上 下
22 / 66

第22話 娼館での遊び方その3(ワンダーランド編)

しおりを挟む
「え……でも、少し話して相性とかプレイスタイルとか確かめた方がいいんじゃないかな? オプションもヴァルキュリアによって違うしさ」

 鼻息荒い俺にかなりドン引きしている様子だが、この際もう関係あるかっ!

「俺はお前がいい! コロッセオで見ていた時から中々なパイオツだと思っていたからな!」
「ああ、今日の司会のバイト見てたのか。オッケー。そういうことなら二階に行きましょ!」

 意外とすんなり受け入れた。
 司会少女に付いてく形で階段を上る。眼前にはスケ感のある短いワンピを着た少女。パンチラを楽しみながら二階に行く。

 途中振り返りこちらを一瞥した彼女と目が合うと、一目で愛想笑いとわかる愛想笑いを浮かべる。そんな破廉恥な恰好をしているくせに、パンツを見られるという羞恥心はあるらしく、裾を手で押さえつけている。恥じらっている姿が余計にそそる。エロ過ぎるだろ。

「こっちの部屋だよ」
「ほぉ、ここがそうか」

 通された部屋は二階の角部屋。パッと見たところ六畳ほどの部屋の大半をダブルサイズのベッドが占めている。一応簡易な浴室も完備しているらしい。

「少し話す? それともすぐにヤる?」

 慣れた様子で聞いてくる。
 ここまで来たら他の客に取られる心配もないので、少し話してみることにする。
 嬢を知ってからするのと、何も知らずにやるのとでは、昂揚度が違ってくる。

「オッケー。ならここに座って」

 軽くベッドに腰掛けて足を組み、隣をパタパタと叩く。こっちにおいでという風に。
 コロッセオで司会をしている時とは雰囲気というか、少しキャラが違って見えるな。場所のせいだろうか?

「名前は? あっ、この場合は本名じゃなくて、あたしにどう呼ばれたいかってことだから、もち偽名でオッケーだからね」

 なるほど。客のプライバシーを尊重しているのか。

「ウゥルカーヌスだ! ウゥルと呼んでくれ」
「ウゥルカーヌス……?」

 どこかで聞いた名前かもと、下唇に人差し指を押し当てて思案する。

「ちなみに俺はアホではない」
「あっ!」

 何かを思い出したように、深藍色の瞳が大きく開かれる。

「蛙ゴブリンの――ゴブゾウの飼い主!? イヤだ、あたし……ごめんなさい!」

 立ち上がって折り目正しく頭を下げる。別に気にしていないから顔を上げるように伝えると、「ホント?」少し伸びた薄浅葱色の髪を耳(?)ヒレ(?)に引っ掛けながらこちらを窺う。

「ああ、その分サービスしてくれれば問題ない」

 ホッと胸をなで下ろした彼女が、それなら任してと胸を叩く。

「あっ、そうだ! あたしはアマンダ。元奴隷にして、現在いまは娼婦のアマンダ」
「すごい経歴だな。コロッセオでは司会も頻繁に務めるのか?」
「ああいう野蛮な場所の司会は女の子の方が盛り上がるからね。たまに頼まれるの。それに、危険と隣り合わせだからお給金もいいしね」

 少し恥ずかしそうに、にししと笑う。
 アマンダは余程金に困っているのだろうか。

娼館ここだけで十分儲かっていそうなものだがな。あんまりなのか?」
「うーん、もちろん娼館ここはそれなりに儲かるよ」
「訳ありか?」
「あたし生き別れた妹を探したいの。そのためには何かとお金が必要だから」

 生き別れた妹……か。
 奴隷だった過去を考えるに、これまでのアマンダの人生は波乱万丈だったのだろうな。

「やだ、あたしお客さんにこんな話。ヤる前に萎えちゃうよね」

 ごめんごめんと明るく振る舞うアマンダの好感度は、俺の中でうなぎ登りだった。
 何より可愛い。

「それは、なんだ?」

 ベッド脇に置かれていたガラス瓶には、緑色の液体が入っている。

「……ひょっとしてツツネ草を知らないの?」
「ツツネ草? 何なのだ、それは?」

 アマンダはとても不思議そうな表情で俺の顔をまじまじ見て、「童貞だったりする?」信じられないことを聞いてきた。

「そう見えるか?」
「ううん。妙に落ち着いてるし、見えないかな? でもツツネ草を知らないのは意外かも」
「その、ツツネ草とは何なんだよ?」
「避妊薬」
「……どうやって使うのだ?」
「ツツネ草をドロドロになるまですり潰したこれをね、指で奥に塗り込んでおくの。で、終わったら精液と一緒にかき出して洗うの」

 初めて聞くタイプの避妊方法だな。

「今から塗るのか?」
「うーん、行為中にこっそりかな?」

 照れながらもアマンダは教えてくれる。

「気持ち悪くないのか?」
「慣れたから今は平気かな? ひょっとして、いや?」

 正直これを塗りたぐったところに……となると、少し気が引ける。

「口だけにしとく? もちろん料金は安くするよ?」
「いや―――」

 ここまできてそれはイヤだ!
 何がなんでも最後まで、本番はヤりたい。

 ということで、俺はポケットから『0.02mm 極薄』と書かれたコンドームを取り出した。それをアマンダに差し出す。

「……なに、これ?」
「異国の地で大人気の避妊道具だ! 名付けてコンドーム!」
「こんなので避妊できるの?」
「むしろその草汁より確実だ!」

 なんせこれはこちらの世界よりも文明が進んだ世界の避妊道具なのだからな。
 天界ではみんなこれを使っている。

 俺はアマンダにコンドームの使い方をレクチャーする。
 コンドームの素晴らしさを理解したアマンダは、驚きと好奇心に満ちあふれた顔をしていた。

「すごい! たしかにこれは画期的というか、ツツネ草よりずっと安全性に優れてるかも!」
「女の方ではなく、男の方を包み込む形だからな」
「ねぇ、あたしコレ、コンドーム使ってみたい!」
「もちろんだ!」

 もしもアマンダが俺との行為でコンドームを気に入ったなら、娼婦たちの間でまたたく間にコンドームは有名になるだろう。
 そうすれば、俺はコンドーム卸売業者を始めよう。
 村の、国の開拓資金を異世界のコンドームで稼ぐのだ。

 天界、または領地を賭けた神々の戦いゴッドゲームにおける盟約第38条によると、原則として別世界のモノを使用すること、広めることを固く禁ずる――と書かれてある。

 しかし、例外があることを俺は知っている。

 過去の領地を賭けた神々の戦いゴッドゲームにおいて、とある神の国で恐ろしい病魔が発生した。病はまたたく間に広がり、あっという間に世界的大流行パンデミックを巻き起こす。
 その時はまだこちらの世界の回復魔法もそれほど発展しておらず、助けることは困難。

 そこで神は異世界――日本から名医と薬を召還。
 当然、この行為は盟約第38条に違反しており、すぐに神審判が開かれることとなる。

 結果は無罪。

 異世界のルールや秩序を著しく乱す行為はたしかに禁止されているが、命を救う行為ならば咎めるに咎められない。
 現にたちは様々な世界の人々を悪魔の脅威から救うため、別世界から勇者を召還することがある。

 この行為は盟約第38条に違反していない。
 むしろ神としての責務である。

 ならば、多くの生命に関わる事柄に関する事象ならば、盟約第38条は適応外になる。
 
 ――であるならば、99%避妊できる上、性病になるリスクを減少できるコンドームはまさにコレに該当する。

「ん、ちゅっ、ウゥル、んっ、すごひぃ、んんっ」

 悠久の時を神聖なる淫らにそそいできた俺の超絶テクに、アマンダは溶けていく。
 恍惚とした表情のアマンダは色っぽい。

「ねえ、もう挿れていい…? あたしもう我慢できないの」

 強引に服を脱がし始めるアマンダは、仕切りにこんなの初めてだと口にしている。
 毎月アフロディテから購入している媚薬、やはり素晴らしい効き目だな。

「あん、あんっ、だめ、あたしもう、おかしくなっちゃう!!」


 本当にこの夜は、最高だった。
 魔族街ワンダーランドに滞在中は、毎日通おうと思う。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

[鑑定]スキルしかない俺を追放したのはいいが、貴様らにはもう関わるのはイヤだから、さがさないでくれ!

どら焼き
ファンタジー
ついに!第5章突入! 舐めた奴らに、真実が牙を剥く! 何も説明無く、いきなり異世界転移!らしいのだが、この王冠つけたオッサン何を言っているのだ? しかも、ステータスが文字化けしていて、スキルも「鑑定??」だけって酷くない? 訳のわからない言葉?を発声している王女?と、勇者らしい同級生達がオレを城から捨てやがったので、 なんとか、苦労して宿代とパン代を稼ぐ主人公カザト! そして…わかってくる、この異世界の異常性。 出会いを重ねて、なんとか元の世界に戻る方法を切り開いて行く物語。 主人公の直接復讐する要素は、あまりありません。 相手方の、あまりにも酷い自堕落さから出てくる、ざまぁ要素は、少しづつ出てくる予定です。 ハーレム要素は、不明とします。 復讐での強制ハーレム要素は、無しの予定です。 追記  2023/07/21 表紙絵を戦闘モードになったあるヤツの参考絵にしました。 8月近くでなにが、変形するのかわかる予定です。 2024/02/23 アルファポリスオンリーを解除しました。

転生貴族のハーレムチート生活 【400万ポイント突破】

ゼクト
ファンタジー
ファンタジー大賞に応募中です。 ぜひ投票お願いします ある日、神崎優斗は川でおぼれているおばあちゃんを助けようとして川の中にある岩にあたりおばあちゃんは助けられたが死んでしまったそれをたまたま地球を見ていた創造神が転生をさせてくれることになりいろいろな神の加護をもらい今貴族の子として転生するのであった 【不定期になると思います まだはじめたばかりなのでアドバイスなどどんどんコメントしてください。ノベルバ、小説家になろう、カクヨムにも同じ作品を投稿しているので、気が向いたら、そちらもお願いします。 累計400万ポイント突破しました。 応援ありがとうございます。】 ツイッター始めました→ゼクト  @VEUu26CiB0OpjtL

錬金術師が不遇なのってお前らだけの常識じゃん。

いいたか
ファンタジー
小説家になろうにて130万PVを達成! この世界『アレスディア』には天職と呼ばれる物がある。 戦闘に秀でていて他を寄せ付けない程の力を持つ剣士や戦士などの戦闘系の天職や、鑑定士や聖女など様々な助けを担ってくれる補助系の天職、様々な天職の中にはこの『アストレア王国』をはじめ、いくつもの国では不遇とされ虐げられてきた鍛冶師や錬金術師などと言った生産系天職がある。 これは、そんな『アストレア王国』で不遇な天職を賜ってしまった違う世界『地球』の前世の記憶を蘇らせてしまった一人の少年の物語である。 彼の行く先は天国か?それとも...? 誤字報告は訂正後削除させていただきます。ありがとうございます。 小説家になろう、カクヨム、アルファポリスで連載中! 現在アルファポリス版は5話まで改稿中です。

【本編完結済み/後日譚連載中】巻き込まれた事なかれ主義のパシリくんは争いを避けて生きていく ~生産系加護で今度こそ楽しく生きるのさ~

みやま たつむ
ファンタジー
【本編完結しました(812話)/後日譚を書くために連載中にしています。ご承知おきください】 事故死したところを別の世界に連れてかれた陽キャグループと、巻き込まれて事故死した事なかれ主義の静人。 神様から強力な加護をもらって魔物をちぎっては投げ~、ちぎっては投げ~―――なんて事をせずに、勢いで作ってしまったホムンクルスにお店を開かせて面倒な事を押し付けて自由に生きる事にした。 作った魔道具はどんな使われ方をしているのか知らないまま「のんびり気ままに好きなように生きるんだ」と魔物なんてほっといて好き勝手生きていきたい静人の物語。 「まあ、そんな平穏な生活は転移した時点で無理じゃけどな」と最高神は思うのだが―――。 ※「小説家になろう」と「カクヨム」で同時掲載しております。

異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜

KeyBow
ファンタジー
 間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。  何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。  召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!  しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・  いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。  その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。  上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。  またぺったんこですか?・・・

神になった私は愛され過ぎる〜神チートは自重が出来ない〜

ree
ファンタジー
古代宗教、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、仏教…人々の信仰により生まれる神々達に見守られる世界《地球》。そんな《地球》で信仰心を欠片も持っていなかなった主人公ー桜田凛。  沢山の深い傷を負い、表情と感情が乏しくならながらも懸命に生きていたが、ある日体調を壊し呆気なく亡くなってしまった。そんな彼女に神は新たな生を与え、異世界《エルムダルム》に転生した。  異世界《エルムダルム》は地球と違い、神の存在が当たり前の世界だった。一抹の不安を抱えながらもリーンとして生きていく中でその世界の個性豊かな人々との出会いや大きな事件を解決していく中で失いかけていた心を取り戻していくまでのお話。  新たな人生は、人生ではなく神生!?  チートな能力で愛が満ち溢れた生活!  新たな神生は素敵な物語の始まり。 小説家になろう。にも掲載しております。

うちの冷蔵庫がダンジョンになった

空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞 ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。 そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします

Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。 相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。 現在、第三章フェレスト王国エルフ編

処理中です...