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第10話 ヒーロー
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俺が保育園の頃、両親が事故でこの世を去った。
だけど幼かった俺は死というものが何なのか分からなくて、泣けないでいた。
そんな俺の代わりに、いのりは俺の手を握りしめたまま泣いていた。
死というものが分からないくせに、両親が居なくなった俺はすっかり元気をなくしてしまい、食事もろくに喉を通らなくなっていた。
たった一人の家族だった祖父は、そりゃまぁ頭を抱えていたという。
出稼ぎに出ていた祖父の帰りが遅い日は、俺はいのりの家で晩ごはんを食べる。祖父といのりの両親が決めた約束だった。
「遠慮せず、もっと食べていいんだよ?」
「……うん」
おばさんの料理は昔からとても美味しかったのだけど、俺は両親がいなくなった日から食欲が湧かなかった。
そんな俺を見かねたのか、いのりがはじめて料理を作ってくれた。歪な形をした塩むすびだ。一緒懸命作ったから食べてという彼女。俺は正直食欲がなかった。
けれど、せっかくいのりが俺のために作ってくれたおにぎりを食べないのも申し訳ないと思い、俺は半ば無理やり口に突っ込んだ。
すげぇ美味かった。
これまでに食べたどんな料理よりも、塩辛い塩むすびが世界で一番美味しくて、俺はようやく泣けた。両親がこの世を去って一月目のことだった。
俺はお礼として三日月型の髪留めを彼女にプレゼントした。
それから彼女の趣味は料理になり、毎日のように様々な手料理を振る舞ってくれた。
日に日に料理の腕が上がるにつれ、スマートだったいのりの体型も徐々にふくよかになっていく。
小学三年の頃だったと思う。
太ったことがきっかけで、一部の心無い男子から、彼女がイジメを受けるようになっていたのは。そのことがきっかけで、いのりは学校を休みがちになった。
俺は今こそ恩返しの時だと思い、イジメっ子たちにイジメをやめるように言った。
が、子供ってのはとても残酷な生き物で、やめろと言ってやめるようなイジメなんて存在しない。
だからと言って諦める俺ではない。
俺は来る日も来る日もイジメっ子たちと対峙した。
学校で、公園で、駄菓子屋の前で、何度も派手に喧嘩をした。いつも決まって負けるのは俺だ。
ボロボロになって帰るたび、いのりはいつもおどおどしながら、もういいよって言っていた。いいわけあるか! 俺が怒鳴り散らすと、彼女は小さくうなずく。
いつしかそんな俺の噂はクラスメイトたちに知れ渡り、元々イジメっ子たちをよく思っていなかった連中が協力したい、そう言ってくれるまでになっていた。
クラスメイトたちの団結力により、いのりのイジメはなくなった。
結局なにもできなかった俺だったけど、いのりは俺のことをヒーローだって言ってくれた。
俺はそれが嬉しくて、彼女の前では何があってもヒーローで居続けることを誓った。
それは中学に上がっても変わらず、鮫島たちにイジメられている奴がいれば、俺は駆けつけた。一度も喧嘩に勝ったことなんてなかったけど、俺は彼女が見ている前では絶対に負けない。
例えばそれが街一番の不良であっても、人々から恐れられるモンスターであっても、俺は負けない。
喧嘩が強いとか弱いとかじゃない。ステータスが優れているとかいないとかでもない。
俺は須藤いのりが見ている前では、完全無欠のヒーローになる。それが俺のささやかなプライドだ。
だから――
「くそがぁああああああああああああああああああああっ!!」
完全無欠のヒーローたる俺は、目の前で動けずにいる女子生徒を見捨てちゃいけないんだ。
そんなのは、いのりの知る俺じゃない。
「ダメっ――――吉野ッ!」
女子生徒に飛び掛かるゴブリンに、俺は捨て身のタックルを仕掛けた。
幸いゴブリンの得物だった包丁は刃が折れて使い物にならなかった。
「今のうちに、早く逃げろっ!」
俺は無我夢中でゴブリンを押さえ込もうと必死だったのだけど、俺の筋力は俺が考えている以上に衰えていた。
「くそっ……マジかよッ」
ゴブリンの力はせいぜい小学生程、そのはずなのに、俺はゴブリンに力負けしていた。
体当たりして押し倒し、マウントを取っていたはずの俺は、気がつくとゴブリンと位置が入れ替わっていた。
「うぐぅっ……」
視界が霞む。
ゴブリンに首を絞められ意識が朦朧としていた。たかがゴブリン程度に勇者な俺がっ……なんでッ。
「ゴブゥッ――!!」
「この野郎っ……ゴホッゴホッ」
俺はゴブリンを蹴り飛ばし、何とか引き剥がしに成功するのだが、廊下を転がり起き上がったゴブリンの足下には、草刈り鎌が落ちていた。いのりのチャージショットで弾け飛んだゴブリンが携えていた武器だ。
「……」
ヤバい。
そう思った時には、草刈り鎌を拾い上げたゴブリンがこちらに向かって駆け出していた。
予想外の事態に俺は動けず、咄嗟に腕で顔を庇うように目を伏せた。
「――――」
何かが俺に覆いかぶさった。続けざまにうめき声が聞こえてくる。
何が起こったのかと目を開けた俺の前には、脂汗を浮かべるいのりがいた。
「いのり……いのりぃいいいいいいいっ!」
いのりは俺を庇うように、俺に覆いかぶさっていたのだ。彼女の背中には草刈り鎌の刃が突き刺さっている。
「にげ、て……よし、の」
「うわあああああああああああああああああああああああああ」
俺はいのりに草刈り鎌を突き刺すゴブリンを全力でぶん殴った。吹き飛ぶと同時にいのりの背中に突き刺さっていた草刈り鎌が地面に落ちる。俺はそいつを拾い、訳のわからない叫び声を上げながらゴブリンに突撃した。
「死ねぇええええっ! 死ねッ、死ねッ、死ねッ、死ねッ、死ねッ、死ねよッ―――」
俺は何度も何度もゴブリンに草刈り鎌を振り下ろした。とっくに動かなくなっていたゴブリンの首を掻き切ったところで、「向井くんっ!」名前を呼ばれて我に返る。
ゆっくり振り返ると、本間が血だらけのいのりを抱きかかえていた。
「いのり……いのりっ―――!」
俺は泣き顔のまま、いのりに駆け寄った。
だけど幼かった俺は死というものが何なのか分からなくて、泣けないでいた。
そんな俺の代わりに、いのりは俺の手を握りしめたまま泣いていた。
死というものが分からないくせに、両親が居なくなった俺はすっかり元気をなくしてしまい、食事もろくに喉を通らなくなっていた。
たった一人の家族だった祖父は、そりゃまぁ頭を抱えていたという。
出稼ぎに出ていた祖父の帰りが遅い日は、俺はいのりの家で晩ごはんを食べる。祖父といのりの両親が決めた約束だった。
「遠慮せず、もっと食べていいんだよ?」
「……うん」
おばさんの料理は昔からとても美味しかったのだけど、俺は両親がいなくなった日から食欲が湧かなかった。
そんな俺を見かねたのか、いのりがはじめて料理を作ってくれた。歪な形をした塩むすびだ。一緒懸命作ったから食べてという彼女。俺は正直食欲がなかった。
けれど、せっかくいのりが俺のために作ってくれたおにぎりを食べないのも申し訳ないと思い、俺は半ば無理やり口に突っ込んだ。
すげぇ美味かった。
これまでに食べたどんな料理よりも、塩辛い塩むすびが世界で一番美味しくて、俺はようやく泣けた。両親がこの世を去って一月目のことだった。
俺はお礼として三日月型の髪留めを彼女にプレゼントした。
それから彼女の趣味は料理になり、毎日のように様々な手料理を振る舞ってくれた。
日に日に料理の腕が上がるにつれ、スマートだったいのりの体型も徐々にふくよかになっていく。
小学三年の頃だったと思う。
太ったことがきっかけで、一部の心無い男子から、彼女がイジメを受けるようになっていたのは。そのことがきっかけで、いのりは学校を休みがちになった。
俺は今こそ恩返しの時だと思い、イジメっ子たちにイジメをやめるように言った。
が、子供ってのはとても残酷な生き物で、やめろと言ってやめるようなイジメなんて存在しない。
だからと言って諦める俺ではない。
俺は来る日も来る日もイジメっ子たちと対峙した。
学校で、公園で、駄菓子屋の前で、何度も派手に喧嘩をした。いつも決まって負けるのは俺だ。
ボロボロになって帰るたび、いのりはいつもおどおどしながら、もういいよって言っていた。いいわけあるか! 俺が怒鳴り散らすと、彼女は小さくうなずく。
いつしかそんな俺の噂はクラスメイトたちに知れ渡り、元々イジメっ子たちをよく思っていなかった連中が協力したい、そう言ってくれるまでになっていた。
クラスメイトたちの団結力により、いのりのイジメはなくなった。
結局なにもできなかった俺だったけど、いのりは俺のことをヒーローだって言ってくれた。
俺はそれが嬉しくて、彼女の前では何があってもヒーローで居続けることを誓った。
それは中学に上がっても変わらず、鮫島たちにイジメられている奴がいれば、俺は駆けつけた。一度も喧嘩に勝ったことなんてなかったけど、俺は彼女が見ている前では絶対に負けない。
例えばそれが街一番の不良であっても、人々から恐れられるモンスターであっても、俺は負けない。
喧嘩が強いとか弱いとかじゃない。ステータスが優れているとかいないとかでもない。
俺は須藤いのりが見ている前では、完全無欠のヒーローになる。それが俺のささやかなプライドだ。
だから――
「くそがぁああああああああああああああああああああっ!!」
完全無欠のヒーローたる俺は、目の前で動けずにいる女子生徒を見捨てちゃいけないんだ。
そんなのは、いのりの知る俺じゃない。
「ダメっ――――吉野ッ!」
女子生徒に飛び掛かるゴブリンに、俺は捨て身のタックルを仕掛けた。
幸いゴブリンの得物だった包丁は刃が折れて使い物にならなかった。
「今のうちに、早く逃げろっ!」
俺は無我夢中でゴブリンを押さえ込もうと必死だったのだけど、俺の筋力は俺が考えている以上に衰えていた。
「くそっ……マジかよッ」
ゴブリンの力はせいぜい小学生程、そのはずなのに、俺はゴブリンに力負けしていた。
体当たりして押し倒し、マウントを取っていたはずの俺は、気がつくとゴブリンと位置が入れ替わっていた。
「うぐぅっ……」
視界が霞む。
ゴブリンに首を絞められ意識が朦朧としていた。たかがゴブリン程度に勇者な俺がっ……なんでッ。
「ゴブゥッ――!!」
「この野郎っ……ゴホッゴホッ」
俺はゴブリンを蹴り飛ばし、何とか引き剥がしに成功するのだが、廊下を転がり起き上がったゴブリンの足下には、草刈り鎌が落ちていた。いのりのチャージショットで弾け飛んだゴブリンが携えていた武器だ。
「……」
ヤバい。
そう思った時には、草刈り鎌を拾い上げたゴブリンがこちらに向かって駆け出していた。
予想外の事態に俺は動けず、咄嗟に腕で顔を庇うように目を伏せた。
「――――」
何かが俺に覆いかぶさった。続けざまにうめき声が聞こえてくる。
何が起こったのかと目を開けた俺の前には、脂汗を浮かべるいのりがいた。
「いのり……いのりぃいいいいいいいっ!」
いのりは俺を庇うように、俺に覆いかぶさっていたのだ。彼女の背中には草刈り鎌の刃が突き刺さっている。
「にげ、て……よし、の」
「うわあああああああああああああああああああああああああ」
俺はいのりに草刈り鎌を突き刺すゴブリンを全力でぶん殴った。吹き飛ぶと同時にいのりの背中に突き刺さっていた草刈り鎌が地面に落ちる。俺はそいつを拾い、訳のわからない叫び声を上げながらゴブリンに突撃した。
「死ねぇええええっ! 死ねッ、死ねッ、死ねッ、死ねッ、死ねッ、死ねよッ―――」
俺は何度も何度もゴブリンに草刈り鎌を振り下ろした。とっくに動かなくなっていたゴブリンの首を掻き切ったところで、「向井くんっ!」名前を呼ばれて我に返る。
ゆっくり振り返ると、本間が血だらけのいのりを抱きかかえていた。
「いのり……いのりっ―――!」
俺は泣き顔のまま、いのりに駆け寄った。
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