1 / 18
バスジャック!
しおりを挟む
拡声器でひび割れるほど拡大された黒川刑事の声が、サービスエリアの一角に響き渡った。
「お前は完全に包囲されている! 諦めて出て来い!」
だだっ広い駐車場に停められたバスを、盾を持った警官隊が一定の距離を置いて取り囲んでいる。その様子は、きっと空の上から見るとバスに見えない結界でも張ってあるように見えただろう。
高速道路でジャックされたツアーバスが、このサービスエリアに停まってからもう二時間も経っていた。
警察が旅行会社に問い合わせたところ、ツアーに参加していた客、つまり現在の人質は十人。犯人の数は不明。
窓にはカーテンがかけられていて、車中は確認できない。だから警官隊は、犯人をとらえるどころか踏み込むこともできなかった。
「今ならまだ間に合う! すぐに出てこい!」
叫んでいる黒川は、白い物の混ざった短い髪の中年男だ。怒鳴っていても、どこか優しそうな雰囲気があり、若いころは明るくて人懐っこい兄ちゃんだっただろうとわかる。
「うるせえ!」
犯人の声が返ってくる。どうやら素直に投降する気はないようだ。
怒鳴り疲れたのか、警官が拡声器を口から離して呟く。
「もし人質に何かあったら、ただじゃおかないぞ」
そして苦々(にがにが)しい顔でバスをにらみつける.。
(バス会社によると、幸い、客の中に幼い子供や老人はいないようだ。だから人質の体力的には問題ないだろうが……)
黒川の耳につけられた通信機に、小さなノイズが走った。
『そろそろ、ケイさんの準備ができるようです』
その連絡にどこか安心した表情で、警官は離れた場所に停められたバンに向かっていった。窓にはのぞき見を防ぐフィルムが貼られていて、中は見えない。
一見白色の、どこにでもある車両だが、その実体は警官隊と本部を繋ぐ簡易的な拠点となっている。
黒川は、戸を開けてバンの中に入った。
フィルムが貼られているせいで、中は少し暗い。車の横にはモニターと捜査パネルが取り付けられていて、そこにジャックされているバスの映像が映し出されていた。二人の警官がそこに貼りついている。
黒川は、車の後部座席に目をやった。
そこには、どう見ても警察関係者ではない青年が座っている。ピンクのパーカーに、だぶだぶの灰色のズボン。髪はシルバーに染められていて、前髪は両目を覆い隠すほど長い。
「すまないな、ケイ」
黒川が申し訳なさそうに声をかける。
「お前は警察ではないのに、危ないことを頼んじまって」
ケイと呼ばれた青年は、ひらひらと手を振った。
「いいって、いいって。どうせ暇なんだ。ボクの力を使わないのはもったいないでしょ」
そして何か考えこむように親指を噛む。それはケイの癖だった。
「あとは差し入れが到着したら作戦開始できるよん」
話し合う黒川とケイをよそに、モニターを見つめていた警官の一人が、隣の警官にそっと耳打ちした。
「しかし、あの青年は誰なんだ? どうみても一般人じゃないか」
話しかけられた方も小声で応える。
「なんだか、ヘンテコな力を持っているみたいだぞ。それで時々警察に力を貸しているらしい」
「ヘンテコな力? なんだそりゃ」
本人達は声をひそめているつもりらしいが、黒川にはしっかりと聞こえていた。
わざとらしく咳払いする。当のケイは、別になんとも気にしていないようだ。
なんとなく気まずくなった空気を消し飛ばすように、勢い良くバンのドアが開いた。
若い警官が、両手にサービスエリアの印の入ったビニール袋を下げて入ってくる。
「買ってきました! お茶人数分!」
どさっと座席に置かれた袋の中には、ペットボトルが何本も入っていた。
「それにしても、赤いラベルのウーロン茶を指定するなんて。差し入れなんて何でもいいじゃないですか」
「個人的に、ボクが好きなお茶なの」
なんとなく、といった感じでケイはペットボトルを手に取った。確かめるようにラベルを指でさすると、袋に戻す。
黒川は、差し入れを持ってきた若い警官に拡声器を渡す。
「よし、打合せ通りお前が交渉をするんだ」
「は、はい」
若い警官は、少し緊張した顔でうなずき、袋を持ってバンの外へ出て行った。
しばらくして、拡声器でひび割れた声がドアのすぐ近くから響いてくる。
「とにかく飲まず食わずじゃ体に悪い。せめて飲み物だけでも人質に飲ませてやってくれ!」
少しの時間を後、バスの中から「良いだろう」と返事があった。
そのやりとりを聞いていた黒川とケイは、目を見交わしてうなずいた。
バンに取り付けられた画面に、規制線を超えバスに近づいて行く警官が映し出されている。警官はバスの近くに袋を置いた。そのまま両手を上げ、バックで規制線の中へと戻って行った。
バスの扉が開き、その場にいた警官隊に緊張が走る。
目鼻と口をあけ顔全体を覆う帽子をかぶっている男が出てきた。黒いタンクトップにカーゴパンツ姿だ。
目の前に展開している警官隊を視線で威嚇(いかく)をしながら、荷物の前に歩み寄る。
もちろん、この男の身に何かあったら人質に命はない。姿が見えても手出し出来ない状況に、警官達は悔しい思いをしているだろう。
犯人の太い手が伸ばされ、袋が回収される。
その様子を見ていたケイは、めんどくさそうに立ち上がった。
「んじゃまあ、そろそろ行ってきますか」
もう黒川と計画は立ててある。
「んじゃ、これを」
黒川は、座席のそばに置かれたバッグを開いて、ガスマスクを取り出した。
「おお、実物は初めてみた。ドラマなんかじゃよく見るけどな~」
ケイはガスマスクを裏表にしておもしろそうに観察する。
満足するまで観察すると、ガスマスクを顔に当てた。そんな物日常生活でそうそう使う事もないので、つけ方に手こずっていると、黒川が手伝ってくれた。
「んで、あれは手に入れてくれたの?」
マスクでくぐもった声でそう言われ、黒川がバッグから取り出したのは、拳大の黒い球二つ。銀色のピンがついている。一見すると、手りゅう弾のように見える。
ケイは、いぶかしげにそれをつまんで顔をしかめる。
「大丈夫? 急にドカンといかない?」
「安心しろ。ピンを抜かない限り大丈夫だよ。それに、ただの催涙弾(さいるいだん)だ。一定時間咳き込んで動けなくなるけど、人体に影響は無い」
「オーケー」
ケイは、催涙弾を手のひらで転がして重みを確かめる。
「え、ちょっと!」
声を上げたのはモニターの前に座っていた警官の一人だった。
「まさか、一人でこの人を行かせるつもりですか? 警官ですらない、一般の青年を? 凶悪な犯人の相手に?」
黒川は、少しバツの悪そうな顔をした。
「ああ、まあ、そう言われるとそうなんだが」
「大丈夫だって」
当のケイはへらへらと笑い、手を振った。
「んじゃ、行ってきま~す!」
まるでテレビが消されたように、ケイの姿がかき消えた。今まで彼が座っていたシートは、灰色の背もたれと座面を見せている。
「え? え?」
モニターの前の警官は、顔を青ざめさせ、口をぱくぱくさせた。
「あいつには、不思議な力があるんだ。さっき、ケイもそんなこと言ってただろ?」
どこか同情するような口調で、黒川は言った。
「彼には、好きな所に入り込める力があるんだ」
モニター係は目を見開いた。
「好きな所に? すぐには信じられませんが……いや、でも現に目の前で……」
「本当だよ。たとえば、違法カジノややばい所の事務所に入り込んで軽く探ったりな。ついたあだ名が『吸血鬼』だよ」
「き、吸血鬼?」
警官が、気味悪そうに言う。
「ああ。と言っても、人の生き血なんか吸わないから大丈夫だ。ほら、吸血鬼って霧とかコウモリとかに化けて、美女のいる家に入り込めるだろ」
「なるほど……」
そこで、ほんの少し黒川は眼光を険しくした。
「お前、くれぐれも他人に余計なことをいうなよ。守秘義務のうちだと思え。ケイを守るためだ」
「は、はい。それはもちろん」
重々しくモニター担当の警官はうなずいた。
「お前は完全に包囲されている! 諦めて出て来い!」
だだっ広い駐車場に停められたバスを、盾を持った警官隊が一定の距離を置いて取り囲んでいる。その様子は、きっと空の上から見るとバスに見えない結界でも張ってあるように見えただろう。
高速道路でジャックされたツアーバスが、このサービスエリアに停まってからもう二時間も経っていた。
警察が旅行会社に問い合わせたところ、ツアーに参加していた客、つまり現在の人質は十人。犯人の数は不明。
窓にはカーテンがかけられていて、車中は確認できない。だから警官隊は、犯人をとらえるどころか踏み込むこともできなかった。
「今ならまだ間に合う! すぐに出てこい!」
叫んでいる黒川は、白い物の混ざった短い髪の中年男だ。怒鳴っていても、どこか優しそうな雰囲気があり、若いころは明るくて人懐っこい兄ちゃんだっただろうとわかる。
「うるせえ!」
犯人の声が返ってくる。どうやら素直に投降する気はないようだ。
怒鳴り疲れたのか、警官が拡声器を口から離して呟く。
「もし人質に何かあったら、ただじゃおかないぞ」
そして苦々(にがにが)しい顔でバスをにらみつける.。
(バス会社によると、幸い、客の中に幼い子供や老人はいないようだ。だから人質の体力的には問題ないだろうが……)
黒川の耳につけられた通信機に、小さなノイズが走った。
『そろそろ、ケイさんの準備ができるようです』
その連絡にどこか安心した表情で、警官は離れた場所に停められたバンに向かっていった。窓にはのぞき見を防ぐフィルムが貼られていて、中は見えない。
一見白色の、どこにでもある車両だが、その実体は警官隊と本部を繋ぐ簡易的な拠点となっている。
黒川は、戸を開けてバンの中に入った。
フィルムが貼られているせいで、中は少し暗い。車の横にはモニターと捜査パネルが取り付けられていて、そこにジャックされているバスの映像が映し出されていた。二人の警官がそこに貼りついている。
黒川は、車の後部座席に目をやった。
そこには、どう見ても警察関係者ではない青年が座っている。ピンクのパーカーに、だぶだぶの灰色のズボン。髪はシルバーに染められていて、前髪は両目を覆い隠すほど長い。
「すまないな、ケイ」
黒川が申し訳なさそうに声をかける。
「お前は警察ではないのに、危ないことを頼んじまって」
ケイと呼ばれた青年は、ひらひらと手を振った。
「いいって、いいって。どうせ暇なんだ。ボクの力を使わないのはもったいないでしょ」
そして何か考えこむように親指を噛む。それはケイの癖だった。
「あとは差し入れが到着したら作戦開始できるよん」
話し合う黒川とケイをよそに、モニターを見つめていた警官の一人が、隣の警官にそっと耳打ちした。
「しかし、あの青年は誰なんだ? どうみても一般人じゃないか」
話しかけられた方も小声で応える。
「なんだか、ヘンテコな力を持っているみたいだぞ。それで時々警察に力を貸しているらしい」
「ヘンテコな力? なんだそりゃ」
本人達は声をひそめているつもりらしいが、黒川にはしっかりと聞こえていた。
わざとらしく咳払いする。当のケイは、別になんとも気にしていないようだ。
なんとなく気まずくなった空気を消し飛ばすように、勢い良くバンのドアが開いた。
若い警官が、両手にサービスエリアの印の入ったビニール袋を下げて入ってくる。
「買ってきました! お茶人数分!」
どさっと座席に置かれた袋の中には、ペットボトルが何本も入っていた。
「それにしても、赤いラベルのウーロン茶を指定するなんて。差し入れなんて何でもいいじゃないですか」
「個人的に、ボクが好きなお茶なの」
なんとなく、といった感じでケイはペットボトルを手に取った。確かめるようにラベルを指でさすると、袋に戻す。
黒川は、差し入れを持ってきた若い警官に拡声器を渡す。
「よし、打合せ通りお前が交渉をするんだ」
「は、はい」
若い警官は、少し緊張した顔でうなずき、袋を持ってバンの外へ出て行った。
しばらくして、拡声器でひび割れた声がドアのすぐ近くから響いてくる。
「とにかく飲まず食わずじゃ体に悪い。せめて飲み物だけでも人質に飲ませてやってくれ!」
少しの時間を後、バスの中から「良いだろう」と返事があった。
そのやりとりを聞いていた黒川とケイは、目を見交わしてうなずいた。
バンに取り付けられた画面に、規制線を超えバスに近づいて行く警官が映し出されている。警官はバスの近くに袋を置いた。そのまま両手を上げ、バックで規制線の中へと戻って行った。
バスの扉が開き、その場にいた警官隊に緊張が走る。
目鼻と口をあけ顔全体を覆う帽子をかぶっている男が出てきた。黒いタンクトップにカーゴパンツ姿だ。
目の前に展開している警官隊を視線で威嚇(いかく)をしながら、荷物の前に歩み寄る。
もちろん、この男の身に何かあったら人質に命はない。姿が見えても手出し出来ない状況に、警官達は悔しい思いをしているだろう。
犯人の太い手が伸ばされ、袋が回収される。
その様子を見ていたケイは、めんどくさそうに立ち上がった。
「んじゃまあ、そろそろ行ってきますか」
もう黒川と計画は立ててある。
「んじゃ、これを」
黒川は、座席のそばに置かれたバッグを開いて、ガスマスクを取り出した。
「おお、実物は初めてみた。ドラマなんかじゃよく見るけどな~」
ケイはガスマスクを裏表にしておもしろそうに観察する。
満足するまで観察すると、ガスマスクを顔に当てた。そんな物日常生活でそうそう使う事もないので、つけ方に手こずっていると、黒川が手伝ってくれた。
「んで、あれは手に入れてくれたの?」
マスクでくぐもった声でそう言われ、黒川がバッグから取り出したのは、拳大の黒い球二つ。銀色のピンがついている。一見すると、手りゅう弾のように見える。
ケイは、いぶかしげにそれをつまんで顔をしかめる。
「大丈夫? 急にドカンといかない?」
「安心しろ。ピンを抜かない限り大丈夫だよ。それに、ただの催涙弾(さいるいだん)だ。一定時間咳き込んで動けなくなるけど、人体に影響は無い」
「オーケー」
ケイは、催涙弾を手のひらで転がして重みを確かめる。
「え、ちょっと!」
声を上げたのはモニターの前に座っていた警官の一人だった。
「まさか、一人でこの人を行かせるつもりですか? 警官ですらない、一般の青年を? 凶悪な犯人の相手に?」
黒川は、少しバツの悪そうな顔をした。
「ああ、まあ、そう言われるとそうなんだが」
「大丈夫だって」
当のケイはへらへらと笑い、手を振った。
「んじゃ、行ってきま~す!」
まるでテレビが消されたように、ケイの姿がかき消えた。今まで彼が座っていたシートは、灰色の背もたれと座面を見せている。
「え? え?」
モニターの前の警官は、顔を青ざめさせ、口をぱくぱくさせた。
「あいつには、不思議な力があるんだ。さっき、ケイもそんなこと言ってただろ?」
どこか同情するような口調で、黒川は言った。
「彼には、好きな所に入り込める力があるんだ」
モニター係は目を見開いた。
「好きな所に? すぐには信じられませんが……いや、でも現に目の前で……」
「本当だよ。たとえば、違法カジノややばい所の事務所に入り込んで軽く探ったりな。ついたあだ名が『吸血鬼』だよ」
「き、吸血鬼?」
警官が、気味悪そうに言う。
「ああ。と言っても、人の生き血なんか吸わないから大丈夫だ。ほら、吸血鬼って霧とかコウモリとかに化けて、美女のいる家に入り込めるだろ」
「なるほど……」
そこで、ほんの少し黒川は眼光を険しくした。
「お前、くれぐれも他人に余計なことをいうなよ。守秘義務のうちだと思え。ケイを守るためだ」
「は、はい。それはもちろん」
重々しくモニター担当の警官はうなずいた。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
RIGHT MEMORIZE 〜僕らを轢いてくソラ
neonevi
ファンタジー
運命に連れられるのはいつも望まない場所で、僕たちに解るのは引力みたいな君との今だけ。
※この作品は小説家になろうにも掲載されています

サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道
コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。
主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。
こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。
そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。
修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。
それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。
不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。
記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。
メサメサメサ
メサ メサ
メサ メサ
メサ メサ
メサメサメサメサメサ
メ サ メ サ サ
メ サ メ サ サ サ
メ サ メ サ ササ
他サイトにも掲載しています。

社畜探索者〜紅蓮の王と異界迷宮と配信者〜
代永 並木
ファンタジー
井坂蓮二、23歳 日々サービス残業を繰り返し連続出勤更新し続け精神が疲弊しても働き続ける社畜
ふと残業帰りにダンジョンと呼ばれる物を見つけた
ダンジョンとは10年ほど前に突如現れた謎の迷宮、魔物と呼ばれる存在が闊歩する危険なダンジョンの内部には科学では再現不可能とされるアイテムが眠っている
ダンジョンが現れた影響で人々の中に異能と呼ばれる力を得た者が現れた
夢か金か、探索者と呼ばれる人々が日々ダンジョンに挑んでいる
社畜の蓮二には関係の無い話であったが疲れ果てた蓮二は何をとち狂ったのか市販の剣(10万)を持ってダンジョンに潜り己の異能を解放する
それも3等級と呼ばれる探索者の最高峰が挑む高難易度のダンジョンに
偶然危機に瀕していた探索系配信者竜胆天音を助け社畜の傍ら配信の手伝いをする事に
配信者や異能者に出会いながら探索者として活躍していく
現2章
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
―異質― 邂逅の編/日本国の〝隊〟、その異世界を巡る叙事詩――《第一部完結》
EPIC
SF
日本国の混成1個中隊、そして超常的存在。異世界へ――
とある別の歴史を歩んだ世界。
その世界の日本には、日本軍とも自衛隊とも似て非なる、〝日本国隊〟という名の有事組織が存在した。
第二次世界大戦以降も幾度もの戦いを潜り抜けて来た〝日本国隊〟は、異質な未知の世界を新たな戦いの場とする事になる――
日本国陸隊の有事官、――〝制刻 自由(ぜいこく じゆう)〟。
歪で醜く禍々しい容姿と、常識外れの身体能力、そしてスタンスを持つ、隊員として非常に異質な存在である彼。
そんな隊員である制刻は、陸隊の行う大規模な演習に参加中であったが、その最中に取った一時的な休眠の途中で、不可解な空間へと導かれる。そして、そこで会った作業服と白衣姿の謎の人物からこう告げられた。
「異なる世界から我々の世界に、殴り込みを掛けようとしている奴らがいる。先手を打ちその世界に踏み込み、この企みを潰せ」――と。
そして再び目を覚ました時、制刻は――そして制刻の所属する普通科小隊を始めとする、各職種混成の約一個中隊は。剣と魔法が力の象徴とされ、モンスターが跋扈する未知の世界へと降り立っていた――。
制刻を始めとする異質な隊員等。
そして問題部隊、〝第54普通科連隊〟を始めとする各部隊。
元居た世界の常識が通用しないその異世界を、それを越える常識外れな存在が、掻き乱し始める。
〇案内と注意
1) このお話には、オリジナル及び架空設定を多数含みます。
2) 部隊規模(始めは中隊規模)での転移物となります。
3) チャプター3くらいまでは単一事件をいくつか描き、チャプター4くらいから単一事件を混ぜつつ、一つの大筋にだんだん乗っていく流れになっています。
4) 主人公を始めとする一部隊員キャラクターが、超常的な行動を取ります。ぶっ飛んでます。かなりなんでも有りです。
5) 小説家になろう、カクヨムにてすでに投稿済のものになりますが、そちらより一話当たり分量を多くして話数を減らす整理のし直しを行っています。
薔薇の耽血(バラのたんけつ)
碧野葉菜
キャラ文芸
ある朝、萌木穏花は薔薇を吐いた——。
不治の奇病、“棘病(いばらびょう)”。
その病の進行を食い止める方法は、吸血族に血を吸い取ってもらうこと。
クラスメイトに淡い恋心を抱きながらも、冷徹な吸血族、黒川美汪の言いなりになる日々。
その病を、完治させる手段とは?
(どうして私、こんなことしなきゃ、生きられないの)
狂おしく求める美汪の真意と、棘病と吸血族にまつわる闇の歴史とは…?
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

迷宮に捨てられた俺、魔導ガチャを駆使して世界最強の大賢者へと至る〜
サイダーボウイ
ファンタジー
アスター王国ハワード伯爵家の次男ルイス・ハワードは、10歳の【魔力固定の儀】において魔法適性ゼロを言い渡され、実家を追放されてしまう。
父親の命令により、生還率が恐ろしく低い迷宮へと廃棄されたルイスは、そこで魔獣に襲われて絶体絶命のピンチに陥る。
そんなルイスの危機を救ってくれたのが、400年の時を生きる魔女エメラルドであった。
彼女が操るのは、ルイスがこれまでに目にしたことのない未発見の魔法。
その煌めく魔法の数々を目撃したルイスは、深い感動を覚える。
「今の自分が悔しいなら、生まれ変わるしかないよ」
そう告げるエメラルドのもとで、ルイスは努力によって人生を劇的に変化させていくことになる。
これは、未発見魔法の列挙に挑んだ少年が、仲間たちとの出会いを通じて成長し、やがて世界の命運を動かす最強の大賢者へと至る物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる