アイテムコード

選ばれしアルファベット

　ここは日本の関東地区ではあるが、仮想空間のジャポーンである。
　ジャポーンに招待されたものはAからZ＋ピリオドの計27名である。
　彼らは現在の日本で生きてきて、最も自分の得意分野に特化したであろうものを使用するように、アイテムマスターから設定されている。なぜアルファベットで呼ぶかというとコードネームみたいなもので、のちに仮想空間から実際の現代に生還するであろうということで、そう呼んでいる。ただし、負けたものは記憶から抹消され、生還もされない。もちろんそのチームが使用していたアイテムもである。
ルールは特にない。だってそのアイテムを使いこなしたものが仮想バンクを見つけだせるのだから。仮想バンクは現在五つ存在する。そのうちの二つがこの関東地区に存在する。誰が、いやどのチームがこの仮想バンクを見つけ出すのだろうか。楽しみである。
　チーム恵比寿のA、B、Cについて紹介しよう。って誰だ？アイテムマスターである。まずAの使用アイテムはスマホ。Aはアプリ制作のプロフェッショナルエンジニアである。検索、マップ、ゲーム等スマホとアプリは任せなさいという。またコードや言語も多彩でプログラミングを得意とする。Bは無線を操る電波野郎とでもいいましょう。電波を変幻自在のヘルツに変えたり、発する電磁波まで変更可能。特殊は器具と基地局の設定やデータ改ざん、ありとあらゆる方法で電波を操り、通信の強度を増し速度を加速、この仮想バンク探しのカギになることは間違いないであろう。そしてC、彼はどちらかというとハードな方が強いPCの使い手。だがネットワークを駆使できるA、Bと組むこととなり新たなる潜在能力を発揮する。機器を作成し、ネットワークのプロトコルを作り、仕舞いにウイルスまで作成しハッカーまで悪事を、っとそこまでにしておこう。Cは覚えが早くこのチームのキーマンと言えよう。つまり情報を駆使して戦おうとしているのが、チーム恵比寿である。「なあAよ～、逆立ちで見るとなんで逆さまに見えて、逆さまのものはいつも通りに見えるんだい。」とBが言っている。「重力とかなんかの関係かな。」とAが答える。「じゃあ動いていいるもの、例えば電車内でジャンプしても壁にぶつかったりせず、その位置に着地するてきなことも重力かいな。」とBが言う。「それは…。」とAが考え込む。「電車と俺らが同じスピードで動いているということで、慣性の法則っていうんじゃなかったたか。」とCが答える。Aは助かったというように頷いた。「法則なんてオームの法則しかわかんねーや。」とBは言う。Aはなんやねんと心の中で思った。そんなことはどうでもいいと、先陣を切りAが切り出す。「自分たちのアイテムの関連は通信機器、つまり情報が強みになる、それを考えながら、どう仮想バンクを探すか作戦会議だ。」おー、とは誰も言わなかった。
　次にチームデフのD、E、Fについて紹介しよう。Dはスポーツカーを乗り回すもとF1レーサーである。しかも日本地図が頭の中に入っており常にアップデートを繰り返しているため、ナビを必要としない。彼の脳内マップは、ナビよりも最新情報なのかもしれない。続いてEはバイクを乗り回すもとオートレース選手である。車よりも小回りがきき、細い道にも入っていけること武器にしている。制限速度のリミッターを解除しているため、スピードは最大時速２５０キロと規格外である。その強弱を使いこなす運転テクニックはトップレベルである。どうスピードを活かすのか気になるところである。そしてFはヘリコプターを乗りこなす、もと救助隊である。無線はチーム恵比寿の特権のため使用できないため、上空からの追跡だけになるのか、と気になるところである。チームではあるが個人で探そうという意識が高いのがチームデフである。そのため彼らはあまり話さず、作戦会議もしない。スピードに自信がある彼らだが、チームワークはあまりなさそうだが。Ｂの無線がカギになることはわっかっているようだ。どうでるのかが気になるところである。
　次にチームギガハイのG、H、Iについて紹介しよう。Gは薬物のスペシャリストである。アルコールとなにかという組み合わせで、おもにお酒を持ち歩いている。Hは医者である。最先端の医療技術でチームギガハイをサポートする。仮想バンクを探すことはしないと言っているらしい。拠点を置き、GとHに仮想バンク探しは任せている。Iは科学者で未知のウイルスを作っている。極悪な思考回路をもち、バイオテロを起こそうとしている。そのために薬と医者は必ず必要である。もう探そうというよりかは、一掃して独占するという考えのようだ。このチームは常に作戦会議をしており、連携はとれているようだ。一番怖い発想のチームであることは間違いない。「ははは、いいぞ、いいぞ、これで一掃できる。」とIが言う。「ばらまくのはいいが、君も助かる保証はないのだよ。」とHは若干注意ぎみに言う。「まあまあ、気楽に考えて、俺の薬もあるから、たぶん助かるやろ。」とGが自慢げに言う。「いやいや君が作る薬は、毎回副作用が強いから、出来れば使用したくはない。」とH。Iも同感のようだ。「ほんなら、ばらまく範囲を決めてからやな」とGが言う。たしかにと思うチームギガハイであった。
　次にチームジャックロウのJ、K、Lについて紹介しよう。Jは拳銃の使い手でもとスナイパーの称号をもつ。狙った獲物は外さないらしい。リボルバー式を使用している。二刀流で使用する時もあるほど器用だ。Kは日本刀を使用するのが得意な、武士家計の一人である。剣さばきはさすがである。接近戦向きではあるが、仮想バンクを探すのには少し不利な気もするが。日本刀の他に小刀も隠し持つ。Lはもとスパイである。詳しいことはわからないが、国の取引時には常にどこか近くに隠れているとか。変装も得意で喋りも達者である。秘密しかないらしい。JとKにも本当の姿で会ったことがないというからすごい。さすがスパイである。「要件は手短に頼む」とLは言う。「ああすまない、奴らの情報がほしい」とJが言う。「チームごとにお近づきになれと。」とLが返す。頷くJ、Kは瞑想中みたいなので一言発しない。なんか奇妙なチームである、チームジャックロウ。遠距離、接近、スパイが揃ったが、どう仮想バンクを探し出すのか。
　次にチーム無能のM、N、Oについて紹介しよう。M、Nは物まねが得意である。スペシャリストほどの再現力はもっていないものの、コピー能力で一度見てインプットすれば、何でも使いこなすことが可能だが、もちろん各スペックは落ちる。まずコピーしようとしているのは、Bの無線だ。Oは予知能力の持ち主である。もう仮想バンクの場所自体は見えているのだとか。ただ見たことのない場所なので、どこかわからないという。ただ記憶力が良い。常にMとNに見えた景色は共有している。このチームも連携はとれているようだ。チームワークをどう活かすのかが気になるところである。無能は無能じゃないと証明したいところである。
　次にチームピッケルのP、Q、Rを紹介しよう。Pはもと獣医である。動物が大好きで、移動手段は馬に乗って移動する。その姿はまるでジョッキーみたいである。犬や猫を手懐け、仮想バンク探しに協力してもらうと言う。Qはもと催眠術師である。催眠状態に一瞬でできると言う。ただ今回の仮想バンク探しでは使い勝手が悪いのではと思う伏見もある。目が合っただけでも催眠状態にできるというが。Rはもと写真家である。写真を撮って記録に残していく方法で仮想バンク探しをすると言う。なんか共通点がなく、バラバラなチームにも見えるチームピッケルである。もちろん闘論になると、互いに違うことを言い、まとまらない様子。仲は良いのだが。
　次にチームスターのＳ、Ｔ、Ｕについて紹介しよう。Ｓは超人である。身体能力がずば抜けている。道具は一切使わない、というか機械音痴でもあり使えないと言う。パワーとスピードで勝負。Ｔはもと鍵師。開けられない鍵はないという。Ｕはもとプログラマーである。ＣのＰＣと近いような気もするが、Ｕは計算のスペシャリストでもあり、計算機を使う。パスワードを解くカギをもつ。進数も使用。仮想バンクを見つけた時にもっとも優秀なチームかもしれないが、見つけるのは大変そうである。
　これらのチームはもう上から順位ずけされている。オッズ人気でも決めているが、実際は仮想バンクを探せる可能性が高いかどうかの実力でもある。現在１位チーム恵比寿、２位チームデフ、３位チームギガハイ、４位チームジャックロウ、５位チーム無能、６位チームピッケル、７位チームスター、８不明、９位不明の並びである。そうこの不明のチームはＶ、Ｗ、Ｘ率いる、チームヴァーチャルとＹ、Z、ピリオド率いる、チーム終焉。能力は不明のため順位も最下位となっている。また、チーム勧誘やチームどおしのタッグもありとしている。細かいルールはない。ただこのジャポーンからリタイアするとアイテムの記憶は抹消されるが、勝敗が決まりそのチームの誰かを仲間にした場合は新たにチームのメンバーとして追加され、アイテムの記憶も抹消されない。残すか残さないかは自由で仮想バンクを探すカギともなるだろう。とりあえず二つ仮想バンクをこの関東地区で探し出す。仮想バンクを集めると何が起こるかはわからないが。仮想バンクは計五つ。関東地区以外にわかっているのは、関西地区に一つ仮想バンクがあるらしいが。では探しに行こう諸君。
　各チームはこうして動き出したのである。