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君を食べてしまいたい
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豆電球のオレンジ色のぼんやりとした光に照らされる僕と君。
白いシーツが書けられたクイーンサイズベッドには、さっきまで君が着ていたフリルの付いた黄色いブラウスや、花柄のスカート、ミントグリーンのブラジャーとおそろいのショーツが散らかっている。その隣には勿論僕がさっきまで着ていたTシャツやズボン。目の前には電源の切れている大きな液晶テレビ。二十七度に設定したクーラーがかすかに音をたてているが、それ以外に聞こえるのは僕と君が息をする音だ。
君は全てを僕に委ねるように、四十二キロの体重を全て預けてくる。それを支えるように、僕は両腕で君のことを抱きとめる。
少し力を入れれば、折れてしまいそうな華奢な体。余計な肉腰なんて、どこにも見当たらない。特に腰は、僕の片腕を巻きつけても僕の腕のほうが余るくらいだ。
首筋、鎖骨、肩、二の腕、指先、肋骨、肩甲骨、背骨、骨盤、大腿骨。君のからだを上から順に触っていく。
ああ、美しい。
食べてしまいたいくらいだ。
僕はそっと君の首筋に口吻をする。少し汗ばんでいるのか、いつもよりもしっとりしていて、まるで椿の花びらのようだ。
ああ、美しい。
本当に、食べてしまいたい。
僕の興奮は、体中を駆け巡り、君に口吻をしているだけでは足りない。もっと君に触れたい。もっと君を感じていたい。
僕は君のその椿の花びらのような肌を吸う。唇から君の全身を流れている血液に触れようとする。君の中に流れているその血液の中にある、君の興奮に触れようとする。
小刻みに君の体が揺れ、熱くて艶めかしい吐息が僕の耳元にかかる。
もっと君に触れたい。もっと君を感じたい。こんなに美しい君を、まるごと全て食べてしまいたい。骨の髄まで君を食べ尽くしたい。
背中に付きでた肩甲骨、脇腹に浮きでた肋骨、脂肪が少ないため隠しきれなかった骨盤の凹凸。
僕は君の首筋に歯を立てる。そこに理性なんてものはなく、まるでフライドチキンを食べるかのようだ。
すると、君は息を止め、怯えるようにからだを固くした。
ああ、ごめんね。痛がらせるつもりはなかったんだ。怖がらせるともしもなかったんだ。
僕はサックスのリードを咥えるときと同じように、歯の上に唇をのせ、君の首筋の上でもぐもぐと口を何度も動かす。その光景はまるで動物の食事のよう。いや、これは食事だ。僕は今、美しい君を食べているんだ。
薄い皮膚一枚越しに、君の興奮が伝わってくる。君の体が揺れるたび、その黒くて艶のある髪から甘い花と石鹸の香りがする。息の中に混ざる声は、桃色。薄暗い光の下でも、君の頬が赤くなっていることがわかる。柔らかな小振りの乳房が二つ、僕の胸板に押し当てられている。
ああ、もっと君を食べてしまいたい。
君の中の魂に、口吻したい。
骨の向う側にあるそれに触れたくて、僕は何度も君の首筋に強く吸い付く。
君の声に、君の息遣いに、君の動きに、君の香りに、君の体温に、君の肌の湿り気に、僕の血が沸騰するように熱くなる。熱くなればなるほど、君の全てを食べてしまいたくなる。
美しくて、愛らしくて、恥じらいのある少女のようで、経験のある女性のようで、子どものように小さくて、大人のように柔らかい。そんな君の全てが愛おしくて、愛おしくて、愛おしくて、愛おしくて。僕の中の全てが君で染められていく。君しか見えない。君だけで十分だ。君がいればいいんだ。君が僕の全てだ。君が好きなんだ。好きで、好きで、たまらない。君の全てを僕のものにしたい。いや、君はもう僕のものだ。僕だけの君だ。君には僕がいるんだ。僕の君なんだ。
気がつけば、君の首筋には赤黒い跡が残っていた。
それは君が僕のものである印のようで、なんだか誇らしかった。今度は優しくそこに唇で触れる。
息の荒い君はぱたりとベットの上に横になると、潤んだ瞳でこちらを見ているのだった。
白いシーツが書けられたクイーンサイズベッドには、さっきまで君が着ていたフリルの付いた黄色いブラウスや、花柄のスカート、ミントグリーンのブラジャーとおそろいのショーツが散らかっている。その隣には勿論僕がさっきまで着ていたTシャツやズボン。目の前には電源の切れている大きな液晶テレビ。二十七度に設定したクーラーがかすかに音をたてているが、それ以外に聞こえるのは僕と君が息をする音だ。
君は全てを僕に委ねるように、四十二キロの体重を全て預けてくる。それを支えるように、僕は両腕で君のことを抱きとめる。
少し力を入れれば、折れてしまいそうな華奢な体。余計な肉腰なんて、どこにも見当たらない。特に腰は、僕の片腕を巻きつけても僕の腕のほうが余るくらいだ。
首筋、鎖骨、肩、二の腕、指先、肋骨、肩甲骨、背骨、骨盤、大腿骨。君のからだを上から順に触っていく。
ああ、美しい。
食べてしまいたいくらいだ。
僕はそっと君の首筋に口吻をする。少し汗ばんでいるのか、いつもよりもしっとりしていて、まるで椿の花びらのようだ。
ああ、美しい。
本当に、食べてしまいたい。
僕の興奮は、体中を駆け巡り、君に口吻をしているだけでは足りない。もっと君に触れたい。もっと君を感じていたい。
僕は君のその椿の花びらのような肌を吸う。唇から君の全身を流れている血液に触れようとする。君の中に流れているその血液の中にある、君の興奮に触れようとする。
小刻みに君の体が揺れ、熱くて艶めかしい吐息が僕の耳元にかかる。
もっと君に触れたい。もっと君を感じたい。こんなに美しい君を、まるごと全て食べてしまいたい。骨の髄まで君を食べ尽くしたい。
背中に付きでた肩甲骨、脇腹に浮きでた肋骨、脂肪が少ないため隠しきれなかった骨盤の凹凸。
僕は君の首筋に歯を立てる。そこに理性なんてものはなく、まるでフライドチキンを食べるかのようだ。
すると、君は息を止め、怯えるようにからだを固くした。
ああ、ごめんね。痛がらせるつもりはなかったんだ。怖がらせるともしもなかったんだ。
僕はサックスのリードを咥えるときと同じように、歯の上に唇をのせ、君の首筋の上でもぐもぐと口を何度も動かす。その光景はまるで動物の食事のよう。いや、これは食事だ。僕は今、美しい君を食べているんだ。
薄い皮膚一枚越しに、君の興奮が伝わってくる。君の体が揺れるたび、その黒くて艶のある髪から甘い花と石鹸の香りがする。息の中に混ざる声は、桃色。薄暗い光の下でも、君の頬が赤くなっていることがわかる。柔らかな小振りの乳房が二つ、僕の胸板に押し当てられている。
ああ、もっと君を食べてしまいたい。
君の中の魂に、口吻したい。
骨の向う側にあるそれに触れたくて、僕は何度も君の首筋に強く吸い付く。
君の声に、君の息遣いに、君の動きに、君の香りに、君の体温に、君の肌の湿り気に、僕の血が沸騰するように熱くなる。熱くなればなるほど、君の全てを食べてしまいたくなる。
美しくて、愛らしくて、恥じらいのある少女のようで、経験のある女性のようで、子どものように小さくて、大人のように柔らかい。そんな君の全てが愛おしくて、愛おしくて、愛おしくて、愛おしくて。僕の中の全てが君で染められていく。君しか見えない。君だけで十分だ。君がいればいいんだ。君が僕の全てだ。君が好きなんだ。好きで、好きで、たまらない。君の全てを僕のものにしたい。いや、君はもう僕のものだ。僕だけの君だ。君には僕がいるんだ。僕の君なんだ。
気がつけば、君の首筋には赤黒い跡が残っていた。
それは君が僕のものである印のようで、なんだか誇らしかった。今度は優しくそこに唇で触れる。
息の荒い君はぱたりとベットの上に横になると、潤んだ瞳でこちらを見ているのだった。
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