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03. あたしは女優
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婚約を知らされてから婚約披露パーティまでは二ヶ月。そのほとんどの時間を馬車による移動と、演技の練習、礼儀作法とダンスのおさらいに費やした。
一番苦戦したのが演技の練習。母さんの言う〝恋する乙女の微笑み〟が難しすぎた。
「今回はね、〝リッフォン公爵家に養子として引き取られて不安になっていたら、初恋の人がレザリンド侯爵家にいると知って、養父にせがんで婚約した〟っていう設定にしたのよ」
「おまえが演りやすいように考えてやったんだぞー。ブレイクをスカーフの君だと思えば簡単だろ?」
と、母さんも父さんも軽く言うけど、記憶にあるあの子は天使みたいに可愛い子だった。ブレイクみたいに何を考えているのかわからない男じゃない。
そう言うと、父さんは「知ってるか? それな、思い出補正って言うんだぜ」と腹を抱えて爆笑した。娘の大事な思い出を笑うなんてひどい。
あたしの養父という設定の、リッフォン公爵にも会った。
「君はお母さんそっくりの顔立ちなのに、君の青い目に見つめられると兄さんを思い出すから不思議だね」
そう言って笑った公爵は、穏やかで理知的な男性に見えた。父さんと血が繋がっているなんて信じられない。
パーティに出る前に国王に謁見が必要だとか言われて、王都にも連れて行かれた。作戦が終わったら海に帰るのにと渋ったけれど、社交界に顔を出すには社交界の長である国王への挨拶は必須らしい。貴族ってなんて面倒くさいんだろう。
父さんと母さんとは途中で別れて、リッフォン公爵の馬車でパーティ会場に向かう。従者の格好をしたロウも一緒だ。
ボロボロのスカーフはドレスには合わないから絶対にだめだと言われてしまったので、スカーフはドレスの下の腰のあたりに巻いている。お守りだ。
レザリンド侯爵の屋敷には約束の時間よりずっと早くに着いた。あえて早く到着するのも作戦の一環であるらしい。
こちらの来訪を告げると、門番の一人が慌てて屋敷のほうに走って行った。少しだけ馬車内で待っていて欲しいと言われ、止まった馬車から外を眺める。
内陸に来たから当然だけど、海は見えない。門から屋敷までの道に沿って、長い花壇が続いている。花壇より外側にはたくさんの木々や花、小さな建造物が並んでいた。
公爵は外に目を向け、穏やかな笑みを浮かべている。
「見事な庭園だね」
「はあ……」
海で生きてきたあたしには花や木々の良さはよくわからない。あたしは花より貝殻のほうが好きだ。
でも公爵が見事って言うんだから、すごい庭園なんだろう。
何か褒め言葉でも考えとかなきゃだめかなあ。庭に目を凝らしていたら、少し離れた木の影に見慣れた金髪が見えた。
風に乗って、微かに話し声が聞こえてくる。ブレイクと、あと二人。
ブレイクたちが話している内容に意識を向け、不穏な空気だと気づいた瞬間、あたしは馬車を飛び出した。
「あっシアちゃん、どこ行くの!?」
公爵の声が聞こえたけれど気にせず走る。ドレスもハイヒールも走りにくい。長いスカートが重い。
ブレイクはあたしに背を向けている。ブレイクの前に立っている二人の男の人も、あたしにはまだ気付いていない。
「いいかげん笑ってないで何とか言えよ」
「だいたい分家の分際で公爵家の娘と婚約なんて――」
「ブレイク様!」
声をかけるにはまだ遠かったけれど、話を終わらせたくて声を張り上げた。
ブレイクたちが一斉にあたしを見る。知らない二人の男性が驚きに目を見張ったのはもちろんだけど、ブレイクまで同じように驚いてくれたから小気味よかった。
急いでブレイクのもとに駆け寄り、ブレイクの肘のあたりに両手で軽く触れる。
「早くお会いしたくて馬を急がせてしまいました。こんなところにいらっしゃるなら、いっそ門のところで出迎えてくださればよろしいのに」
甘えた声と仕草は、母さんに教わったとおり。
練習を始めた直後は「やーい下手くそ」と笑っていた父さんが、最後には「これをブレイク相手にやんのかと思うとイラッとすんな……」と苦い顔をしていたくらいだから、演技は上達しているはずだ。
「あっ、ごめんなさい。お話中でしたか? ブレイク様、ご紹介していただけます?」
他の二人の存在には今気付いたふりで、愛しの彼しか目に入らない恋する乙女感を演出。よし、完璧。
仕上げにおしとやかな令嬢っぽく、にこっと笑っておく。ここまで走ってきたから不似合かもしれないけど。
「……」
「……」
「……」
ん? なんだ?
三人ともあたしを見つめて固まっている。知らない男性二人は顔が赤い。
走った拍子にドレスが着崩れたかと自分を見下ろしてみたけれど、別におかしなところはない。
ブレイクをこっそりつつくと、はっとして二人を紹介してくれた。
二人はこの家に住むレザリンド侯爵の息子たち。二人とも侯爵の領地経営の仕事に携わっているらしい。
「お初にお目にかかります。ルティシア・ラル・リッフォンです」
母さんから教わったとおり、優雅にお辞儀。でもやっぱり侯爵の息子二人が何も言ってくれない。
何の話をしていたのかと話を向けてみてようやく「いや、別に……」「なあ」と二人は顔を見合わせる。一言二言話してから逃げるように屋敷のほうに走っていった。
「……何だったんだ」
ぽかんとそれを見送っていると、ブレイクがおかしそうに笑った。
「君に見とれていたんだよ。彼らにも、いじめている現場を美人に見られて恥ずかしい、という羞恥心はあったんだねえ」
やっぱりさっきのはそういうことだったのか。
貴族は家同士の力関係がわかりやすいぶん、嫌がらせや悪口も多いんだろうか。あたしにスカーフをくれたあの子も、年上の男の子たちに酷いことを言われて殴られていたんだっけ。
気弱そうに見えたあの子は言い返せていなかったけど、ブレイクなら口八丁でやり込められそうなのに。
「なんで言い返さなかったんだよ」
「今後のことを考えると、好きに言わせておいた方が油断してくれるかなあと思って」
「……あたし、余計なことした?」
「いや? 君は今も昔も正義のヒーローみたいだなあって思ったよ」
ブレイクが手を伸ばしてきて、あたしの髪に触れる。頬にブレイクの指先が少しだけ当たって、そこだけが急に熱を持った気がした。
「僕は普段の君の、眩しいくらいの力強さが好きだけれど……さっきみたいに可愛らしい君もいいね。僕もつい見惚れてしまったよ」
甘ったるい声と表情。
ブレイクのことなんか好きじゃないのに、不覚にも心臓が暴れだした。悔しい。
「そっ、そういうこと言うなよ……照れるだろ」
熱くなった頬を慌てて腕で隠したけれど、
「あー、二人の世界が始まりそうなところ悪いっスけどー、割り込ませてもらっていっスかねー」
というロウの言葉ではっと我に返った。
「いつからいた!?」
「気配を消してただけで、だいぶ前からいたっスー」
あたしの髪から手を離したブレイクが、当てつけみたいなため息をつく。
「悪いと思うなら空気を読んでくれないかな」
「お断りっス。この甘ったるい空気の中で話しかけるタイミングをうかがい続けるくらいなら、オレは空気の読めない男という評価でいいっス。文句があるなら一度外野の気持ちになって考えてみろっス」
ロウは若干疲れた顔できっぱり言い切った。そしてあたしを見て、親指で公爵の馬車を示す。
「もう屋敷に向かえるらしいんで、オレらは行くっスよ。姉御はそいつに庭を案内してもらいながらのんびり後から来ればいいっス」
「あたしも馬車に戻るよ」
「いーや、〝設定〟を思い出せっス。姉御の設定上、二人っきりでデートしたいとねだるのが自然だから、本邸まで歩けっス。それからパーティが終わって敷地の外に出るまで素に戻るのは禁止っス」
早口で言い終えたロウは、これ以上ここにいたくないと言わんばかりの勢いで走り去っていく。
ブレイクがにこやかな笑みを浮かべてあたしに手を差し出した。
「じゃあ行こうか、女優さん?」
「……」
なんとなく素直に手を取るのは癪だ。
ちらっとその手を見下ろしてから、あたしは母さんに言われて練習してきたとびきりの笑顔をブレイクに向ける。
「はい、ブレイク様」
途端にブレイクがさっと顔を赤らめたので、してやったり、と内心ほくそ笑んだ。
一番苦戦したのが演技の練習。母さんの言う〝恋する乙女の微笑み〟が難しすぎた。
「今回はね、〝リッフォン公爵家に養子として引き取られて不安になっていたら、初恋の人がレザリンド侯爵家にいると知って、養父にせがんで婚約した〟っていう設定にしたのよ」
「おまえが演りやすいように考えてやったんだぞー。ブレイクをスカーフの君だと思えば簡単だろ?」
と、母さんも父さんも軽く言うけど、記憶にあるあの子は天使みたいに可愛い子だった。ブレイクみたいに何を考えているのかわからない男じゃない。
そう言うと、父さんは「知ってるか? それな、思い出補正って言うんだぜ」と腹を抱えて爆笑した。娘の大事な思い出を笑うなんてひどい。
あたしの養父という設定の、リッフォン公爵にも会った。
「君はお母さんそっくりの顔立ちなのに、君の青い目に見つめられると兄さんを思い出すから不思議だね」
そう言って笑った公爵は、穏やかで理知的な男性に見えた。父さんと血が繋がっているなんて信じられない。
パーティに出る前に国王に謁見が必要だとか言われて、王都にも連れて行かれた。作戦が終わったら海に帰るのにと渋ったけれど、社交界に顔を出すには社交界の長である国王への挨拶は必須らしい。貴族ってなんて面倒くさいんだろう。
父さんと母さんとは途中で別れて、リッフォン公爵の馬車でパーティ会場に向かう。従者の格好をしたロウも一緒だ。
ボロボロのスカーフはドレスには合わないから絶対にだめだと言われてしまったので、スカーフはドレスの下の腰のあたりに巻いている。お守りだ。
レザリンド侯爵の屋敷には約束の時間よりずっと早くに着いた。あえて早く到着するのも作戦の一環であるらしい。
こちらの来訪を告げると、門番の一人が慌てて屋敷のほうに走って行った。少しだけ馬車内で待っていて欲しいと言われ、止まった馬車から外を眺める。
内陸に来たから当然だけど、海は見えない。門から屋敷までの道に沿って、長い花壇が続いている。花壇より外側にはたくさんの木々や花、小さな建造物が並んでいた。
公爵は外に目を向け、穏やかな笑みを浮かべている。
「見事な庭園だね」
「はあ……」
海で生きてきたあたしには花や木々の良さはよくわからない。あたしは花より貝殻のほうが好きだ。
でも公爵が見事って言うんだから、すごい庭園なんだろう。
何か褒め言葉でも考えとかなきゃだめかなあ。庭に目を凝らしていたら、少し離れた木の影に見慣れた金髪が見えた。
風に乗って、微かに話し声が聞こえてくる。ブレイクと、あと二人。
ブレイクたちが話している内容に意識を向け、不穏な空気だと気づいた瞬間、あたしは馬車を飛び出した。
「あっシアちゃん、どこ行くの!?」
公爵の声が聞こえたけれど気にせず走る。ドレスもハイヒールも走りにくい。長いスカートが重い。
ブレイクはあたしに背を向けている。ブレイクの前に立っている二人の男の人も、あたしにはまだ気付いていない。
「いいかげん笑ってないで何とか言えよ」
「だいたい分家の分際で公爵家の娘と婚約なんて――」
「ブレイク様!」
声をかけるにはまだ遠かったけれど、話を終わらせたくて声を張り上げた。
ブレイクたちが一斉にあたしを見る。知らない二人の男性が驚きに目を見張ったのはもちろんだけど、ブレイクまで同じように驚いてくれたから小気味よかった。
急いでブレイクのもとに駆け寄り、ブレイクの肘のあたりに両手で軽く触れる。
「早くお会いしたくて馬を急がせてしまいました。こんなところにいらっしゃるなら、いっそ門のところで出迎えてくださればよろしいのに」
甘えた声と仕草は、母さんに教わったとおり。
練習を始めた直後は「やーい下手くそ」と笑っていた父さんが、最後には「これをブレイク相手にやんのかと思うとイラッとすんな……」と苦い顔をしていたくらいだから、演技は上達しているはずだ。
「あっ、ごめんなさい。お話中でしたか? ブレイク様、ご紹介していただけます?」
他の二人の存在には今気付いたふりで、愛しの彼しか目に入らない恋する乙女感を演出。よし、完璧。
仕上げにおしとやかな令嬢っぽく、にこっと笑っておく。ここまで走ってきたから不似合かもしれないけど。
「……」
「……」
「……」
ん? なんだ?
三人ともあたしを見つめて固まっている。知らない男性二人は顔が赤い。
走った拍子にドレスが着崩れたかと自分を見下ろしてみたけれど、別におかしなところはない。
ブレイクをこっそりつつくと、はっとして二人を紹介してくれた。
二人はこの家に住むレザリンド侯爵の息子たち。二人とも侯爵の領地経営の仕事に携わっているらしい。
「お初にお目にかかります。ルティシア・ラル・リッフォンです」
母さんから教わったとおり、優雅にお辞儀。でもやっぱり侯爵の息子二人が何も言ってくれない。
何の話をしていたのかと話を向けてみてようやく「いや、別に……」「なあ」と二人は顔を見合わせる。一言二言話してから逃げるように屋敷のほうに走っていった。
「……何だったんだ」
ぽかんとそれを見送っていると、ブレイクがおかしそうに笑った。
「君に見とれていたんだよ。彼らにも、いじめている現場を美人に見られて恥ずかしい、という羞恥心はあったんだねえ」
やっぱりさっきのはそういうことだったのか。
貴族は家同士の力関係がわかりやすいぶん、嫌がらせや悪口も多いんだろうか。あたしにスカーフをくれたあの子も、年上の男の子たちに酷いことを言われて殴られていたんだっけ。
気弱そうに見えたあの子は言い返せていなかったけど、ブレイクなら口八丁でやり込められそうなのに。
「なんで言い返さなかったんだよ」
「今後のことを考えると、好きに言わせておいた方が油断してくれるかなあと思って」
「……あたし、余計なことした?」
「いや? 君は今も昔も正義のヒーローみたいだなあって思ったよ」
ブレイクが手を伸ばしてきて、あたしの髪に触れる。頬にブレイクの指先が少しだけ当たって、そこだけが急に熱を持った気がした。
「僕は普段の君の、眩しいくらいの力強さが好きだけれど……さっきみたいに可愛らしい君もいいね。僕もつい見惚れてしまったよ」
甘ったるい声と表情。
ブレイクのことなんか好きじゃないのに、不覚にも心臓が暴れだした。悔しい。
「そっ、そういうこと言うなよ……照れるだろ」
熱くなった頬を慌てて腕で隠したけれど、
「あー、二人の世界が始まりそうなところ悪いっスけどー、割り込ませてもらっていっスかねー」
というロウの言葉ではっと我に返った。
「いつからいた!?」
「気配を消してただけで、だいぶ前からいたっスー」
あたしの髪から手を離したブレイクが、当てつけみたいなため息をつく。
「悪いと思うなら空気を読んでくれないかな」
「お断りっス。この甘ったるい空気の中で話しかけるタイミングをうかがい続けるくらいなら、オレは空気の読めない男という評価でいいっス。文句があるなら一度外野の気持ちになって考えてみろっス」
ロウは若干疲れた顔できっぱり言い切った。そしてあたしを見て、親指で公爵の馬車を示す。
「もう屋敷に向かえるらしいんで、オレらは行くっスよ。姉御はそいつに庭を案内してもらいながらのんびり後から来ればいいっス」
「あたしも馬車に戻るよ」
「いーや、〝設定〟を思い出せっス。姉御の設定上、二人っきりでデートしたいとねだるのが自然だから、本邸まで歩けっス。それからパーティが終わって敷地の外に出るまで素に戻るのは禁止っス」
早口で言い終えたロウは、これ以上ここにいたくないと言わんばかりの勢いで走り去っていく。
ブレイクがにこやかな笑みを浮かべてあたしに手を差し出した。
「じゃあ行こうか、女優さん?」
「……」
なんとなく素直に手を取るのは癪だ。
ちらっとその手を見下ろしてから、あたしは母さんに言われて練習してきたとびきりの笑顔をブレイクに向ける。
「はい、ブレイク様」
途端にブレイクがさっと顔を赤らめたので、してやったり、と内心ほくそ笑んだ。
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