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3、【夫の性格は今更変わらないけども】~美沙子の日常③~
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週末になると、私は憂鬱になることが多い。だって、朝から晩まで夫が家でゴロゴロしているんだもの。出かけるとしても、床屋か洗車、コンビニくらいだから、1時間くらいで帰ってきちゃう。雨の日なんて、家からまったくでないから、さらに憂鬱になる。
かと思いきや「カーテン、随分汚れてるな。まだ洗濯しないのか?」とか「ここ、片付けないのか?いらないなら捨てるぞ」などと言い出して、なんでも自分のペースに巻き込こもうとするのは、本当に勘弁してほしい。でも、夫の性格を今更変えるのは無理なので、心の中で文句言いながらも渋々したがうのだけどね。
そんなわけで、いつもは早く月曜になってと切に願う週末なのだけど、今日は、なんと夫が日帰り出張で私は仕事休みというラッキーデー。一人で自由気ままに過ごせる休日は最高!
洗濯物を干し終わって掃除機もかけたし、そろそろ図書館に行こうかな。ここ、T町の図書館はカフェが併設されているので、借りる本を読みながらお茶もできるし、奥にあるミーティングルームや和室でサークル活動をすることもできる。そういえば、どんなサークルがあるんだろうか。
受付の横に貼ってあるメンバー募集のポスターをみていると、アクアビクス教室、ストレッチ教室、編み物サークル、陶芸サークル、文芸サークル…などいろんな団体やサークルがある。でも、いまいちピンとくるものがない。パートの仕事もあるし、やっぱりサークルに入るのは難しいかなぁ…と思ったそのとき。
美沙子の目にとまったのは、一枚のチラシだった。「終活の会 20~50代女性限定でメンバー募集中!葬儀やお墓のことを考えるのは、まだ早いと思っていませんか?でも、どういう【終わり】にしたいかを考えることで、いろんなことがはっきりしてくるんです。これからのこと、夫婦のことみんなで話してみませんか? 会場は図書館内・和室B。参加費は1回300円。年10回開催で、毎回参加できなくてもOKです」
正直なところ、終活なんてまだずっと先のことだと思っていたけど、この会はなんか面白そう。終活だけど、高齢者の集まりじゃないのがいい。あと、女性だけっていうのもいいし、いろんなことがはっきりしてくる、っていうのが気になる。
早速、受付カウンターで「終活の会」について聞いたところ、偶然にも今から終活の会1回めが始まるとのこと。「よかったら、見学していきますか?今日は、参加者が2人いらっしゃるようです。ちなみに講師の方は女性で、とてもエネルギッシュな方ですよ。あと、もし入会したくなったら後ほどカウンターによっていただければ大丈夫です」。「見学ではなく、入会でお願いします」。我ながら、即答、という言葉がぴったりだった。
いつもの私だったら、きっとこう言ってたと思う。「また今度にします」。なんでもずるずると先延ばしにするのは私の得意技、ではなくダメなところ。でも、この終活の会をきっかけに、ダメな自分を少しずつ変えたい。夫の性格や考え方を変えるのは絶対にムリだけど、自分が変わるのだったら少しは可能性あるかも、といつになく前向きな美沙子だった。
かと思いきや「カーテン、随分汚れてるな。まだ洗濯しないのか?」とか「ここ、片付けないのか?いらないなら捨てるぞ」などと言い出して、なんでも自分のペースに巻き込こもうとするのは、本当に勘弁してほしい。でも、夫の性格を今更変えるのは無理なので、心の中で文句言いながらも渋々したがうのだけどね。
そんなわけで、いつもは早く月曜になってと切に願う週末なのだけど、今日は、なんと夫が日帰り出張で私は仕事休みというラッキーデー。一人で自由気ままに過ごせる休日は最高!
洗濯物を干し終わって掃除機もかけたし、そろそろ図書館に行こうかな。ここ、T町の図書館はカフェが併設されているので、借りる本を読みながらお茶もできるし、奥にあるミーティングルームや和室でサークル活動をすることもできる。そういえば、どんなサークルがあるんだろうか。
受付の横に貼ってあるメンバー募集のポスターをみていると、アクアビクス教室、ストレッチ教室、編み物サークル、陶芸サークル、文芸サークル…などいろんな団体やサークルがある。でも、いまいちピンとくるものがない。パートの仕事もあるし、やっぱりサークルに入るのは難しいかなぁ…と思ったそのとき。
美沙子の目にとまったのは、一枚のチラシだった。「終活の会 20~50代女性限定でメンバー募集中!葬儀やお墓のことを考えるのは、まだ早いと思っていませんか?でも、どういう【終わり】にしたいかを考えることで、いろんなことがはっきりしてくるんです。これからのこと、夫婦のことみんなで話してみませんか? 会場は図書館内・和室B。参加費は1回300円。年10回開催で、毎回参加できなくてもOKです」
正直なところ、終活なんてまだずっと先のことだと思っていたけど、この会はなんか面白そう。終活だけど、高齢者の集まりじゃないのがいい。あと、女性だけっていうのもいいし、いろんなことがはっきりしてくる、っていうのが気になる。
早速、受付カウンターで「終活の会」について聞いたところ、偶然にも今から終活の会1回めが始まるとのこと。「よかったら、見学していきますか?今日は、参加者が2人いらっしゃるようです。ちなみに講師の方は女性で、とてもエネルギッシュな方ですよ。あと、もし入会したくなったら後ほどカウンターによっていただければ大丈夫です」。「見学ではなく、入会でお願いします」。我ながら、即答、という言葉がぴったりだった。
いつもの私だったら、きっとこう言ってたと思う。「また今度にします」。なんでもずるずると先延ばしにするのは私の得意技、ではなくダメなところ。でも、この終活の会をきっかけに、ダメな自分を少しずつ変えたい。夫の性格や考え方を変えるのは絶対にムリだけど、自分が変わるのだったら少しは可能性あるかも、といつになく前向きな美沙子だった。
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