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クリスマスイブ2
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1人だと寂しいから、というとんでもない理由で呼んだがイブはイブである。
病院の1時間ほど前に池袋に行き、人で溢れかえるロフトで小さなクリスマスカードを買い、病院に向かった。
「いつもと雰囲気違いますね。可愛い」
いつもの女医さんにメイクを褒められた。
「この後友達と遊ぶんで…」と誤魔化しておく。
薬局で薬を待つ間、買ったクリスマスカードに「今日はありがとうございます」などと書く。
彼がプレゼントを用意してくるはずがない。
イブに付き合わされただけなのにプレゼントを用意してくるほどお人好しではないだろう。
クリスマスの儀礼的にカードを忍ばせ、目的の池袋東口へ向かう。
クリスマスカードを買うために早く池袋に着いていたため、全体的に予定が早まってしまった。
「すみません、もう着きそうです。ゆっくり来て下さい」
LINEを打つ。
「俺ももうすぐ着きます」
約束の15分前に2人は集合した。
サンシャイン通りは予想通りカップルで賑わっていた。
人の波に押し流されはぐれそうになって、咄嗟に彼の服の裾を掴む。彼は特に反応せず通りを歩いていった。
小物やアクセサリーを見て、お昼時。お昼ご飯をどこで食べるか2人で思案しつつソファで休憩する。
今だ、と思った私は小さなクリスマスカードを差し出した。
「クリスマスプレゼントです」
「え、いいの?」
「中身は帰ってから見て下さいね!どうしようもないことしか書いてないので」
「俺も渡したいものがあるんだけど……」
どきんと跳ねる胸。え、プレゼント?私こんなしょぼいカードなのに?
「ここだと恥ずかしいから後で渡します……」
彼は言った。
渡すのが恥ずかしいって一体何を買ったの!?
2人で選んだオムライス屋さんは長蛇の列だった。
オムライス屋さんの列で彼はスマホのゲームを見せてくれた。たけおさんが出ているものだ。
「インストールしてくれたんですか!?」
「はい。前に面白いって言ってたので」
それは男性アイドル育成ゲームで男性からすると面白いのか少し不安だったが、共通の話題ができて嬉しかった。
しかも彼は私の推しのユニット(たけおさんがいる)のキャラのSSRカードを持っていた。
40分ほど待ってようやく店に入ることができた。周りはカップルだらけだ。私達もそのように見えているのだろうか。
話しながら食事をして、斉藤さんは食べるペースを私に合わせてくれたように感じた。
冬の夜。誰もいないサンシャインのスペイン坂。階段はイルミネーションで彩られている。外は12月24日だというのに空気が生ぬるかった。
「プレゼント、ここで渡していいですか」
「はい」
「あまり期待しないで下さいよ」
「いやいや、持ってきてくださっただけで十分嬉しいです」
彼はラッピングされた大きめの袋をくれた。
クリスマスプレゼントにしては大きそうだ。
「開けていいですか」
開けると、sidemのアクリルボードだった。たけおさんのキャラを含む3人が描かれている。
「嬉しい!」
「こんなの……好きな人でもないのに渡しちゃだめじゃないですか」
本心だった。ただ、クリスマスイブだからというだけで渡して良いものじゃない。
彼は耳を真っ赤に染めて言った。
「好きだから渡したんだよ」
え……。
先輩が、私を好き?
私は気がついた。アクリルボードはこの辺だと秋葉原にしか売っていなくて、斉藤さんがわざわざ出向いて買ってきてくれていたということ。
「駿河屋で、とても目を輝かせてこれを見ていて、欲しいんだなって分かったんです。今日ずっと可愛いけれど、あの時のあなたがとても可愛かった」
私のことを思って買ってくれたということ、先輩の言葉に胸がぽかぽかして締め付けられる。
「……嬉しいのでハグしていいですか?」
「え、なんで? だめですよ」
「させて下さい」
「こんな所でだめだってば」
先輩はハグさせてくれなかった。
病院の1時間ほど前に池袋に行き、人で溢れかえるロフトで小さなクリスマスカードを買い、病院に向かった。
「いつもと雰囲気違いますね。可愛い」
いつもの女医さんにメイクを褒められた。
「この後友達と遊ぶんで…」と誤魔化しておく。
薬局で薬を待つ間、買ったクリスマスカードに「今日はありがとうございます」などと書く。
彼がプレゼントを用意してくるはずがない。
イブに付き合わされただけなのにプレゼントを用意してくるほどお人好しではないだろう。
クリスマスの儀礼的にカードを忍ばせ、目的の池袋東口へ向かう。
クリスマスカードを買うために早く池袋に着いていたため、全体的に予定が早まってしまった。
「すみません、もう着きそうです。ゆっくり来て下さい」
LINEを打つ。
「俺ももうすぐ着きます」
約束の15分前に2人は集合した。
サンシャイン通りは予想通りカップルで賑わっていた。
人の波に押し流されはぐれそうになって、咄嗟に彼の服の裾を掴む。彼は特に反応せず通りを歩いていった。
小物やアクセサリーを見て、お昼時。お昼ご飯をどこで食べるか2人で思案しつつソファで休憩する。
今だ、と思った私は小さなクリスマスカードを差し出した。
「クリスマスプレゼントです」
「え、いいの?」
「中身は帰ってから見て下さいね!どうしようもないことしか書いてないので」
「俺も渡したいものがあるんだけど……」
どきんと跳ねる胸。え、プレゼント?私こんなしょぼいカードなのに?
「ここだと恥ずかしいから後で渡します……」
彼は言った。
渡すのが恥ずかしいって一体何を買ったの!?
2人で選んだオムライス屋さんは長蛇の列だった。
オムライス屋さんの列で彼はスマホのゲームを見せてくれた。たけおさんが出ているものだ。
「インストールしてくれたんですか!?」
「はい。前に面白いって言ってたので」
それは男性アイドル育成ゲームで男性からすると面白いのか少し不安だったが、共通の話題ができて嬉しかった。
しかも彼は私の推しのユニット(たけおさんがいる)のキャラのSSRカードを持っていた。
40分ほど待ってようやく店に入ることができた。周りはカップルだらけだ。私達もそのように見えているのだろうか。
話しながら食事をして、斉藤さんは食べるペースを私に合わせてくれたように感じた。
冬の夜。誰もいないサンシャインのスペイン坂。階段はイルミネーションで彩られている。外は12月24日だというのに空気が生ぬるかった。
「プレゼント、ここで渡していいですか」
「はい」
「あまり期待しないで下さいよ」
「いやいや、持ってきてくださっただけで十分嬉しいです」
彼はラッピングされた大きめの袋をくれた。
クリスマスプレゼントにしては大きそうだ。
「開けていいですか」
開けると、sidemのアクリルボードだった。たけおさんのキャラを含む3人が描かれている。
「嬉しい!」
「こんなの……好きな人でもないのに渡しちゃだめじゃないですか」
本心だった。ただ、クリスマスイブだからというだけで渡して良いものじゃない。
彼は耳を真っ赤に染めて言った。
「好きだから渡したんだよ」
え……。
先輩が、私を好き?
私は気がついた。アクリルボードはこの辺だと秋葉原にしか売っていなくて、斉藤さんがわざわざ出向いて買ってきてくれていたということ。
「駿河屋で、とても目を輝かせてこれを見ていて、欲しいんだなって分かったんです。今日ずっと可愛いけれど、あの時のあなたがとても可愛かった」
私のことを思って買ってくれたということ、先輩の言葉に胸がぽかぽかして締め付けられる。
「……嬉しいのでハグしていいですか?」
「え、なんで? だめですよ」
「させて下さい」
「こんな所でだめだってば」
先輩はハグさせてくれなかった。
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