ドン底に舞い降りたイケメン天使〜ただいま人生這い上がり中〜

manato

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作品展

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 作品展2日目。

 今日は斉藤さんは来ない。今日こそは嫉妬などせずに行ける気がする。

 訓練所に行くと例の女性がいた。いつもよりも綺麗だ……じゃなかった、綺麗にメイクをしている。

「今日は午前中で出掛けるので午後はお願いしますね」

 女性に言われて、一抹の不安がよぎる。今日斉藤さんは来ていない。彼女は午後お洒落をして出掛ける。

……もしやデートでは!?

「昨日、R1の話になって、斉藤さんがR1飲むと悪夢見るらしいよって言うんですよ」

女性が職員さんと楽しげに話している。不安が膨らむ。

 試しに斉藤さんにラインでスタンプを送った。返事は無い。

 一方で、私は作品展の手伝いをすることになり私は手作りのガチャガチャの担当になり、100円玉を受け取ってガチャガチャの管理をすることになった。中身はプラ板のキーホルダーである。


 親子がガチャガチャを回す。当たりとはいえないプラ板が出てきた。もう一度回すというので、こっそり私が作ったプラ板が出るように調整した。

 カプセルが出てきて、私が作った雪の結晶のプラ板に親子は喜んでくれた。私は絵を写生することはできるので見て描けば大体のものは上手く描ける。プラ板作りの時も私の物は好評だった。

 一般のお客さんの波が一段落して、例の女性と話す隙ができた。

「今日、一段と可愛いですね」

「本当ですか」

 彼女は恥ずかしそうに笑った。

「クリスマスも近いし、デートとか、お出掛けですか?」

 絶対に聞くべきじゃないのは分かっているがもう抑えられない。

「……父と都心でご飯食べるんです。久しぶりに会うので楽しみで」

 その瞬間、私の緊張は解けた。

「いいなぁ!私もこんな可愛い方と出掛けたい!今度私とも今度デートしてください」

 どんな誤魔化し方だ、と思われるかもしれないが半分本心である。もう半分は、斉藤さんとデートじゃなくてよかった、と思っている。

「おはよう。俺はぐーたらしてたよ。今日一日ゆっくり休むよ」


 斉藤さんからもLINEが来た。私は胸を撫で下ろした。
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