推しの隣に転生してしまった

manato

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事務所にて

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 推していた声優に彼女がいたことを知り、ショックの傷は癒えない中、事務所から招集がかかった。

 事務所に顔を出し、書類や、今後の仕事の台本、ファンレターを受け取る。

「そこでちょっと待っててね」

 マネージャーに座席で待つように促される。隣の席に、なんと気仙先輩が座っていたが仕方なく椅子に腰かけた。

 初めてのファンレターだ。どんなことが書いてあるのだろうか。期待と不安に駆られながら封を切る。

「……橋本君の、ラジオなどの会話で垣間見える女性ファンへの気遣いが好きです」

 そりゃあ、そうだ。私は見た目は男、中身は女性なのだから。女心はどの男性声優より分かっているという自負がある。

 隣の席では、気仙先輩がうつらうつらしていた。顔を覗き込むと目の下に隈が見てとれる。

最近眠れていないのだろうか。
 
 今まで怖くてまともに顔を見たことがなかったが気仙先輩もイケメンである。彫りが深く目鼻立ちがはっきりしていて、切れ長の目。

 まじまじと顔を見ていると、気仙先輩がずりずりと寄りかかってきた。私が男だから油断しているのか、そうなのか!?
 まるで普段から想像もつかないような無防備な寝顔だ。


「気仙さん……、あら、寝てる。橋本君、肩貸してあげてるの? 」

「はい、そうです」

不本意ですが。

「仲がいいのね」

ええ"っ

仲は良くない。

 名前を呼ばれてぱっちり目を覚ました気仙先輩が、ごめん、と罰が悪そうに一言告げて席を立った。

「それで橋本君、劇団星空という所があなたを客演として呼びたいらしいのだけれど、オファーを受けていいかしら」

 声の演技にも生かせるし人生経験になると思う、とマネージャーは言った。

 どうせ今後一ヶ月ろくに仕事も無い。折角の機会だ。演劇に挑戦してみるか。

「やります」

私は二つ返事で頷いた。
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