メリーボイス 

manato

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番外編 女子になった湧。(女体化、二次創作風に注意)

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「ヤダッ 絶対ヤダァァ」

 自分の寝言で目を覚ます朝7時。僕は飛び起きて、喉を押さえた。今、異常に高い声が出た。まるで自分ではないような、可愛らしい声。
 もしかして、まだ夢の中なのか。声だけでなく、あちこちに異常を感じる。

 すーすーする股間。キツキツの胸元。だぶだぶのイベントTシャツ。

 Tシャツを捲り上げてみた。ふっくらとした膨らみが2つ。
 え、気持ち悪っ。自分のおっぱいがすこぶる成長している。気色が悪い。

 さらに、視線を下にずらす。あるはずの物が、ない。

 ぎゃあぁぁぁぁぁ、僕、入れ替わってる!?

……いや、誰と!?というか、この体は何。明らかに女の子じゃないか。

 鏡を見て顔を確認すれば誰と入れ替わったのか分かるだろうと、びくびくしながら洗面所へ向かう。

 見るぞ、3、2、1、オープン!


 くりっとした目。小さな鼻。細い眉。ぽってりした唇。

 って自分やないかーい!


 自分の顔が、可愛くなっている。(自画自賛)

何が起こったのか、分からないが、これは巷で噂の『女体化』というやつではないか。

 いや、二次創作でしか聞いたことねーわ。

 脳内はパニックを起こしているが、もう7時15分。
10時からの現場に遅刻してしまう。

 トイレに行き女性の体の仕組みに感動し、クローゼットを物色する。トップスは胸の周りがきつい。パンツはどれもぶかぶかでずり落ちてくる。
 オーバーシャツを選び、パンツはベルトできつく締め、黒縁の眼鏡とマスクをした。
 よし、これで目立たない。

 スタジオに向けていってきます!

 ……というか僕は、この体で現場に行って良いのだろうか。





「オハヨウゴザイマス!」

「おはようー」

 現場に着くなり、同業者の視線は僕に集中した。そんなにバレバレだろうか。

「ナニカ、オカシイデスカ?」

「ああ、朝霧君か。誰かと思ったよ」

「今日、声が変だね」

 周りの声優達に口々に言われる。しかし、女体化したことはばれていないようだ。


アーッ アーッ

朝の現場は声のチューニングから始まる。起きたばかりの時は声が低めになりやすい。しかし、

アーッ アーッ

今日は高すぎる。
先ほどから、男性声優の視線を一身に受けている気がする。心配されているのだろうか。

「ゆうゆう、これ着な? 」

レオが紺色のカーディガンを手渡してきた。なんでだろう。寒くないのに。

「ちゃんと、前ボタンを留めなねー」

 だから寒くないのに。おせっかいな奴だな。

あ"ー、あ"ー、

だいぶ低くなった。




 いよいよリハが始まる。このまま切り抜けられるのか……







     
         to be continued……?
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