メリーボイス 

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scene9 ゲームをしていただけなのに

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「どうぞ、上がってください」

「お邪魔します」


 今日は高峯とゲームの約束をした日だ。

「これ、酒のつまみな」

「ありがとうございます」

 渡されたビニール袋には、カマンベールチーズや柿ピーなどが入っている。


「さあ、やりましょうか」

 缶ビールとつまみの準備が整い、いよいよゲームを始める。


「ヴァンパイア、そっちに行きました」

「了解。 HP回復させるからそこに待機しろよ」

 ドロップ・オブ・ブラッド、通称ドラブラは、味方同士の絆も重要になってくる。

 2人で熱中しているうちに、時間はあっという間に過ぎていった。

「他人と並んでゲームやるのは久しぶりだな」

 高峯が呟いた。

「友達とやったりしないんですか? 」

「前はよくやってたんだけどな。大親友がいたからさ」

 高峯は遠い目をして言った。


「一緒にゲームをやってくれて、先輩のこと僕の友達のように感じます」

「まあ、お前は、俺のこと特別視しているんだもんな」

「え? 」


   高峯が顔を覗き込んでくる。
 テレビの画面から目を離した瞬間、2人のチームはゲームオーバーになった。

「この前、この部屋で俺の名前呼びながら喘いでたよな? 俺のこと、好きなんだろ」


 窓を開けたままオナニーしたのを気付かれていたのか。高峯の部屋は1個上のため、聞かれていたとしてもおかしくはない。

「好きって言えよ」

 高峯の腕がシャツの下から這い上がってくる。
 腹を撫でられただけで魔羅は反応した。


「や、やめて下さい。 違うんです」

 高峯のペースに呑まれてはならない。自分を見失ったら流されるだけだ。

「じゃあ、先輩はどうなんですか、僕のこと、好きなんですか」

 高峯の手が止まる。何か言いかけてくちごもった。

「高峯さんもはっきり言えないんですね。所詮身体だけ求めていたんじゃないですか」

「違うっ、そうじゃないんだ」



「なら、確かめてみますか」 
          
 「動かないで下さいね」

 湧は高峯の両腕をロープで縛り上げた。
 動けなくなった高峯にのしかかる。

「これ、くわえていて下さい」

 高峯のトレーナーを捲り上げ、口元に持っていく。
彼は数回首を振ったが、根負けして裾を口に含んだ。

 既に、腹直筋には汗が滲んでいた。目線を上にずらすと大きな両胸に赤い飾りが映えている。

 湧はそこを力一杯捻り上げた。

「んんっ」

高峯が顔を歪める。しかし微かに快楽の色も表れていた。

「ちゃんとくわえられて偉いですね。ご褒美あげましょうか」


 乳首をコリコリしながら耳を舐める。高峯の鼓膜にぴちゃぴちゃと卑猥な音が響いた。
 
「こんなことされても我慢するんですね。自分で服をくわえて、胸を突き出して、そんなに弄ってほしいんですか」

 鈴の鳴るような声が耳を犯す。
 高峯は、ふう、ふうと鼻から熱い息を吐き出した。


「もういいです」

 服を口から離すことを許可され、ほっと胸を撫で下ろす。

だが

「んが ごほ、 んっ んん けっ」

 口に剛直を突き立てられた。雄の匂いが鼻につく。

「歯は立たないで、くださいね」

 頭を押さえつけ容赦なく腰を振る湧。
 自由が効かない身体をよじってもがく高峯。

 パーマのかかった髪は額に張り付き、腕の筋肉はびくびくと震えている。


 湧の方はというと、全く果てる気配がない。淡々とリズムを刻んでいた細い腰はぴたりと止まった。

「これではいつまで経ってもいけませんね」

 湧が口からペニスを引き抜く。
唾液が高峯の口からこぼれた。


「……てくれ」

 高峯がか細い声を発する。

「何ですか、聞こえません」

「尻に挿れてくれ! 」

 男の尻に挿れる? そんなことができるか。

 しかも、いつもクールな高峯が、自らせがんできた。

 湧は唖然とした。

「頼む。もう限界なんだ。お前のものが、欲しい」

 縛られたまま上裸の高峯が一心に見つめてくる。

 その哀れな姿を目前にして、ふつふつと笑いがこみ上げてきた。


「みっともないと思わないんですか。そんなにはしたなく男のものをねだって」

「みっともなくても構わない。挿れてくれ。何でもするから」

 
 湧の中の何かが音を立てて壊れた。




「仕方ないですね。あげますよ。僕のものでよがればいい……」

                                 続く


☆今夜7時、いよいよ本番へ
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