メリーボイス 

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scene4 この前はごめん

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「おはようございます」

「おはよう」

 風呂場での一件から数日後。アフレコ現場で高峯と一緒になった。彼がいる位置から離れた椅子に座る。台本を読むふりをして高峯を盗み見ると、彼は女性声優と雑談をしていた。

 なんだ女子とも話せるのか。この前のスキンシップは「下心」ではなく「悪戯心」だった
……と信じたい。








 アフレコが休憩時間に入る。湧は台本をしまうとトイレへ向かった。


「あ」

 小便器の前に高峯がいた。トイレで2人きり。気まずい。

「この前は、ごめんな」

 用を足そうとしていた高峯がおもむろに切り出す。

「なんのことですか」

 この前の出来事は無かったことにしたかった。今更ほじくり返して高峯との間に軋轢を生みたくはない。
 

「お前忘れたとでも言いたいのか」
 
「えっ、ちょっと、怖いですって」

 勢いよく胸ぐらを掴まれる。鼻先が触れそうな距離。思わず、その鋭い眼光から目を逸らす。


「あんな目に遭わされて、それでも俺のこと全く意識してないっていうのかよ」

「は? 」

 この人は突然妙なスイッチが入るらしい。普段は無口で素知らぬ顔をしているのに。

「俺を抱けよ。物欲しそうな顔で見てただろ」

「見てないです。男に興味ないので」

「嘘つけ。この前あんなによがっていたのにか」


 高峯に股間を掴まれ、やわやわと揉まれる。背筋を快感が駆け上がっていく。

「やめて下さい。人が来ちゃう」

「人が来なければいいのか。ならそこに入るぞ」

個室に押し込められ、首に吸いつかれる。
手はパーカーの下から中に忍び込み乳首を捉えた。

「ん あんっ」

「声を出すと人にバレるぞ」

必死で声を押し殺す。

鎖骨を唇が滑り、胸の先をくりくりと虐められる。

「乳首が勃ってきた。気持ちがいいか」

低い囁き声が耳を犯す。身体が熱い。

 もう片方の手がパンツの上から陰茎を擦る。
先の方から液体が滲むのを感じていた。

「ち○こ、がちがちになってる。パンツもびしょびしょじゃん。そんなにいいのか」

「耳元で、喋らないで下さい」

 しごく手が激しくなっていく。息が荒くなる。


「……けどさ、朝霧君は本当に真面目だよね。一緒に仕事をしていて気持ちがいいよ」

  トイレに人がやってきた。湧を褒めるようなことを話している。薄い扉を隔てた向こう側に誰かがいる。そう思うと身体がこわばった。

 高峯が胸の蕾をきゅっと摘む。

「うっ」

思わず声が漏れる。

「あれ、ディレクターだろ。いいのか、こんな場所でち○ち○シコられて、はしたなく喘いでいるのを見られたいのか」

「いやだ、だめ、だめっ」

肉棒が痙攣し高峯の手に白い液を吐き出す。

「イったのか。どマゾ」

吐き捨てるような言葉にも感じてしまう。

「どうしたんですか。具合が悪いのであれば人を呼んで来ましょうか」

 ディレクターのよそ行きの声が聞こえる。湧たちであることは気付かれていないのかもしれない。

「だい……じょうぶです。すぐ出るので」

乱れた息を隠して返事をする。
それを聞いたディレクターはトイレを出て行った。




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