戦国散歩

麒麟屋郁丸

文字の大きさ
上 下
2 / 13

信長公時代の城の主郭(本丸)について

しおりを挟む
「ジョン君!
今日はお魚を獲りに行こうよ!
明日はカズマが来るからね、BBQのときに焼く魚が欲しいでしょ?
だから今日は釣りに行こう」


あれからアキラさんはすごく元気に動き回っている。
だいたい僕が午前中におじいちゃんと一緒に狩りに行って、午後からは自由時間という感じになっている。


アキラさんは午前中はデスクワーク的なことをしている。
よくわからない書類に目を通したり、損益計算書の数字が合わない!っておじいちゃんに詰め寄ったり…
領収証が足りない!!って田中さんと探してたりしている。


「アキラ君が経理をやってくれるようになってめちゃくちゃ助かるんじゃが……あの子はちょっとキッチリし過ぎなくらいキッチリしとるからなぁ
はぁ……また怒られたわい」


アキラさんはなんてったって『生徒の模範』を目指してる方ですからね?
僕にはよくわからないけど……


っということで午後から屋敷からちょっと離れたところにある川に釣りに来ました。
ここらへんなら魔獣もあまりこないし、来ても僕がサクッとりますから大丈夫だし、楽しく二人で釣りをしてるのに……


すごく嫌な邪魔者の匂いがする。しかも、これは不味いなぁ…
アキラさんはまだ邪魔者の存在に気づいていないようだけど、どうしようかな?


僕だけで対処したいけど、アキラさんを一人にして川に落ちたりしたら大変だし、魔物の臭いとかはしないけど、どうしようか悩んでいると……


「ふわぁ……ジョン君、見てよ!すごく綺麗な牙狼がいるよ?
ジョン君に会いに来たのかな?知り合いか何かだったりする?」


アキラさんに見つかってしまった。
崖の上に銀色の艶のある毛並みの短毛種の牙狼が僕達を見下ろすようにいる。


鼻腔をくすぐるような、熟れた果実のような匂い…小さく聞こえる甘えたような喉を鳴らす声
アキラさんと出会う前の僕ならホイホイついて行っただろうが…
今はまったくそそられない


熟れた果実の臭いは下品な芳香剤のように感じるし、甘えた声は耳障りにしか感じない
我ながら変わったなっと思うけど……
小さく威嚇の声を喉から鳴らすと


牙狼は少し驚いたような顔をして、アキラさんを睨むように見下ろしだした。

ヴヴゥヴウ…!!

本格的に威嚇の声を発すれば、銀髪の牙狼はプイッと興味を失せたっとばかりに去って行った。


「えっ?……今のって……っっっそういうことか」


アキラさんが何か察したように、下を向いて口を尖らせて辛そうな顔をしていく。
あぁ…しまった……アキラさんの察しの良さが仇になる。


「あの……アキラさん、僕は別にあんな牙狼なんて、全然…」

「わかってるよ…ジョン君が悪いわけじゃないし、あの子が悪いわけじゃないよ…
ただ、ちょっと…僕は…

………もう帰ろう、ちょっと疲れちゃったから」


アキラさんの機嫌が急降下していくのを感じながら、どういう反応したらいいのかわからずにトボトボっとアキラさんの後をついていくしかなかった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

友達の母親が俺の目の前で下着姿に…

じゅ〜ん
エッセイ・ノンフィクション
とあるオッサンの青春実話です

【ショートショート】おやすみ

樹(いつき)@作品使用時は作者名明記必須
恋愛
◆こちらは声劇用台本になりますが普通に読んで頂いても癒される作品になっています。 声劇用だと1分半ほど、黙読だと1分ほどで読みきれる作品です。 ⚠動画・音声投稿サイトにご使用になる場合⚠ ・使用許可は不要ですが、自作発言や転載はもちろん禁止です。著作権は放棄しておりません。必ず作者名の樹(いつき)を記載して下さい。(何度注意しても作者名の記載が無い場合には台本使用を禁止します) ・語尾変更や方言などの多少のアレンジはokですが、大幅なアレンジや台本の世界観をぶち壊すようなアレンジやエフェクトなどはご遠慮願います。 その他の詳細は【作品を使用する際の注意点】をご覧下さい。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

だんだんおかしくなった姉の話

暗黒神ゼブラ
ホラー
弟が死んだことでおかしくなった姉の話

本能のままに

揚羽
歴史・時代
1582年本能寺にて織田信長は明智光秀の謀反により亡くなる…はずだった もし信長が生きていたらどうなっていたのだろうか…というifストーリーです!もしよかったら見ていってください! ※更新は不定期になると思います。

腐れ外道の城

詠野ごりら
歴史・時代
戦国時代初期、険しい山脈に囲まれた国。樋野(ひの)でも狭い土地をめぐって争いがはじまっていた。 黒田三郎兵衛は反乱者、井藤十兵衛の鎮圧に向かっていた。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

お前はテレビじゃねえ!

秋鷺 照
エッセイ・ノンフィクション
読んだ方が同じ現象に遭遇した時に参考になれば幸いです。

処理中です...