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第31話 伊吹、祭りを堪能する
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慎助とウルイァのところに戻ったが、慎助はいなかった。
「慎助は?」
「帰ったぜ。後は俺に任せるってよ」
ウルイァがそう言った。
「挨拶くらいしてくれれば良いのにのう」
「慎助はむっつりだから」
ウルイァが言ったが、それは理由になるのか疑問だった。また、会えたときにお礼を言おうと思った。
「後はブリュア待ちかな」
「ブリュアさんは仕事なのか?」
「そうだったはず。詳しくは聞いていないけど」
俺たちはとりあえず、研究室から出て、夕食を取りにくことにした。
街の中は夕方なのに、まだ賑わっていた。魔法研究所に行く人はかなり減ったが。
「祭りでも見に行くか?」
ウルイァの提案に俺とノジャは頷いた。
魔法研究所から少し離れたところに、大きな広場があり、中心にはやぐらがあった。光る装飾がたくさん付けられていて、上には人が乗っていて太鼓を叩いていた。やぐらの下にも楽器を持った人たちがいて、歌を歌っている人がいた。やぐらの周りには、たくさんの人がいるが、背伸びをすればまあまあ見える。
「盆踊りみたいだな」
「伊吹の世界でも似たようなのがあったのかの?」
「そうだな。このやぐらの周りを踊りながら歩くんだよ」
踊っている人はいなかった。
「今日は歌手のアカリが来ているんだ。そりゃ、混むよなあ」
「良い歌声なのじゃ」
もう一度背伸びをして見ると、やぐらの下に黄緑色のパーマ髪で犬耳か猫耳の女性が歌っていた。
「金星出身で狼耳族の歌手、アカリ。この世界で一番の歌手だな」
「地球、火星ときて、金星もあるのか」
俺のいた世界の名称や、エレベーターがあったり、似た所もあるんだよな。
異世界っぽい所の方が多いけれど。まあ、異世界だから、そうなんだが。
「ん? ろうじぞくって?」
俺が聞くと、ウルイァが答えた。狼の耳と尻尾を持った種族らしい。
そういえば、陽が落ちてくるにしたがって、ウルイァの赤い瞳が燃えているほどに光って見えた。
「ウルイァの瞳はキレイじゃのう」
「ああ、これか」
ウルイァは瞳がこちらに見えないように片目を手で押さえた。
「秘密の瞳」
手を離してから、ウルイァはこちらを見てウインクをした。
「秘密なのか~。気になるのう」
「ははは。いずれ、話す機会があればな」
慎助と違って、ウルイァは隠し事をする方なのかもしれない。慎助は色々答えてくれていたんだな。
「さあ、夕食を探しに行こうか」
そう言われて、祭りの露店が並んでいる所に行くことにした。
露店の近くまで行くと良い匂いがしてきて、急にお腹が空いてきた。
「火星だとカラーコーンが美味しいかもな」
ウルイァの提案に乗って、カラーコーンというものを探して買うことにした。
カラーコーンは名前の通り、色とりどりの粒を持ったとうもろこしだった。焼きカラーコーンを頼んだ。
食べると、甘さ、しょっぱさ、酸味、辛味、色々な味がした。
うーん。まとまりがない。
「美味しいといえば、美味しいけど何か表現が難しいって感じだな」
「だろ? 火星に初めて来た人に食べさせると皆そういう反応をするんだよな!」
ウルイァは嬉しそうに言った。
「不思議な味じゃのう」
ノジャはそう言いつつも、一所懸命食べていた。
「癖になるかも」
「そうじゃのう」
「ははは。それも皆言うよ」
俺たちは他の物も食べながら、ギルドへ向かった。
「慎助は?」
「帰ったぜ。後は俺に任せるってよ」
ウルイァがそう言った。
「挨拶くらいしてくれれば良いのにのう」
「慎助はむっつりだから」
ウルイァが言ったが、それは理由になるのか疑問だった。また、会えたときにお礼を言おうと思った。
「後はブリュア待ちかな」
「ブリュアさんは仕事なのか?」
「そうだったはず。詳しくは聞いていないけど」
俺たちはとりあえず、研究室から出て、夕食を取りにくことにした。
街の中は夕方なのに、まだ賑わっていた。魔法研究所に行く人はかなり減ったが。
「祭りでも見に行くか?」
ウルイァの提案に俺とノジャは頷いた。
魔法研究所から少し離れたところに、大きな広場があり、中心にはやぐらがあった。光る装飾がたくさん付けられていて、上には人が乗っていて太鼓を叩いていた。やぐらの下にも楽器を持った人たちがいて、歌を歌っている人がいた。やぐらの周りには、たくさんの人がいるが、背伸びをすればまあまあ見える。
「盆踊りみたいだな」
「伊吹の世界でも似たようなのがあったのかの?」
「そうだな。このやぐらの周りを踊りながら歩くんだよ」
踊っている人はいなかった。
「今日は歌手のアカリが来ているんだ。そりゃ、混むよなあ」
「良い歌声なのじゃ」
もう一度背伸びをして見ると、やぐらの下に黄緑色のパーマ髪で犬耳か猫耳の女性が歌っていた。
「金星出身で狼耳族の歌手、アカリ。この世界で一番の歌手だな」
「地球、火星ときて、金星もあるのか」
俺のいた世界の名称や、エレベーターがあったり、似た所もあるんだよな。
異世界っぽい所の方が多いけれど。まあ、異世界だから、そうなんだが。
「ん? ろうじぞくって?」
俺が聞くと、ウルイァが答えた。狼の耳と尻尾を持った種族らしい。
そういえば、陽が落ちてくるにしたがって、ウルイァの赤い瞳が燃えているほどに光って見えた。
「ウルイァの瞳はキレイじゃのう」
「ああ、これか」
ウルイァは瞳がこちらに見えないように片目を手で押さえた。
「秘密の瞳」
手を離してから、ウルイァはこちらを見てウインクをした。
「秘密なのか~。気になるのう」
「ははは。いずれ、話す機会があればな」
慎助と違って、ウルイァは隠し事をする方なのかもしれない。慎助は色々答えてくれていたんだな。
「さあ、夕食を探しに行こうか」
そう言われて、祭りの露店が並んでいる所に行くことにした。
露店の近くまで行くと良い匂いがしてきて、急にお腹が空いてきた。
「火星だとカラーコーンが美味しいかもな」
ウルイァの提案に乗って、カラーコーンというものを探して買うことにした。
カラーコーンは名前の通り、色とりどりの粒を持ったとうもろこしだった。焼きカラーコーンを頼んだ。
食べると、甘さ、しょっぱさ、酸味、辛味、色々な味がした。
うーん。まとまりがない。
「美味しいといえば、美味しいけど何か表現が難しいって感じだな」
「だろ? 火星に初めて来た人に食べさせると皆そういう反応をするんだよな!」
ウルイァは嬉しそうに言った。
「不思議な味じゃのう」
ノジャはそう言いつつも、一所懸命食べていた。
「癖になるかも」
「そうじゃのう」
「ははは。それも皆言うよ」
俺たちは他の物も食べながら、ギルドへ向かった。
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