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第22話 伊吹、有鱗族と出会う
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俺とブリュアさんとコリッツだけで、西のギルドへと向かった。竜鬼と呼ばれた青年は、万が一ノジャが誘拐犯から逃げ延びた場合に備えて、セランヌタワーで待ってくれることになった。
西のギルドまではかなり入り組んだ道だった。これは迷いそうだ。セランヌタワーの近くとはいえ、ノジャは迷って、すぐにギルドに着けなかったのだろう。
「どうかな?」
ブリュアさんがコリッツに聞くと、コリッツは左の道を指差した。
左に曲がり、数軒先でコリッツは足を止めた。
「この家の中にいる」
周りのドーム状の家より小さめの白い家の前だった。
「ねえねえ、ドアを思い切り開けて入ってみない?」
ブリュアさんは提案をした。そんな事していいのか? 不法侵入になりそうだ。
「そんな物騒な。まずは、普通にノックだろ」
コリッツが諌めると、ブリュアさんは少しつまらなさそうに頬を膨らませた。大男の頬膨らませは結構キツイ。
コリッツが扉をノックすると、はーいと女性の声が聞こえた。
扉が開くと、栗色ボブヘアでピンク色のカチューシャを付けた女性が出てきた。
「何でしょうか?」
「えっと、その……」
俺が言い淀んでいると、家の中から聞き慣れた声が聞こえた。
「伊吹!」
「ノジャ!」
ノジャが呑気に歩いてきた。
その後に続いて、出っ歯が印象的な男と、爬虫類の顔の人が現れた。爬虫類の顔……ヘビだった。緑色の鱗が付いていて、黄色い目がギョロりとこちらを見ていた。
「知り合いか?」
ヘビ男は思ったよりも優しい声色で、ノジャに尋ねた。
「友人なのじゃ! 迎えに来てくれたのかの?」
ノジャはほんのり頬を赤らめて、呟いた。
「実は迷ってしまって、この人たちに助けてもらったのじゃ……」
「やっぱり迷っていたのか」
俺がそう言うと、ノジャは不服そうに答えた。
「ちょっと道を間違っただけじゃ!」
「私たちはギルドの場所を知らなかったの」
女性がそう言った後、ヘビ男が後に続いた。
「地図を見てもわからないし、疲れていたみたいだから家で休んでもらっていたんだ」
「なーんだ。誘拐じゃなかったのか」
ブリュアさんは残念そうに言った。誘拐じゃなくて良かっただろ。ブリュアさんはやっぱり変な人……変な神様だった。
「俺はレーオン。こっちの男の人がマンターハンさんで、こっちの女の子がカエラ」
「よろしく」
「よろしくですわ。正しくはカエラレニですわよ」
それに伴って、俺たちも自己紹介をした。
「レーオンは有鱗族と言っての! 珍しい種族らしいのじゃ!」
「そんな事ないけどな。これだけ種族がいたら、どの種族も珍しいさ」
レーオンは一呼吸置いて、話した。
「有鱗族が珍しいのは、見た目だろ」
「まあ! また、レーオンはそんな事を言って!」
カエラレニは怒って頬を膨らませた。女の人が頬を膨らませるのは可愛かった。
「伊吹も驚いただろ。伊吹の世界にはこういう見た目のやつはいなかっただろ?」
「いなかったけど……杏奈や晶みたいな猫耳族を見てからだと、驚きは少ないかも」
本心だった。確かに異世界に来てから、驚くこともいくらかあったけど、そんなに大きくは驚いてないかもしれない。異世界から来た設定の配信者を見てたからかも。
「ふーん。そうか……」
レーオンは複雑そうな顔をしてから、右を向いた。誰もいない方向だ。
「レーオン、嬉しそうですわね」
「そんな事ねえ!」
カエラレニにからかわれて、レーオンは今度は下を向いた。肌が鱗だからわからないが、顔色が変わるなら顔を赤くしてたのかもしれない。
西のギルドまではかなり入り組んだ道だった。これは迷いそうだ。セランヌタワーの近くとはいえ、ノジャは迷って、すぐにギルドに着けなかったのだろう。
「どうかな?」
ブリュアさんがコリッツに聞くと、コリッツは左の道を指差した。
左に曲がり、数軒先でコリッツは足を止めた。
「この家の中にいる」
周りのドーム状の家より小さめの白い家の前だった。
「ねえねえ、ドアを思い切り開けて入ってみない?」
ブリュアさんは提案をした。そんな事していいのか? 不法侵入になりそうだ。
「そんな物騒な。まずは、普通にノックだろ」
コリッツが諌めると、ブリュアさんは少しつまらなさそうに頬を膨らませた。大男の頬膨らませは結構キツイ。
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扉が開くと、栗色ボブヘアでピンク色のカチューシャを付けた女性が出てきた。
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「えっと、その……」
俺が言い淀んでいると、家の中から聞き慣れた声が聞こえた。
「伊吹!」
「ノジャ!」
ノジャが呑気に歩いてきた。
その後に続いて、出っ歯が印象的な男と、爬虫類の顔の人が現れた。爬虫類の顔……ヘビだった。緑色の鱗が付いていて、黄色い目がギョロりとこちらを見ていた。
「知り合いか?」
ヘビ男は思ったよりも優しい声色で、ノジャに尋ねた。
「友人なのじゃ! 迎えに来てくれたのかの?」
ノジャはほんのり頬を赤らめて、呟いた。
「実は迷ってしまって、この人たちに助けてもらったのじゃ……」
「やっぱり迷っていたのか」
俺がそう言うと、ノジャは不服そうに答えた。
「ちょっと道を間違っただけじゃ!」
「私たちはギルドの場所を知らなかったの」
女性がそう言った後、ヘビ男が後に続いた。
「地図を見てもわからないし、疲れていたみたいだから家で休んでもらっていたんだ」
「なーんだ。誘拐じゃなかったのか」
ブリュアさんは残念そうに言った。誘拐じゃなくて良かっただろ。ブリュアさんはやっぱり変な人……変な神様だった。
「俺はレーオン。こっちの男の人がマンターハンさんで、こっちの女の子がカエラ」
「よろしく」
「よろしくですわ。正しくはカエラレニですわよ」
それに伴って、俺たちも自己紹介をした。
「レーオンは有鱗族と言っての! 珍しい種族らしいのじゃ!」
「そんな事ないけどな。これだけ種族がいたら、どの種族も珍しいさ」
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「有鱗族が珍しいのは、見た目だろ」
「まあ! また、レーオンはそんな事を言って!」
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「伊吹も驚いただろ。伊吹の世界にはこういう見た目のやつはいなかっただろ?」
「いなかったけど……杏奈や晶みたいな猫耳族を見てからだと、驚きは少ないかも」
本心だった。確かに異世界に来てから、驚くこともいくらかあったけど、そんなに大きくは驚いてないかもしれない。異世界から来た設定の配信者を見てたからかも。
「ふーん。そうか……」
レーオンは複雑そうな顔をしてから、右を向いた。誰もいない方向だ。
「レーオン、嬉しそうですわね」
「そんな事ねえ!」
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