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第19話 伊吹、お使いを頼まれる
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森の巨人をあっさりと倒したモモさんはブリュアさんに先ほどの真っ青な人たちを三十人ほど借りて、森の修復を行うそうだ。
「ブリュア。ありがとう。助かったわ」
「これ、私の助けが必要だったかなあ」
「必要よ。必要」
ブリュアさんは首を傾げた。
「私はここに残るから。ありがとうね。伊吹もノジャも、付き合ってくれてありがとう」
「俺たちは着いてきただけだから。なあ」
「そうなのじゃ! いただけなのじゃ」
モモさんは、くすりと笑った。
「わかった。私の色力の人形を借りたいだけでしょ」
「何のことかしら」
「モモちゃんさあ」
モモさんは、まあまあと言って、俺たちを送り出した。
街に戻って、また高層の建物に着いた。
「あれ? ブリュアじゃん」
またブリュアさんが声をかけられた。
俺たちが声の方を振り向くと、オークル色の髪をした青年と、銀髪ボブの女性が立っていた。
「仁と粋か。珍しい組み合わせだな」
「たまたま会っただけよ」
粋と呼ばれた女性は、顔をむすっとさせた。
「ははは。お互い皐月に用があってな。皐月は街の視察に行ってるみたいで」
「ブリュアは何をしているの?」
「子守り」
「さっきは子守りじゃないって言っていたじゃないですか!」
俺がそう言うと、ブリュアさんはくすくすと笑った。
「すまんな。子守りという表現は合っているかなと」
「合ってないのじゃ!」
俺とノジャは憤慨した。
「まあ、ちょっとしたお使いだよ。そちらよりは忙しくはないよ」
「確かに、天界はまだ忙しいよ」
仁はそう言って、粋の方を見た。
「そうね。誰かさんのせいで」
粋は仁を睨んだ。
「ははは。誰かさんでーす」
仁は両手をあげて、笑った。
「皐月を探してはいるけれど、他にもやることがあって、探している暇がないんだよな。帰って来るのを待っているわけにもいかないし、困っていたんだ」
「仁に探させようとしていた所なの」
粋の言葉に、仁は乾いた笑いを見せた。
「んー。伊吹、ノジャ、いいかな?」
俺はブリュアさんの言葉を察した。
手伝いたいのだろう。
「俺はいいですよ」
「ん? どういうことなのじゃ?」
「彼らの代わりに皐月って人を探してあげるんだよ」
「なるほどなのじゃ! わしも良いぞ」
仁と粋は顔を見合わせてから、すぐにお互い目を逸らした。
「助かるよ。皐月に出会ったら、先に粋の方に顔を出すように言ってやってくれ」
「ああ。その後に仁ね」
「よろしくお願い」
粋は頭を下げた。仁もそれに続いて、頭を下げた。
俺たちはお使いを了承し、また街へと出ていくことになった。
「仁から聞いた感じだと、街のギルドに顔を出してそうだね」
「それなら簡単なのじゃ!」
ブリュアさんは首を横に振った。
「この街は見回った通り、広くてね。ギルドも五箇所あるんだ。移動していたら、入れ違いってこともあるかも」
「どうしますか?」
「地図があるんだ」
ブリュアさんはウエストポーチから、地図を二枚出した。
「街の中なら、危ないことがあっても助けてくれる人は多い。単独行動しても大丈夫でしょ」
地図にペンで丸を付けながら、言った。
「伊吹はここ、ノジャはここね。私は、他の三箇所に行く。終わったら、またここに集合で。迷ったら、ここに戻ってくればいいから」
「わかったのじゃ!」
ノジャは元気よく跳ねた。
「皐月がいるか聞くだけで良いからね」
俺とノジャは頷いて、答えた。
「ブリュア。ありがとう。助かったわ」
「これ、私の助けが必要だったかなあ」
「必要よ。必要」
ブリュアさんは首を傾げた。
「私はここに残るから。ありがとうね。伊吹もノジャも、付き合ってくれてありがとう」
「俺たちは着いてきただけだから。なあ」
「そうなのじゃ! いただけなのじゃ」
モモさんは、くすりと笑った。
「わかった。私の色力の人形を借りたいだけでしょ」
「何のことかしら」
「モモちゃんさあ」
モモさんは、まあまあと言って、俺たちを送り出した。
街に戻って、また高層の建物に着いた。
「あれ? ブリュアじゃん」
またブリュアさんが声をかけられた。
俺たちが声の方を振り向くと、オークル色の髪をした青年と、銀髪ボブの女性が立っていた。
「仁と粋か。珍しい組み合わせだな」
「たまたま会っただけよ」
粋と呼ばれた女性は、顔をむすっとさせた。
「ははは。お互い皐月に用があってな。皐月は街の視察に行ってるみたいで」
「ブリュアは何をしているの?」
「子守り」
「さっきは子守りじゃないって言っていたじゃないですか!」
俺がそう言うと、ブリュアさんはくすくすと笑った。
「すまんな。子守りという表現は合っているかなと」
「合ってないのじゃ!」
俺とノジャは憤慨した。
「まあ、ちょっとしたお使いだよ。そちらよりは忙しくはないよ」
「確かに、天界はまだ忙しいよ」
仁はそう言って、粋の方を見た。
「そうね。誰かさんのせいで」
粋は仁を睨んだ。
「ははは。誰かさんでーす」
仁は両手をあげて、笑った。
「皐月を探してはいるけれど、他にもやることがあって、探している暇がないんだよな。帰って来るのを待っているわけにもいかないし、困っていたんだ」
「仁に探させようとしていた所なの」
粋の言葉に、仁は乾いた笑いを見せた。
「んー。伊吹、ノジャ、いいかな?」
俺はブリュアさんの言葉を察した。
手伝いたいのだろう。
「俺はいいですよ」
「ん? どういうことなのじゃ?」
「彼らの代わりに皐月って人を探してあげるんだよ」
「なるほどなのじゃ! わしも良いぞ」
仁と粋は顔を見合わせてから、すぐにお互い目を逸らした。
「助かるよ。皐月に出会ったら、先に粋の方に顔を出すように言ってやってくれ」
「ああ。その後に仁ね」
「よろしくお願い」
粋は頭を下げた。仁もそれに続いて、頭を下げた。
俺たちはお使いを了承し、また街へと出ていくことになった。
「仁から聞いた感じだと、街のギルドに顔を出してそうだね」
「それなら簡単なのじゃ!」
ブリュアさんは首を横に振った。
「この街は見回った通り、広くてね。ギルドも五箇所あるんだ。移動していたら、入れ違いってこともあるかも」
「どうしますか?」
「地図があるんだ」
ブリュアさんはウエストポーチから、地図を二枚出した。
「街の中なら、危ないことがあっても助けてくれる人は多い。単独行動しても大丈夫でしょ」
地図にペンで丸を付けながら、言った。
「伊吹はここ、ノジャはここね。私は、他の三箇所に行く。終わったら、またここに集合で。迷ったら、ここに戻ってくればいいから」
「わかったのじゃ!」
ノジャは元気よく跳ねた。
「皐月がいるか聞くだけで良いからね」
俺とノジャは頷いて、答えた。
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